「愛の人」がもっと愛を輝かせるために

してあげたい「愛の人」

人に何かしてあげるのが大好きな方っていますね。

喜んでもらいたい。
少しでも相手が良いようにしてあげたい。
あたたかい愛の気持ちや
尽くす気持ちで人に接するのが喜び。

そういうタイプの方達は、
見るからに優しそうであたたかい雰囲気を
もともと持ってらっしゃるので
多くの人に好かれたり頼りにされたりすることも多いでしょう。

そうするとますます
そんな人達のために、もっとしてあげたい、
どうしたらもっと良くしてあげられるかしら・・・と
ますますしてあげたくなったりもしますね。

自分のことは横においてでも、人のために。

そこだけ見れば、献身的でとても「よい人」です。

けれど、ものごとには必ずプラスとマイナスの両極があります。
ある側面での美点が、
ある側面ではそれゆえのウィークポイントとしても現れるのが
人間というものの奥深いところ。

それはどんなことなのでしょうか。

人間の健全度はグラデーション

さて、その前に
人間の性質についての一つの見方をご紹介したいと思います。

それは、健全／不健全という軸です。
健全とは、流れがよくスッキリとして、活力がある状態のこと。
不健全とは、その逆と思っていただいてよいでしょう。

人の中にある一つの性質が
健全の方向、不健全の方向、どちらに向かうかで、
その現れは変わってくるのです。

それは黒か白かと２分できるものではなく、
いつも段階的（グラデーション）です。
図にするとこんなかんじ。

真ん中にあるハートが、
その人の持つニュートラルな「性質」だとします。

人間というのは、いつも揺れ動きますから
スッキリと健全な時もあれば、ドロドロと不健全な時もあるものです。
未熟から成熟へと、成長段階によっても違います。

私たちはこの軸を、日々、月々、年々、一生をかけて
行ったり来たりしながら、精神的な成長へ向かっている・・・
と捉えます。

もしある人が、一見状態が悪くて「性格に問題がある」と見えたとしても、
それは今、不健全なだけ、と見るのです。
健全になれば、同じ性質が「魅力」へと変わっていきます。

そんな見方があることを、ちょっと覚えておいてくださいね。

「愛の人」の陥る罠

さて、では
今回取りあげる「してあげること」が大好きな愛いっぱいの方達を、
ここでは便宜上、「愛の人」タイプと呼んでみます。

 「愛の人」は、最初に書いたようなすばらしい特徴があります。
特にその「してあげたい」という利他の思いは熱いものがあります。

けれどその「してあげたい・利他の思い」という性質にも
健全度と成長レベルというものがあるのです。

健全になれば
大きく全てを包みこむような「無条件の愛」にまで昇華し
自他ともども幸せへと向かうことができますが、

不健全になると
自分は我慢して人のためばかりに尽くす「犠牲」となり
確かに他人は喜ぶかもしれないけれど
自分は消耗してボロボロになり
幸せとはいえない状態になります。

「してあげたい・利他の思い」という一つの「性質」が
健全度の違いによって
「無条件の愛」にも「犠牲」にもなり得るということです。

似て非なる「愛」の質

両者は一見とても似て見えるのがクセモノ。

けれど、あきらかに
その内側の精神状態が違うのがわかるでしょう。

無条件の愛は、自分の内側がゆったりと満ちているので、
人への思いは自然にあふれてくるものです。
あふれてくるものをあげているだけなので、消耗しないのです。

人のことと同じくらい、自分のことも大切にできるので
ちゃんと自分の「取り分」も得ているし
けっして無理はしません。
自分の気持ちには正直でありながら
相手との良い関係を作っていけます。

だから、相手も自分も喜ぶ、良い循環が続いていくのです。

一方で、犠牲の場合は、自分の内側に空洞があります。
「自分は足りていない、欠けている」とか
「なんにもしない自分では価値がない」という
何とも言えない空洞感と不安感がベースにあります。

