チケット代8千円は高いのか?9/14 R-Spirit【舞台裏編】

9/14 R-Spirit Vol.2、おかげさまで素晴らしい場となり、皆さんにも喜んでいただけてなによりでした。
出演者みんな、とても気持ちよく演奏させていただいて楽しかったです!
みなさん、ありがとう!!

・・・というのが、「表(オモテ)」のお話。
それももちろん本当のことです。

しかし一方で、華やかな舞台には必ず舞台裏というのがございます。

つまり、そのイベント/舞台を企画し主催し、作る側ですね。

そして今回はあえて、その「裏側」のお話、つまり主催者としての私の思いを書いてみたいと思います。
ハッキリ言って「お金」の話です。

よっぽど儲かってる?

さて、R-Spiritは、チケット代¥8,000。

キャパ100人未満のライブハウスでやるライブとしてはかなり高額です。

南青山マンダラでライブをやってるほとんどのアーティストさんは、チケット代¥3,000〜高くても¥5,000くらいまで。

あのブルーノート東京で、外国人の一流アーティストが¥8,000とかですから、普通考えたら「なんで私達くらいのが8千円!? 」てことになると思うんですよね。

そして、事情を知らない方はきっとこうも思うかもしれません。

「よっぽど儲けてるんだろうな」

どう?どう?
思った人いるでしょう(笑)
いいんですよ、思ったって。
そりゃ思うよ、「普通」じゃないもん。

でもね、結論から書いときます。
今回、主催である弊社(株)ツナゲルの取り分はほぼゼロです。

まあーよかったね、トントン万歳!!ヽ(;▽;)ノ

てことなんですよ。

なぜか。

第一には規模が小さいからです。
ライブハウスも大きくないし、溢れるほどのお客さまが殺到するわけでもありません。
ほどよく満席・・程度。

そのわりには、ちゃんと払うべきものに払っているからです。

出演者の皆さんが気持ちよく本番当日を迎えられるように。

当日、気持ちよく過ごせるように。

演者が演奏しやすくお客様が心地良い、気持ちの良い音が会場に鳴るように。

ミュージシャンの方が費やした労力と時間が、正当に報われるように。

そこを一つ一つ配慮して押さえていくと、本当に一つ一つお金がちゃんと発生するのです。

そしたらね、お一人¥8,000のチケット代は、ちゃんとそういうことに生きて、行き渡って、我々の手元には残らないんですよ。
経営者としては全然自慢にならないですけどね。

そして、実を言うと別勘定で他の経費もかかっています。
専用のランディング・ページを作ったり、チラシを作ったり、写真家さんを頼んだり。そういうことは弊社の持ち出しですから、あらら、トントンじゃないわ、赤ですわ〜〜ヽ(;▽;)ノ

豊かな環境で音楽をやりたいから

これはスタンスの問題ですが、お金がかかるからと言っていろんなところを節約節約、ケチケチして切り詰めていくというのも一つのやり方ではあります。

でも私はあんまりそういうの好きじゃないんです。
結局はそこにいる「人間」一人一人に負担やガマンを強いていくことになるから。

もちろん他の現場のことまでとやかく言うつもりはありません。
それぞれの事情があるから。

でも私の現場は、できるだけ豊かで快適な現場にしたいの。

自分も人間として快適な環境に身を置いて豊かな気持ちで過ごしたいし、もちろん出演者の皆さんにもそういう気持ちでやってもらいたいんです。

そういうところから、豊かな音楽を生み出していきたい。
だって、音楽って本来豊かなものだから。

豊かっていったって、何も豪勢な贅沢のこと言ってるんじゃありません。

人間として最低限、普通にうれしいくらいのゆとりですよ。

具体的に言ったら、環境とお金です。

音にこだわる

まずは今回、PA(音響)さんはライブハウス任せではなく、外部のPAスペシャリストの方を手配しました。
理由はその方が音がいいから。

一般の方にはわかりにくいですが、PAさんの腕の違いってすごいんですよ!
同じハウスで同じバンドがやっても、PAの人によって音の良さやまとまり、演奏のしやすさは天と地ほどに違うものです。
 PAが良いと、演奏も何割り増しかうまくなり、聴いてるお客さんも何割増しか気持ちよくなります。

