感情背負いすぎの女性、感情切り離しすぎの男性

「人の感情のスイッチ番」になってしまう、という前の記事。

 

今日はその続きのようなお話です。

女性と感情

女性は感情の生き物、とも言われます。

感性や感覚、感情といった「感」に類するものにもともと強いのが女性の特性であり、

だからこそ古来から、巫女とかイタコのような役割をするのも女性だったのでしょう。

 

しかしそれゆえに

自分の感情と他人の感情がごっちゃになってしまって、

過剰に他人の感情を背負いこんだり、他人の感情の領域に入りこみすぎたりしてしまう傾向も、女性には多くみられます。

つまり「人の感情のスイッチ番」として心をすり減らしてしまうのです。

それだと、本来豊かなはずの感情というものが、しんどい重荷になってしまいます。

これって男性との関わりにおいて歴史的に作られてきた構造もあると、私は思っています。

感情を切り離して闘う男性

歴史的に、だいたいの場合男性というのは「闘う」のが仕事でした。

獲物をとるために
領土を広げるために
物資を奪うために
いつも闘いへと駆り出されるのが男性。

闘う時には、どうしたって死の恐怖がついて回るわけですが、だからこそ、いちいちそんな恐怖を感じていたら闘えないですよね。

そこで男性は「感じない」という手段を覚えたんじゃないでしょうか。

つまり、感情を切り離して、行動だけ遂行できるスキル。

これがあると、闘うのにはとっても便利なんです。

それが、よい面では「理性的」、悪い面では「感情がわからない」という傾向が強くなった背景なんじゃないかと思います。

感情を引き受ける女性

で、いつの世も、男と女はくっつくものです。

男女は見えないエネルギーレベルでお互いのバランスをとりあい、補い合っています。

闘い担当の男性が感情を切り離しているからこそ、もともと感性が豊かな女性が、相手の男性の感情も自分のものとして引き受けていくことになるのです。

その役割分担がちょうどよく回っていれば、男性は外に闘いに出て、家では女性が感情の処理をする、という循環になっていたのかもしれません。

 

昔は、女性は「ヒステリー」を起こす、と言われていました。

「ヒステリー」とは感情の爆発です。

なんで女性がそんなになったかというと、それだけ男性が自分の感情を切り離していたからです。

エネルギーバランスとして、男性が切り離した分まで女性が引き受けて、自分のキャパの何倍もの感情の負荷を負っていたのではないか。

しかもそれをじっと耐えなければならなかった。

そういう時代の女性が「ヒステリー」という形で噴火していたのです。

私の仮説ですけどね。

怒るしかできないお父さん

よくあるんだけど、典型的な

黙ってるか
飲んでるか
怒ってるか

以上。

みたいな、昔のお父さん。

あれは何かっていったら、まさに「感情の切り離し」をしている人の姿なんです。

 

感情はあってはならないから、全部抑えています。

それが「黙ってる」

でもそれがほんとは辛いから
辛さを麻痺させるために
「飲んでる」

「辛い」もあってはならないですからね。

でもそんなこと言ったって人間ですから、実際感情はあります。

つらい、悲しい、さびしい
もあるし
わかってほしい、そばにいてほしい
甘えたい、もある。

家族がいたら
大事だな、いとしいな、うれしいな
だってあります。

 

けど、昔ながらの闘うための「切り離し仕様」で、唯一許されている感情は「怒り」しかないんです。

怒りを燃やせば、闘うためにとても役にたつから。

怒っていれば、強そうに見えるから。

それだけは出してもいい感情。

なので、そういう男性は

つらかったら、怒る。
悲しかったら、怒る。
さびしかったら、怒る。
わかってほしかったら、怒る。
そばにいてほしかったら、怒る。
甘えたかったら、怒る。
お前たちが大事だなと思ったら、怒る。
いとしいなと思ったら、怒る。
うれしいなと思ったら、怒る。
よくやってるなと思ったら、怒る。
ありがたいなと思ったら、怒る。

っていうわけなの。

 

だから

黙ってるか
飲んでるか
怒ってるか

以上。

っていう人になるんだよね。
あの「お父さん」という人は。

怒らせないようにするお母さん

そういうわけで、家に帰ってきたらとにかく

黙ってるか
飲んでるか
怒ってるか

のどれかしかない男性がドカッとそこにいる。

あたりまえですが、女性はそういう男性の感情がまったくわからない。

全ての微細な感情は「怒り」として表現されるので、いつ何どき、それが発動するかわからない。

 

とにかく怒る人ってのは、こわいですよね。

誰だってこわいのは嫌です。

だから、そんな状況の中で女性は「とにかく怒らせないように!!」って、24時間体制で「怒り監視システム」を組み上げて、警戒態勢を怠らないようにするわけです。

でも残念ながら、どれだけ万全に警戒態勢を敷いても、必ず隙をぬって怒りは勃発するんです。

そうするとまた「私が足りなかった、落ち度があった」といって「怒り監視システム」のさらなる強化へとハマっていくんですね。

 

これ、終わらない闘い。

男も外で闘ってるけど、女も家で闘ってるよね。

そうやって女性は、「人の感情の責任をとる」ということをせざるを得なくなるわけです。

その分実は、自分の感情が置き去りになっています。

もともとあった怒りと、ぶつけられた怒りを内側深くにためこんで、本当はとっても怒っていたりする。

けど全然自覚していない。

それが心身の不調になったり、うつ状態になったり、ある時突然噴火する「ヒステリー」のようになったりするのです。

感情は、男女双方のテーマ

感情を背負いすぎる女性

感情を切り離しすぎる男性

はセットです。

どっちかが 0(ゼロ)に近ければ
どっちかは100に近くなる、
そういうバランスです。

歴史的に、構造上
そうなってしまった。
どちらも、不自由で苦しい。

そんな時代が長く続きました。

 

でももう時代は変わっています。

この構造から変えていくことが、双方が幸せになっていく鍵であり、

男女が幸せになることが、その間に生まれ育つ子供達が幸せになっていく鍵です。

もう、変わらなくちゃね。

 

それはつまり、闘いの世界からの脱却をも意味するのです。

闘いが必要なくなれば、感情を切り離す必要もなくなります。

男性も、感性を取り戻すこと。

感情を感じることを許して、感情を感じること。

 

女性は、相手の感情・人の感情と自分の感情を分けること。

人の感情は、その人自身に持ってもらって、自分は持たないこと。

人のことで手いっぱいになってた自分の心にスペースを作って、自分の感情をちゃんと感じること。

 

お互いに、そんな「感情の再生」が必要になってくるのだと思います。

お互いが、自分の感情を自分のものとしてわきまえ、人の感情は人の感情としてわきまえる、ということができれば

バランスは 50:50 付近で釣り合っていくでしょう。

それが対等で楽で、お互いが自立した人間としてつき合える、健全なことなのではないかと思います。

 

まるで焼け野原に少しずつ、新しい草が生えそろっていくように。

殺伐とした大地が、だんだんと緑に変わっていくように。

そんな世界が訪れるといいですね。

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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