音楽ブログ・過去記事復活シリーズ
2016年までやっていた別ブログ「大人の音楽レッスン」が、サーバー都合でクラッシュしたため、中の記事を救出してこちらに掲載していきます。
古い記事ですが、当時読んでいなかった皆さんもぜひ見てくださいねー!
あまり知られていない最終工程
2016年4月13日に発売したCD
森羅万象(ありとあらゆるもの)〜ピアノで語るゼーガペイン〜
メイキング記事、その5は「マスタリング」です。
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音に関する作業として、
まず録音があり、そしてミックス(別名トラックダウン)があり
さらに最終工程として、マスタリングという作業があります。
なかなか一般的に知られていない作業ですが、簡単にいうと
録音/ミックスしたそれぞれの曲データをCD(または配信用)という形で皆さんが聴けるようにするために
音量レベルや音質を整え、全体の印象を調整して、最終データに固定することです。
曲順や曲間の秒数を決めることも含まれます。
マスタリングは、本当に微細な作業です。
専門のマスタリング・エンジニアという人がいます。
専用スタジオのものすごい精巧なスピーカーで再生しながら、ほんのちょっとの音の印象の違いを聴き取って調整していきます。
機材やケーブルのグレードにもものすごく気を使う世界です。
私なんか、技術に疎いので、通常のマスタリング作業では、はっきり言って何をどういじってどうなっているのか、具体的なことはよくわかりませんが(^ ^)
エンジニアさんに「これと、こっちと、どっちがいいですか?」と言われて聞き比べると
ああ、確かに印象が違うわ〜
とわかる・・・・そんなかんじです。
だけど、この微細な違いが、最終的に皆さんの耳に届いた時の「印象の違い」となってくるのです。
透明感、空気感、質感、かんじの良さ、
キレ、ツヤ、インパクト・・・
のような、言葉で言えない一瞬の「印象」というものが、かなりこのマスタリングに左右されているようです。
というわけで、今回の「森羅万象」は、レコーディング・エンジニア吉田俊之さんのゴージャスなクオリティで録音/ミックスが行われているわけですから
(詳しくはメイキング1で)
マスタリングで質を落としちゃもったいない!
というわけで、これまたトップ・クオリティのマスタリング・スタジオ「サイデラ・マスタリング」さんにお願いすることにしました。
あのサイデラ・マスタリングで!
カリスマ・エンジニア、オノ・セイゲンさん率いるサイデラ・マスタリングは、昔から業界でも評判がよく、私も噂だけは知っていました。
今回そのつもりでサイデラさんのWebサイトを拝見したところ、音に対する姿勢や考え方に共感できましたし、このアルバムのコンセプトに合っていると思われました。
今回お世話になったのは、チーフ・エンジニアの森崎雅人さん。
(追記・2019年現在、森崎さんは独立してご自身のスタジオ立ち上げされてます)
録音・ミックス担当の吉田さんも立ち会いしてくださったので、技術シロートの私も(笑)頼もしいアシストを得て安心でした。
ちょっと専門的な話になりますが、今回のマスタリングの最大の特徴は、一切プラグインもEQも使わないこと。
ぜんぶバイパス!
だそうです。
究極、その方が音がいいから。
わかりやすく言えば、一切の電気的な処理や加工をしないこと、とご理解ください。
野菜で言ったら、無農薬の自然栽培、泥つき。とれたて元気野菜をまるかじり!
みたいなイメージですね(笑)
通常はありえないことなのですが、ごく稀に、録音とミックスが完璧にいい状態だとそういうこともありえるのだそうです。
で、じゃあ何をしたかというとケーブルです。
機械と機械をつなぐ線(ケーブル)を替えると、音が変わるんです!
そういうわけで、曲によって、森崎さんがいろんなケーブルを出してきて、入れ替え、差し替え、みんなで聴き比べて、
「この曲はモガミですかね」
「いや、ベルデンの◯◯番にしてみたら」
「ベルデンでも黒い方より、赤い方でいきましょうか。」
「うむ、やっぱりこっちですね!」
「あとね、同じ◯◯番だけどロットが違うヤツがありましてね。」
「おお、確かに違うわ〜」
などなど・・・
なんというマニアな世界なんでしょう(笑)
確かにこれで印象が違うのがわかったし、「この曲はこっちだよね!」というみんなの見解が確かに一致するので、おもしろかったです。
こんな作業の仕方が今回可能なのも、なんといったって元の録音・ミックスがいいから。
と、私が言ったら
「いやいや、その前に元の演奏と曲がいいから。」と言ってもらっちゃいました。
ありがとうございます、素直に受け取ります(笑)
そして途中でボス、オノ・セイゲンさんがいらっしゃり、なんと吉田さんと30年ぶりの再会だそうで、お二人で積もるお話をされてました。
これもご縁ですね。
差し上げたチラシをオノさんが掲げてくださり、最後にみんなで一枚。
サイデラ・マスタリングさん、お世話になりました。
ありがとうございました!
次回は、作曲者による曲解説です。
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