この空洞があるからこそ
それを埋めるためや、補強するため
あるいはその空洞があることが「バレない」ために
一生懸命「してあげる！」ということをやるのです。

その奥には
「これだけしてあげれば、私の価値を認めてくれる？」
「こんなに役に立つ私だったら、愛してくれる？」
「これでもダメ？・・・ダメなのね？」
という切実な要求と不安があります。

この状態では、自分の気持ちや
自分の「取り分」のことは考えられません。
「私はこれがほしい」も
「私はこれがいやだ」も言えません。
自分のことを言うのは「わがままだからいけない」と思ってしまうのです。

「私がやりさえすれば」
「私さえ我慢すれば」
と自分のことを外して、人のため、人のため。

これをやっていると、いつか
「なんで私ばっかり！！」
「こんなにやってるのに、なんでちっともわかってくれないのー！！」と
噴火してブチキレ、
プッツリご縁も切って上等！みたいになったりもするでしょう。

「愛の人」だったはずなのに・・・・です。

ええ。元々「愛の人」なのです。
その愛の性質は、いつどんな時も
あなたの中に変わらず脈々と流れています。

ただ
「このままの自分は足りない、価値がない」という
「空洞感」が問題なのであり、
それを元に犠牲パターンがドライブしてしまうのであり、
これが不健全の元となるのですね。

だから、この「自分は足りない、価値がない」という
根源的な欠乏の思い込みから覚めていくことが、
健全な愛へと成長していく、重要な鍵なのです。

健全な愛への道

この欠乏の思い込み（ビリーフ）から脱出したら
行動レベルを変革する練習です。

それは「わがままなエゴイスト」になること。

このようなタイプの方にとっては
これが一番のチャレンジであり、
変革のための一里塚となります。

一見矛盾するようですが、
健全な利他の心や「無条件の愛」のレベルに至るためには
通るべき通過点なのです。

「私はこれがほしい！」
「私はこれがしたい！」
「私がこれがいやだ！」

他人のことより先に、
自分の気持ちをちゃんと感じて表現してみること。
自分の気持ちのままに行動してみること。

それは、自分のことを愛する練習です。

今まであまりにもやってこなかったので
リハビリのようなものです。
これをやって、やっと
他人と自分との間の天秤が釣り合ってきます。

そうなってやっと、
自他ともに愛で一つに包む究極の愛、
「無条件の愛」の世界のスタートなのです。

だって、もともとあなたは
あふれるような愛の人なのですから。

その性質が余すところなく開いたら、
きっとマリア様や、マザーテレサのように
たくさんの人を愛で照らし、
愛を世界に広げていくでしょう。

欠乏の思い込みから脱出して
ありのままの自分を愛し、
その元々持つ愛をあふれさせて
周りの方々を照らす・・・・

そんな未来図が、きっと待っています。

セッションのご感想

さて、先日
そんな「愛の人」である女性が
私の個人セッションにいらっしゃいました。

この方も、もともと愛情深いとても素敵な方ですが
「役に立たなければ！」という思いに駆り立てられて
無理をしてしまうところがある・・・というのが
ご相談のはじまりでした。

ご一緒に探究しながら、
すばらしい気づきを得て、転換してゆかれました。

感想をいただいたので、ご本人の了解を得て
最後にご紹介させていただきます。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

先日は、お世話になりましてありがとうございました。
あれから、幸せを感じて過ごしています。

私は「役に立たなくても生きていて良い」という
大きな大きな気付きを得て
いろいろなことが腑に落ちました。

セッション中書けなかった
「私は価値があってもなくてもどちらでもいい」理由を
あれから書き加えています。
そして、「ほしい」と「いやだ」をなるべく言うようにしました。

価値があってもなくても、役に立たなくても、
すでに愛の存在だということを知り
大きな喜びを感じています。

彩子さんからセッションを受けて、本当に良かったです。
彩子さんからのメッセージは、すっと心に入ってきて、
素直に受け止めることができました。

これから、自信を持って
愛を持って生きていけるような気がします。

本当にありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ご自身のもともとの性質を再発見し、
心から受容できるということは、
なんと心安らぎ、喜びに満ちることでしょうか。

こちらこそ、すばらしいセッションをご一緒させていただきました。
ますますその愛が輝いてゆかれますように！