結果として、出演者は「やりやすかった!気持ちよかった!」、お客様は「すばらしかった!感動した!!」という結果となって現れます。

それを得るために、今回はここにお金をかけました。

参考過去記事:イベントやりたい人のための「音楽とPA」そもそもの話

快適さにこだわる

その他、細かいところで快適に過ごせるように。

たとえばリハーサルスタジオは、来るのに便利、駐車場が近くて機材搬入がしやすく、ゆとりのある広さのあるところとか。

当日の楽屋には、安心でおいしい無添加オーガニック弁当を全員に用意するとか。

そういうところで細かく快適さを確保することで、少しずつお金はかかってきます。

労力と技能に見合ったギャラをちゃんと出す。

R-Spiritに関して言えば、ミュージシャンのギャラは通常のライブのギャラ相場より数倍高い金額出してます。ていうか、通常の相場っていうのがありえないくらい安いから。
ウチは普通に、その労力と能力に見合った、人間として当たり前くらいの額を出したいという、それだけ。

でもこの当たり前が確保されることさえなかなか厳しいのが音楽の世界です。

この件は重要なので次のお題にします。

ライブのギャラを計算してみよう

さてみなさん、1回のライブでミュージシャンの手元にいくらくら入るか、想像つきますか?

もちろん現場により、そしてミュージシャンのランクによってピンキリですが。
メジャーアーティストの大規模なツアーなんかだったら、動員規模も動くお金も大きいのでそれなりの価格になりますが、ライブハウスの規模が小さいほど、お金まわりも厳しくなります。

そこで。ちょっと一緒に試算してみて。
例として、規模小さめのライブハウスでそこそこ満員くらいのケースで考えてみましょう。

たとえば、普通みなさんがライブにお支払いするのに「手頃かな」って思われるチケット金額って、仮に¥3,000とするじゃないですか。

で、小さいライブハウスだと、満席でも30人くらいとして。

¥3,000 ×30人 = ¥90,000 ですね。

「あら、まあまあじゃない!?」って思う?

ところが。

ライブハウスには「チャージバック」というのがあるのです。

お客さんからいただいたチケット料金の総額から、パーセンテージでお店が持っていくの。

何%かはお店の規定によっても違いますが、だいたい動員人数との歩合で%が決まっています。

ここでは仮に、かなり良心的で、30人で50%だとしますね。
すると先ほどの¥90,000をお店と出演者半分半分にするわけなので、つまり¥45,000 が出演者の取り分。

そこで出演者がソロ弾き語りなんかで1人だったら、まるっと1人¥45,000の収益になりますが、ちょっと待って。ライブってバンドだったりユニットだったりしますよね?

てことは、ここからミュージシャンの人数分、割るわけですよ。

バンド5人だったらどうです?
1人¥9,000よ。

7人だったらどうです?
1人¥6,428よ。

「いーじゃないか、たった2時間くらい演奏してそれくらいになるんだから」って思います?

いやいや。
その本番2時間演奏する前に、重い機材かついで搬入して、サウンドチェックして、リハーサルして、ってすでに何時間もかかってます。

さらにその日の数日前から、楽譜作って、個人練習して、スタジオリハして、ってさらに何時間もかかってます。

さらにその何年も前から、楽器を一生懸命練習して、勉強して、経験積んで、って膨大な年数かかってます。

それぜーーんぶ含めて、数千円て!?

しかも、スタジオ代や駐車場代が自分持ちだったらどうなります?

それ、まともな大人の稼ぎとはいえないですよね?

