先月、R-Spiritというイベントを開催しましたが、事後の記事として、
チケット代8千円は高いのか?9/14 R-Spirit【舞台裏編】
というのを書いたところ、たいへんな反響をいただきました。
facebookでもかなりシェアしていただいたようです。
聞こえて来た声としては「そういうことは知らなかった!」という方が多いです。
そりゃそうですよね、お金の話はおおっぴらにしないし、特に音楽の世界は一般社会の方からはなかなかわかりにくいところもありますから。
で、あれから1ヶ月、今私が直面しているのは次の10月鎌倉ランチライブです。
はっきり言ってお申し込み状況は低調です。
内容や出演者や音楽の好み、日取りや地の利など、皆さんいろんな事情があると思いますが、一つには料金 もあるのかなーと思っています。
チケット代¥6,400は高いのか?
今回は昼間、ランチタイムに、鎌倉・由比ヶ浜のレストランを貸し切ってのライブです。
レストランなのでお食事付きが前提となっています。
で、¥6,400。
多くの普通の人の感覚だと「高い!!」なんじゃないでしょうか。
昼でしょう。
ランチでしょう。
で、ライブでしょう。
ちょっとね・・・と躊躇する方がいても無理はありません。
で、以前の記事と同じようなこと言いますが(笑)
「さぞ儲けてるんでしょう?」って思ってる?
や、思ったっていいですよ。
ところが!
すいません、これじゃ全然私んところ、儲かんないですから!
¥6,400の内訳
なぜかというのを説明します。
先ほども言いました、ここはレストラン。
貸しホールではないので、ブッキング時に「お食事をつける」は前提となっています。
そうすると飲食店の考え方は「お一人様いくら」です。
で、飲食店ですから、ちゃんと飲食をしていただき、ちゃんと料金をいただきたい、と。当然ですね。
で、お店の側からの提示料金があるわけです。
「お一人さま¥4,000で。」
「えー、ランチでしょ?高い!」って思います?
かもね。でもそのかわりレストラン側はこうおっしゃいます。
「その料金で、メインのプレートランチと、1ドリンク(ワイン等アルコールあり)、デザートとコーヒーもつけますんで!」
で、時間としてはライブの時間がありますから、ざっくり2時間超。
その時間貸し切って、これだけの内容を付けて、お一人さま¥4,000。
ね?そう考えるとベラボーな値段じゃないですよね?
そこを「いや、適当なランチだけでいいから¥2,000にして」とは、私は言えなかったなー。
というわけで、まずはレストラン側に¥4,000ですよ。
ミュージシャンにはギャラがいるんだよ
さて、その上で、ライブですから出演するミュージシャンがいます。
私がお声かけするミュージシャンは全員プロです。
あたりまえだけど、プロってのはそれでお金を稼いで生活している人たちです。
だから当然、出演してもらったらお金=ギャラをお支払いします。
なので、先ほどの¥4,000の上に、ギャラが払えるだけの金額を乗せなければなりません。
その金額は、全体の動員人数=お店の定員によります。
こんどのお店「ブラッスリー・ゲント」は、定員最大30名。
どうがんばったってそれ以上はないわけですね。
で、じゃあ¥4,000の上にいくら載せたらみなさんのギャラが払えるか。
そして私だって弾いてるし、主催運営の手数が各種かかってるわけですから、できれば同じくらいいただきたいじゃないですか。
そこで私がギリギリの線で考えたのが ¥2,400。
どうぞ計算してください。
仮に30名様満席いただいたとして、¥2,400 × 30 =¥72,000。
最大にお客さんが来てくださっても ¥72,000です。
そして、出演者は私含め4人。
単純に4等分すると、1人あたり¥18,000 。
これ、全然高くないですよ。
バイトじゃないんだから。
特殊技能なんだから。
しかも今回はギターの方がPA機材を持って来てくださいます。
そしたら運搬・持ち込み・使用の手数料、上乗せしてあげたいじゃないですか。
あと、機材や楽器を運ぶには車が必要なんです。
駐車場代だって払ってあげたいじゃないですか。
だから配分をもう少し変えて調整しようということになりますし、
ちょっと待って、そもそもこれは30人満席だった場合の話。
お客様が半分だったら、収益も半分てことになりますから、もうとてもじゃないけどどうにもなる額じゃありません。
そしたら最終的に私が損かぶるしかないですよね。
もちろん、そこはやぶさかでないです。
それでもやりたいからやってるので。
もちろん、これじゃ主催者の手腕としては下手くそかもしれません。
かといって今のところ他の仕組みを思いついてないので、そのあたりはどなたか知恵があればお借りしたいくらいです、ほんとに。
わかってくれるとうれしい
そう考えるとね、ランチライブ¥6,400 って別に誰が暴利を貪ってるわけではないかんじ、するでしょう?
そこを「なるほどねー」って思ってもらえたら私はちょっとうれしいです。
あとはミュージシャンとか、いろんな分野の「手に職系」クリエイターに対して
「好きなことやってんだからいいじゃんか。好きなことで金もらえるんだからありがたく思えば。」
とか思わないでもらえると、もっとうれしいです。
それ以前に
「好きなことでお金が稼げるわけがない」
っていう国民的ビリーフをもうそろそろリセットしてくれたら、さらにうれしいです。
それがあるからこそ「好きなことやってるんだから、金はどうでもいいだろ」っていう発想が生まれるんだと思うの。
その道で食えるようになるってのは大変なことなんです。
それと引き換えに、明日をも知れぬ不安定な生活に飛び込んでいるわけです。
そこまでにどれだけの努力をしてきたかっていう、その蓄積も含めてのギャラなんです。
そういうミュージシャンに正当にお金が回り、そこから豊かな音楽が生まれ、皆さまの心を豊かにしていく。
そんな幸せな循環が生まれることを切に願っています!
というわけで10/21
なので、もし迷っておられる理由がお金の問題なのだったら、そういう背景をご理解いただいて、ぜひご検討いただければうれしいです(^ ^)
出演者も、お店の方も、みなさま誠実さにおいては全く曇るところはない気持ちのよい方達です。
そんな気持ちのよい空間と時間を、ご一緒できたら素敵です。
お待ちしています!
追記:で、当日を迎えてのその後の記事はこちら
表舞台編
舞台裏編