人の過ちに心が揺さぶられる時

人を責めたい思いの奥に

失敗した人や過ちをした人に対して
とっても怒りが湧いてきて

批判したくて、叩きたくて
しかたがなかったり

まるでその人によって
自分の何かが損なわれたかのように
「やられた!された!」
という悔しさでいっぱいになったり

それゆえに

許してなるものか!
厳しく処さねばならぬ!
と心の中が燃え立ったり

断固排除・追放し、
潰して消滅させないと
大変なことになりそうで
不安だったり

するのだとすれば
そんなあなたは

自分での中の深いところで
重い「罪悪感」に
縛られています。

でありながら
自分でそれに気がついていません。

「罪悪感」とは
「悪い」ことへのこだわり
であり

自分が悪いような、罪があるような
「感じ」がすること、です。

そんな「感じ」が
してしまうのです。

ただし、はっきりと気がついていません。
ウスウスどこかでそんな気はするけど
あんまりそこまで考える暇もありません。

ただなんとなく、どこかでいつも
「自分が悪いんじゃないか」と
怯えていますし

なにかと「どっちが悪い」という思いにとらわれて
被害者⇄加害者
双方の意識に
振り子のように揺さぶられることになります。

まさにそれが罪悪感。

罪悪感が強い人の特徴

罪悪感が強い人の特徴は

普段から
「悪いことはしてはいけないのだ」
「正しく、善くあるべきなのだ」
「こうであるべきで
 こうであるべきではないのだ」
「〜〜しなくちゃいけないのだ」
「〜〜してはいけないのだ」

という規範意識が強いこと。

「自分はぜったいに悪いことはしないように!」と神経を使って、いろんなことを我慢して、自分を管理していること。

そして遠い過去に、何が自分が「してしまった」自責の念を隠し持っていること。

自分だけが喜んだり幸せになったりすることに後ろめたさを感じて、苦労することやたいへんなことばかりがんばって背負っていること。

自分の欲求を持つことを「ワガママで悪いこと」と感じ、人の欲求を叶えることが「正しくて良いこと」のように思っていること。

親に対して、何もしてあげられてない後ろめたさや、「してもらっているのに」という負い目を感じていること。

幼少期に親との関わりで傷ついたことや理不尽に扱われたことを、「自分が悪いからだ」と自分のせいにしていること。

などです。

つまり、上記のようなメンタル要素を揃えると、めでたく「罪悪感セッティング」が完成するというわけです。

しかし大丈夫。

あなたがそうだったとして、それはあなたがおかしいとか、問題あるとか、よろしくない、という話ではないのです。

これは個人を超えた人類レベルの「システム」の問題だからです。

そんなあなたは見事に、システムに適応して、その通りに動かされちゃいましたね!ということです。

無意識に埋め込まれたシステム

この「罪悪感セッティング」というのは、人類長年の歴史の中で「集合無意識レベル」に埋め込まれたシステムです。

人々の間に「罪悪感セッティング」を張り巡らしておくことで、都合よく管理できるシステム上のメリットがあるからです。

ほとんどの人はそのカラクリに気がつきませんから、埋め込まれた罪悪感システムに従って罪悪感を発動し、多大なガマンと抑圧を自分に強いて生きています。

ガマンと抑圧を重ねれば怒りがたまって当然です。

しかしシステムは「怒りを持つこと」にも「罪」という定義を貼り付けていますから、人は怒りを持つ自分にも罪悪感を持つことになり、またそれを抑圧して、もう何がなんだかわからなくなってしまいます。

そうやってがんじがらめになった罪悪感と抑圧した怒りを、気づかずに常時抱えて、それでもガマンして生きている。

それが多くの人の日常です。

そこに、誰かが失敗した、過ちを犯した、という出来事が起こったら。

さあ、チャンス!!!

あいつ、やりやがった!!

ためこんだ怒りを、今なら出せる!!

コイツなら叩ける!!

だって罪を犯した悪人なのだから!!

こっちはこんなに良くしようとしてるのに
オマエはやりやがった!

オマエが悪いのだ!!

オマエが悪い!
オマエが悪い!

オマエは人間以下じゃー!
消えろ!
いなくなれ!

・・・・それが
いわゆる「バッシング」が起こるしくみです。

罪悪感という、「持ちたくない嫌なボール」を、コケた人に対して「ソレきた!」と投げつけて「自分は悪くない!!」と気晴らしができる。

「誰かの過ち」というのは「ネタ」にすぎません。

その「ネタ」によって、普段抑圧したものが引き出されるのです。

投影の法則

心理の法則「投影」を知っている方ならわかるかもしれませんが、

他人に見ているもの=自分の中にあるもの

であり

他人に憎むもの=自分にあって憎むもの

であり

つぶしたくなる他人=つぶしたくなる自分

です。

他人に対して「罪じゃー!罪じゃー!」と見えるのは、

自分の中にもそれだけ「罪がある」と実のところ信じているからです。

それでありながら、罪などあってはならない!と潰そうとしているから、それを露呈した他人のことが気に触るのです。

「自分のせい」を解除すること

でもね、あなたがそうだったとして、それを責めているんじゃありませんよ。

罪悪感の強い人は、こういう話でまた

「ええ、じゃあ私が悪いのね!わかったわよ、どーせ私が悪いのよね、ダメなのよねッ!?」ってなるからね(笑)

じゃなくて、悪くないんですってば。

そのなんでもかんでも「私が悪い」をやめましょうよ、と言いたいわけです。

あなたは悪くないんです。

もともと。

小さかったあの頃も。

お母さんになんやかんや言われたあの時も。

お友達になんかかんかされたあの時も。

あなたは悪くない。

「じゃあ、お母さんが悪いのね!?あの人たちが悪いのね!」

じゃなくて。

だから、誰も悪くないの。

世の中は「悪いか良いか」だけでできてるんじゃないの。

その「どっちが悪いのか、いいのか」っていう「白か黒か」をやめる、っていうのが、新時代のテーマなんですよ。

それこそが今、ここからの時代の私たちの「意識の進化」の一大テーマです。

罪悪感。

そして善悪、白黒思考。

それを超えることが、張り巡らされた「システム」から脱出するための道であり、私たちが本当に自由に、幸せになるカギです。

じゃあどうやって超えるのか?とか

「善悪」がなかったら社会は混乱するじゃないですかー!?どうするんですかー!?

という議論もあろうと思いますが、そこにまったく違う「落としどころ」が存在する次元というのがあるのです。

その次元に至った時に、これまでの時代の「常識」であった、「善悪」の概念や「罪」の概念が、想像もつかなかった形で書き換わるでしょう。

これは壮大なチャレンジになります。

長い道のりかもしれません。

しかし、すでにその時代がやってきたからこそ、今、私たちの前にはますます激しく

「悪い!」「悪くない!」と心が揺さぶられる出来事が起こり、

自分の中の罪悪感が刺激されて浮上することになり

浮上するからこそ、見つめて転換するチャンスとなるのです。

揺さぶられているのだとしたら、あなたはまさにそんな人類進化のフロントにいるということです。

自分自身の罪悪感に気がついてリセットすることが、このチャレンジをクリアするコツです。

そんなふうに少し大きな目で、自分のことも世の中のことも見てみたらいかがでしょうか。

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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