しかも、今計算したのは仮に動員30人。
実際のところ、世間ではそんなに集客できないライブだってザラです。

それだったらホントに、音楽で・・少なくともそういうライブで稼ぐのは絶望的ということになります。

スタジオやツアーの仕事をやればもう少しお金になるけど、そういう仕事を取れる人もまた限られた一部だったりします。

その過去の圧倒的な努力量と、日々の現場の労力と所用時間の膨大さから言ったら、音楽家は本当にたいへんな仕事だと思います。
ハッキリいって割に合わないこと多すぎ。ストレスや不安だっていつも背中合わせです。

だけど世間的には、そういう舞台裏はあまり見えてきません。

何も知らない人は「いいよねー、好きなことやってチヤホヤされて!」くらいなことを言ったりもするんです(笑)

夢を売る仕事だからね、そう見えてもいいのかもしれませんけどね。

このイベントの価値

だからこそ話を戻して、R-Spiritでは諸経費をちゃんとかけて快適な現場にしたいし、まともなミュージシャンがその労力と実力にまともに見合った金額を手にできるような場に、できる限りしていきたいと思っています。

繰り返しますが、音楽の本質は豊かさです。

豊かさの源泉とは、心のゆとり、心地よさ、満たされる感覚、あたたかさ、ゆるみ、安心。

そういうところから、いのちの躍動が起こっていきます。
いのちの躍動の表現こそが音楽です。

だから、豊かな心はいつも忘れたくない。

音楽と心理の融合を謳っているからこそ、まず作る側の私が「お金がない!お金がない!!」といった欠乏原理の「ないないワールド」から脱出していたい。

「すでに満ちている、足りている」という充足原理の「あるあるワールド」を生きていたいと思うんです。

そうして、いらしてくださる皆さんにも、豊かでいのちが喜ぶような体験をしていただける場にしたい。

単にこちらが「音楽やります、聴いてください!」ではなく、皆さんの中にも、心レベル・意識レベル・人生レベルで何かが「良くなる」とか、何かが「変わる」というおみやげも持って帰っていただきたい。

そういういことをこのイベントの一つの価値と見据えて、このお値段にさせていただいています。

ただ、いつまでも弊社の取り分がゼロないし赤じゃ、これもいけません。
やっぱり最終的にみんなで豊かにならないとね。
いずれ巡り巡って戻って来るとは思っているのですが、そこは今後の課題ではありますね。

音楽や芸術とお金の問題

音楽や芸術にどうやってお金を回すか、というのは古くからある課題であり、現時点でもやはりまだ正解の見えない永遠の課題かもしれません。

今の時代、CD等の録音音楽も、かつてほどお金を産むものではなくなっています。

その打開策としては、お客様から料金をいただくことだけではなく、古来から洋の東西を問わず存在する「経済力のある人が芸術家の創作活動を支援する」いわゆるパトロンというシステムに希望があることなのかもしれません。

今の私にはなんとも言えることではありませんが、自分なりの一つの試みとして、違う業界をつなぎ合ってミックスするという方法を試してみているのです。

それが、音楽業界と心業界をつなぐR-Spiritという場であり、私がなぜそれをやるかという理由は、私が両方の業界においてプロフェッショナルとして活動してきたという点にあります。

そんな中から、作る人も、演る人も、聞く人も、参加する人も・・・みんなが物心共に豊かさを分かち合えるような場が花開いていったらいいなあと、遥かな希望を描いています。

 

 


この記事を書いた人

大塚 あやこ

大塚 あやこ

ビリーフリセット・カウンセラー/作曲家
学会認定音楽療法士
芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
深く人の心に関わるためには、音楽だけのアプローチでは限界を感じ、音楽療法を経てさらに本格的な心理カウンセリング/セラピーへ転身。
原理原則に基づいたオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、ビジネスマン、リーダー、経営者、クリエイター等、影響力のある人を更にステージアップさせる個人セッションやワークショップを開催。活動5年で延べ3,000名以上の人生を好転させてきた。

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自己流だけじゃちょっと危うい傾聴の基本を1日で学べる講座、11月休日・平日開催
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秋の鎌倉、由比ヶ浜、日曜日のお昼。
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・コヤマリエ/ヴァイオリン、大塚あやこ/ピアノ
・「Ten」片野吾朗/ベース 濱田翔/ギター

2018年10月21日(日) 13:00 開演
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