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高野山で思った。財力ってすばらしい

今年の3月、5度めの高野山に行きました。

それまでは、6月や11月などのいわゆる「ベストシーズン」に行っていたのですが、今年は思うところあって、まだ冬の寒さ残る3月に行ったのです。

何度でも行きたくなってしまうのは、弘法大師 空海さんの空気に触れたいから。

私は特に真言宗の信徒ではないけれど、空海さんのファンなんです。
この場所そのものに空海さんのエネルギーが満ちているようで、時々自分自身をチューニングしに来たくなる・・・・そんなかんじです。

その時に感じたことを書き留めていたのですが、この時期なんとなく、ブログ記事として出したくなりました。

1200年続いた背景にあるもの

高野山は、来てみるとわかるけど、ほんとに深い山の中なんです。
電車やバスや車がある現代でさえ「うわー、遠いわあ」と思うくらいですから、これ、1200年前とか、どうやってここにお寺建てたり、みんなが生活してたりしたんだろ?って単純に不思議に思ってしまいます。

それを脈々と1200年。
最盛期には数百のお寺と数千の僧侶が、この山に暮らしていたのだそうです。

もちろん時代により、ずいぶん栄枯盛衰や紆余曲折もあったようですが、それでもこうやって脈々と信仰の灯を絶やさず栄え続けてきたわけですから、そこにはものすごい数の人たちの思いが積み重なっているわけです。

そしてそれは思いだけではありません。

財の力。

それあってこそ、高野山がこのように整えられ、立派なお寺が建てられ、維持され、人と都市が栄え続けているわけです。

昔のお寺やお坊さんというと、なんとなく先入観で「托鉢」で食ってるというイメージないですか?
恥ずかしながら私は漠然とありました(笑)

でも托鉢でこの規模のお寺と人と都市が栄えるのは無理ですね。

じゃあ、どうなっていたのかというと「有力者の庇護」であり「有力者の財力」です。
これが今日のお話。

「上」からサポートされた繁栄

空海さんは、宇宙とつながった霊的な方であると同時に、時の天皇とも非常に懇意で、いわば「中央・上」ととてもうまくつきあった方だと私は解釈しています。

高野山や京都の東寺も懇意の嵯峨天皇から賜ったほか、その他のいろんなお寺も任されていたようです。
そういう「上」からのサポートというのがあって、当時の高野山は始まったのでしょう。

さらに、その後何百年にわたって高野山は、皇室からの厚い信仰と庇護を受けていたそうです。
お寺は皇室の方々の祈願や墓所の要請などにこたえ、皇室は自らの荘園を寄進する、という循環が増幅する。

つまり、財力が集まってくる。
高野山は豊かなんです。

これは強いですね。

鎌倉時代以降になると、源頼朝の菩提を弔うために北条政子がお寺を建てたあたりから、こんどは武家の信仰を集め、山内のそれぞれのお寺が、全国各地の武家・大名と契約を結ぶようになったそうです。

つまり、それぞれのお家に契約のお寺があり、祈願や墓所の提供、そしてお参りに訪れた際は宿坊の提供等を受ける、と。
そして、財を寄進する、と。
これもまた良い循環です。

こうして時代を通して、朝廷(公家)、幕府(武家)など、時の権力者・有力者の厚い信仰と、豊かな財力によって、高野山は支えられていたのですね。

そして、時は現代。
奥の院へ続く参道は、一の橋から続く旧い道と、中の橋から続く新しい道とがあるのですが、中の橋からのには、現代のさまざまな企業の立派な慰霊碑や墓所が延々と連なっています。

大正時代に建てられた、高野山の古来からの宝物や仏像を収めた「霊宝館」という建物があるのですが、これもまた当時の財界の有力者たちが志をもって建てたものだそうです。

現代でいう企業というのは、昔でいったら「大名」のようなものなんじゃないでしょうか。
組織として、人を擁し、財を擁している存在です。

現代においても、やはりこういう筋からの財力によって高野山は支えられているのだなあ、と私は感じました。

財力ってありがたいこと

お金や財力というと、なんだか汚いもののようなイメージを持ったり、「お寺がお金のことなんて・・」と嫌悪感を持つ人も、もしかしたらいるかもしれません。

でもね、私はそうは思いません。

「お金」自体がきれいとか汚いとかそういう問題ではなくて、どういう気持ちでそれを使うのか、つまり使う側の思いや志の問題です。

現実的に立派なお寺を立てるのには、財が必要です。
昔はたびたび火事で焼けたりしているから、何度も再建・再建で、そのたびに莫大な財が必要になります。

そのたびに、寄進する人、寄進を呼びかけて行脚する人・・・など、たくさんの人が関わって財を集めています。

その時に、お寺を守り、信仰の灯を継ぐために、「よっしゃ、出したるわ!」という財力のある人がいるのは本当にありがたいことだと思います。

もちろん、名もない貧者の一灯の浄財も、価値のあるものです。
でも現実的にはやっぱり、ある程度の規模でポン!と出してくれる人は、やっぱり必要です。

どちらが良い悪いとかではなくて、それぞれのお役目なのだろうと思います。

そういう無数の人たちの思いの力と財の力があるからこそ、今の高野山があるのだということ。

宇宙の真理を探求することと、この世での財を循環させることは、決して矛盾しないということ。

それを体現・具現した空海さんの大きな志と器のこと。

そんなことを、高野山5度めの旅で私は思いました。

 

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