幻の音源復活へ!3つのミッション【PRISMIX ストーリー5】

 

私の中に「折れたままの2007年」がいまだに存在することに気がつき、私は人の手を借りてもう一度過去に向き合った。

「ああ、音楽がダメだったんじゃないんだ!」

自分の中で自分自身とあの時の音楽に「赦し」が起こったら、新たな「やりたい」の芽がヒョコッと顔を出した。

 

これまでの記事

15年前、私が燃え尽きた理由【PRISMIXストーリー1】

5年で理想を実現!しかし・・【PRISMIXストーリー2】

活動休止。そして時は流れた【PRISMIXストーリー3】

音楽がダメだったんじゃない!私の中に赦しが起こった【PRISMIXストーリー4】

 

ミッション1:音源を救い出す

 

友人のカウンセラーにセッションしてもらったことをきっかけに、あの時の音源を掘り出して世に出せたらいいな・・・という気持ちになった。

 

当時の録音データをミックスし直したら、全く新しいバランスでリニューアルできる。

その上で、今どきCD盤としてプレスしなくても、配信販売で十分じゃないか。

 

しかし、当時の制作元はOKしてくれるだろうか。

原盤権(制作費を出した側が持つ権利)は明らかにあちらにある。

権利のめんどくさい話をしなければならないだろうか。

そもそもデータは残っているだろうか。

いやぁ、無理かもしれないなあ。。。

 

とはいえ、やってみないことにはわからない。

まず当時の制作元にダメ元で問い合わせること。そこからだ。

 

あとはそれをいつやるか?だけ。

自分のハートがGO!というタイミングを待った。

 

そして、6月。その時は来た。

 

発売されなかったあの音源は、成仏しないまま沈黙の底に沈められている。

あの時の私自身の体験や感情が、というより、あの音源そのものが「未完了」なのだ。

そのことのリアリティがはっきりしてきた。

 

「なかったものにされたものは、成仏しないまま潜在意識の重荷になる」という心の法則がある。

だから、表に出してやるべきなのだ。

あれを救ってやりたい!

光を当ててやりたい!

成仏させてやりたい!

と願う気持ちが湧き上がってきた。

 

あの音源は、私が音楽家人生をかけた時代の最後の結晶といってもいい。

それが成仏しないままでは、私の音楽家魂も成仏しない。

そう思った。

 

もしも音源復活が可能になったとして、発売にこぎつけて皆さんに聴いてもらったとして、

結果、大した反応がなかったとしても、面白くないと言われたとしても、ろくに売れなかったとしても

それでもいい。

 

何か良い結果が目的なんじゃない。

埋まってしまったものを掘り出して、光に当てて、成仏させたいだけ。

そのことを精一杯やれたら、それでいい。

 

そのためなら、ある程度お金を使ってもいい。

権利の話が出たら「ウチが買い取る」と言って粘ればいい。

 

そこまで決意したら、あとは肚を括るだけ。

勇気を出して制作元に連絡をとった。

 

なんといっても15年前。

当時の関係者はみんな退職しているとのことで、現在の担当部署の長の方が電話対応してくださった。

予想外に柔軟で親身な対応だったのでびっくりした。

当時の関係者にも確認して、録音データがあるかどうか探してくれることになった。

権利のことは問題ないと言ってくださった。

 

冷たい門前払いの可能性も予測していたので、これは意外だった。

希望と共に、良い巡り合わせに感謝した。念ずれば道開く!・・か?

 

数日後、残念ながら当時の録音データは残っていないことを伝えられた。

つまり、ミックスし直しは叶わないことが確定した。

しかし、当時作成したノベルティ用CDを、いわゆる「盤起こし」という方法でマスタリングし直して出すことは可能と言われた。

 

そうか、わかった。
じゃあそれでいこう。
デジタル・リマスターだ!

大幅な音チェンジはできなくても、マスタリング次第では印象を変えることができる。

 

そこで、過去にお仕事させていただいて絶大に信頼できるマスタリング・エンジニアさんに相談したところ、かなりいいところまでいけそうな希望が持てたので、これはGO!と判断した。

 

音源を救いだす。

ミッション1、コンプリート。

ミッション2:メンバーと結び直す

 

そこで、次はメンバーである。

当時の7人のメンバー全員に、このことを伝えに言って了解をもらうのが次のミッション。

 

不思議と、わだかまる気持ちはもうなかった。

素直に「昔すぎる話で恐縮だけど。。。と前置きして、あの時の音源をリマスターして配信発売したい」ということを、ある人にはメールで、ある人には会いに行って、一人ずつ伝えて了解をもらって回った。

 

皆さん概ねとても喜んでくれた。

出演しているライブハウスを調べ、黙ってお客さんとして見に行ってサプライズ対面。

「おお〜〜!久しぶり〜〜!なに、元気??」なんていう、15年ぶりの再会シーンになった。

 

みんなすっかりベテラン、大御所、もはや「重鎮」かもしれない。

お互い歳を重ねて、変わったような、でもちっとも変わっていないような、そんな出会いの時だった。

 

そうやって、リマスター配信発売について、7人のメンバーほか、ゲストミュージシャンの方々まで、全員の了解を取り付けた。

 

メンバーと結び直す。

ミッション2、コンプリート。

ミッション3:発売準備

 

当時のマスタリング済みCD-Rからエンジニアさんに「盤起こし」してもらって、改めてマスタリング。

生楽器の音楽性を大切にしてくださるエンジニアさんなので、信頼できた。

 

全8曲が仕上がってきた。

微妙な違いではあるけれど、明らかに印象が良くなっていた。

以前よりずっと豊かで、伸びやかで、音楽が音楽としてしっかり羽を広げられたような、そんな感覚があった。

この音であらためて聴くと、曲も演奏もおもしろいし、けっこういいアルバムじゃないの!?って思えた。

 

これいいじゃん、ぜんぜん!!

これの何がダメなの!?

これは出さなきゃもったいないでしょ!!

なーにオクラにしちゃってんの!?

ありえない!信じられなーい!

 

と、過去15年分の鬱憤を、独り言で思い切りつぶやいて晴らし(笑)
だいぶ強気になってきた私。

 

アルバムタイトルは「光る予感」。

タイトル曲の「光る予感」は冒頭の1曲目である。

この曲でYoutube用MVを作ることにした。

 

と言っても、メンバー写真もなければ演奏シーンもない。

豊かな映像イメージと音楽のコラボとして楽しめる作品を・・・という位置付けでクリエイターさんに作ってもらった。

 

さらにジャケットデザイン。

実はMVもジャケットも、どちらも一発でスムースにいったわけではない。

いろいろと紆余曲折があった。

進めば必ず壁は現れる。

その度に、言葉を尽くし、手段を尽くして乗り越えた。

 

最終的に、私なりに満足できるものができあがった。

 

というわけで、準備万端。

あとは配信サイトに新規リリースを登録し、音源とジャケット画像をアップロード。

 

これで発売に向けて全て整った。

ミッション3、コンプリート。

 

いよいよ公開

さて、ここまで本当に長いストーリーでした。

全部読んで下さった方、本当にありがとうございます。

 

こうやってできたPRISMIX(プリズミクス)幻のファーストアルバム「光る予感」、15年の封印を解いて蘇ります!

いよいよ9月10日(土)から配信開始です!

 

どんなアルバムなのか、メンバーは誰なのか。

次の記事でご紹介したいと思います。

 

次の記事はこちら

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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