まずはインナーチャイルド
今日は、ある程度自己探求や自分の癒しをやってきた方向けのメッセージです。
自己探求のプロセスで必ず通るのが「インナーチャイルド」ですね。
インナーチャイルドとは「心の中の傷ついた子供」。
そこが未解決のままだと、大人になってもなおそのインナーチャイルドのマインドが自分を動かして、様々な問題を作ることになります。
だからカウンセリングやセラピーでは、ここを扱うのが王道であると言えるでしょう。
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この段階においては、傷ついたインナーチャイルドちゃんにイメージの中で会いに行って、まずは
「そうだよね、こわかったね、さびしかったね、傷ついたね、ヨシヨシ♡」
「いいんだよ、それでいいんだよ。そのまんまのあなたで大丈夫だからね♡」
って、とことん話を聞いてあげて、一緒に泣いてあげて、ひたすら受容して抱きしめてあげることが必要です。
このプロセスを「癒し」というのですよね。
カウンセラーやセラピスト、あるいは学びの仲間に話を聞いてもらって、つきあってもらって、インナーチャイルドをヨシヨシするのはとってもホッとするし、
長年愛に渇いていた人にとっては、やっと「愛」が自分に注がれたような安心や、心満たされた感覚を覚えるでしょう。
この段階は、自己探求初期においては必須のプロセスだといえます。
いつまで言うことききますか?
しかしですね。
じゃあいつまで、インナーチャイルドの言うこと聞きますか?
っていうのが次だと思います。
インナーチャイルドは傷ついた小さな自分であり、もっとハッキリ言うならば、未熟な自我(エゴ)なのです。
大人になった今もなお、ちょっと未知なことや困難なことを前にしたらすぐにエゴは騒ぎ出します。
「こわいよこわいよ、無理だよ、だって私なんて、私はどうせ、みんなはどうせ」
ウンタラカンタラ・・・
「傷ついたー!してくれないー!ホラ私のことなんてやっぱり〜!」
とかナントカカントカ・・・
エゴはいつだって、怖がりで僻(ひが)み屋であり、ダダっ子、スネ子です。
カウンセリングやセラピーを受けたからといって、それが無くなるわけではなく、なにかきっかけがあればまたお馴染みの感情として浮上したりするものです。
その時にね、これまでのように、インナーチャイルドの言うことをぜーんぶ聞いてあげて、ヨシヨシしてあげて、ダダこねさせて、チャイルドの言いなりになってオタオタして・・・
って、それ本当に必要?
っていうと、ちょっとアヤしいと思うのね。
ある程度癒しの段階が済んだら、そこから先はこんど
そんなにインナーチャイルド甘やかさんでも!
って段階があると私は思います。
そのメリットは古いプログラム
何かといっては傷つき感情が爆発してズブズブになっている時。
そうやってインナーチャイルドを発動させて「傷ついた私」でいることに多大なメリットを得ている、「大人になりたくない自分」がいるのでは?
っていう考察は、ちょっと痛いけど効くところかもしれません。
「傷ついたー!」って言ってると、みんなが来てくれる気がしてる。
苦しそうにしていると、愛がもらえるような気がしてる。
「しんどい私」でいた方が、人とつながれるような気がしてる。
それは古いプログラムです。
長きにわたる人類苦しみの時代に、「愛」の代用品として考案された、「苦しみを愛とすりかえて解釈する」というイタイ鎮痛剤の名残です。
そしてそもそも「愛されていない!」と誤解してしまった、分離と欠乏意識からくる渇きでもあります。
いつまでもインナーチャイルドに主導権を握らせておくと、その苦しみの世界から一歩も出られずに「無力で哀れな自分」をやり続けることになります。
その「無力で哀れな自分」キャラがけっこう大好きで、
「嘆きの深刻ドラマ」をやるのも大好きなのが、昔ながらのエゴの自分なんですね。
それが好きならいいんだけどね。
それなら「ああ、私はこれが好きなんだ♪」って認めちゃうといいですね。
大人の自分を育てていく
しかし「そうじゃなくて!私は前に進みたいの!」って言うのなら。
ある程度インナーチャイルドの癒しが済んだら、次の段階では
インナーチャイルドを甘やかさない
ということも必要ではないでしょうか。
もうマトモにとりあわない。
無視するのでもないけど、たいがいにあしらう。
「そっか、そっか、だよねー」と言いながら、とりあわない。
「あーはいはい」と聞き流す。
その余裕ができてくればしめたものです。
なぜなら、インナーチャイルドはどこまでいっても「子供」なんです。
そして今、現実のあなたは、30代だか、40代だか、50代だかの、立派な大人なんです。
そのことを思い出しましょう。
今、ここに生きている
今、行動を選択できる
今、自分の力を使える
あなたは今、そういう大人なんです。
そこに戻ってきてください。
チャイルドに乗っ取られないように!
なんのためにここまでインナーチャイルドに取り組んできたか、っていったら
「癒し」も含めて「これがインナーチャイルドか!」と対象化して意識化するためです。
対象化して意識化している、その時の自分は「賢い大人のマインド」なのです。
こっちが本体。
だからこそここからは、この「賢い大人のマインド」を発動させてものごとを選択していくのです。
自分の中の「賢い大人さん」を、きちんと育てる。
その人に、主導権をとらせる。
その人を信頼する。
それが、大人になるということです。
母性の愛、父性の愛
全部受け止めてあげて、抱きしめてあげて、ヨシヨシしてあげる。
これは「母性」のはたらきです。
まさにわかりやすい「愛」の姿であり、これはこれでとても必要なことです。
特に自己探求の初期には、このような母性的なアプローチは必須です。
しかし母性だけで終わっていては、溶けて腐ってしまいます。
次には「父性」も必要。
「父性」は、意思を示し、背中を押し、喝を入れるはたらき。
ハイ、もうクダクダは終わり!
よし!いいからやってみろ!
ホラ、行け!
それもまた愛なのです。
自分で立ち、自分で歩き、自分の力を使う
そんな自立した大人になるために
父性の愛もまた必要なのです。
自己探求をする人は、自分の中にそのような「母性の愛」と「父性の愛」両方を持ち、段階によって使い分けていくことが必要だと思います。
自分自身に今、どちらが必要なのか。
見極める目を持っていたいですね。
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