ウチの夫婦、互いに恋人OKで合意しました

夫に彼女ができまして

今年の8月、お互い再婚同士、結婚7年めの我々夫婦の間で、新鮮な話題が持ち上がりました。

ポリアモリー。

つまり、婚姻関係あるなし関係なく、複数の人とお互い合意の上親密なおつきあいをすること。最近急速に広まってきている概念です。
従来のいわゆる、コソコソ内緒にしてする浮気や不倫とは違って、関係者全員オープンな合意があることが特徴とされています。

この言葉をはじめに知って夫に説明したのは私ですが、ちょうどそのころ彼も、彼女ができるとかできたとか・・・どっちだったか忘れたけどそういう時期にあったようで、話は一気に盛り上がりました。
一言でいえば「それいいね!それだよね!」というかんじ。

そのころ、私は夫に彼女ができたのかなー、みたいなことをなんとなくカンで感じていました。
で、それに対して「いいんじゃない?」と思ったし、ちょっとホッとするようなかんじがあったのです。「ああ、私もこれでもう少し自由になれる」というような。

私自身も、このまま一生、結婚相手と二人きりという閉じた世界だけで過ごすのはつまらないと思ったし、この夫婦二人でもうそこそこいいところまでいったので、そろそろ次の広がりがあってもいいんじゃないかと感じていたのです。

それもあって私から「ポリアモリーっていう考え方があってね」という話や、それを実践している人の例などの話をしました。

そうしたら思いのほか彼も共感してくれたのと、私がそういう姿勢であることを知って安心したのとで、今進行中の彼女との経緯について包み隠さず話してくれたのです。

で、私も「へー」と受け止めて、それ以降の変遷もいろいろ聞くようになりました。

彼としても、変な罪悪感なく他の人ともおつきあいできることが、心理的な負担がなくてよいみたいです。
私も「罪悪感は百害あって一利なし」がポリシーなので、それはとてもよいと思います。

 

ご存知の通り、夫・立花岳志と私、我々夫婦は一緒に会社を経営し、セミナーなども共同で開催し、人生に対しての姿勢やあり方なども共有しながら発信していますし、皆さんからは「すばらしいパートナーシップ」とか「そういう夫婦、憧れます!」などと言っていただけています。

そのことに何の偽りも問題もありませんし、まさにその通りだと思います。
10年前に出会った当初は予想もしなかったけれど、少しずつお互い高めあって成長しあって、ここまでこれました。
お互いの人生を応援しあう、人間同士としての土台は揺るぎなくできたと思っています。

土台とその上にできた建物がかなり完成してきたかんじなので、だからこそ、お互い次の段階が始まったのだと受け止めています。

店舗経営にたとえるなら、本店が軌道に乗って安定したら「じゃあ次、2号店拡張か!」みたいな(笑)
それは本店が安定してるからこそ、なんですよね。

そんなかんじだと思います。

傷つくのは「失う・壊れる」恐怖があるから

さて、従来の価値観ですと、こういう場面では妻がキーッとなって、傷ついたり怒ったり泣いたりして、夫が罪悪感まみれになって、それゆえ頑なになってますます夫婦崩壊・・・というシナリオになるんでしょうが、ウチはその価値観で生きてないのでそういうことにはなりません。

なぜなら、彼女ができる=浮気=罪=夫婦が壊れる、という図式を信じていないからです。

いわゆる浮気といわれるもので傷つくとしたらなぜかというと、まずは既成の結婚概念「夫と妻は一生涯2人だけで愛し合い、他は一切排除すべし」というのを信じているからですね。
ゆえに、それに背くことは罪悪であり、やった方は罪悪感、やられた方は裏切られ感があるわけです。「約束が違う!」というような、ね。

さらにされた側は「私がないがしろにされた」という「ないがしろ感」が引き出されがちですね。
「あっちをとるということは、こっちをないがしろにすることだ」という、やはり無意識の思い込みがありますし、そもそも自己否定の強い人はそれ以前に基本的に「ないがしろ感」を持っていますから、夫婦の件でも「やっぱり、ないがしろにされた!」という強化をしてしまいます。

そして、そのことによって夫婦という役割が「壊れる・失う」という恐怖がついてくる。
日頃から常に「失うこと・ダメになること」を恐れて生きている「ダメになるワールド」に意識があると、どうしてもそう思ってしまっても仕方ありません。

参考過去記事:「浮気されるんじゃないか」の恐れの奥にあるもの

で、私はそもそも、旧来の結婚概念を絶対とは思っていないし、ないがしろにされている感じは全然していないし、それで「ダメになる」と思っていません。

妻の立場から言えば、彼女がいること=私が捨てられること、ではありませんし、
夫の立場からいえば、彼女がいること=妻を捨てること、ではありません。
その逆もしかり。
恋人がいること=夫婦が壊れること、でもありません。

実際、彼女ができたからといって、私に対する態度が冷たいとかはないですし、むしろより感謝してくれるし、家のこともずいぶんやってくれるようになりました。
それは罪悪感からの償いの行為ではなく、本人、生き生きとやる気になってるからなんですね。

で、極論ですが、万が一、紆余曲折ののち、それで夫婦関係が終わることになったとしても、その流れを私は受け入れるつもりがあります。
そうだとして、私はそれを「壊れた・失った」とは思わないでしょう。
「変わった・卒業した」。そんなこともあるだろうと、受け止めるような気がしています。

人生はいろいろあるし、未来のことは誰にもわからない。
その時はその時です。

夫婦の機能

夫婦という形は、一つの取り決めだと私は思っています。
あえてそれを「機能」という言葉でいいますと

1.まずは社会的・経済的な単位としての機能は大きいでしょう。
法律上の夫婦という関係はそこで大きな役割を果たしていますね。

2.次には子育ての機能としても、現状大きいといえるでしょう。
多くのお家が夫婦で子育てをしています。

3.それから家業などあるお家では、仕事上のパートナーとしての機能もあります。ここがうまくいかないと、家業・事業も回らないことになります。

4.そしてだいたいの場合、結婚したら共に生活するのが標準的ですから、共同生活という機能もあります。単純に、一緒に生活しやすい相手かっていうのも大きいですよね。

5.それから.恋愛感情やセクシャルなニーズを満たし合う機能。

6.愛情や慈しみ、受容や理解、といった「情緒的栄養」を与え合う機能。

7.さらに、情とか家族の安らぎ的な、心理的安全基地のような機能。

8.話し相手、相談相手のような、支え合ったり励ましあったりする「友人」的な機能。

9.互いの人生を応援し合い、高めあうような人生の「同志」的な機能。

10.一緒に遊んだり、趣味を楽しんだりする「遊び仲間」的な機能。

11.違いに戸惑い、ぶつかりあって自分の偏りを修正するような「学びと成長のご縁」的な機能。

今私が思いついただけでも、こんなに夫婦として考えられる機能ってあるんです。
どれもそれぞれあったらいいし、そこうまくいってたらいいよねーと思えることなんじゃないでしょうか。

で、問題は、
これら全部、うまくいってる人がいますか!?
全部得ている人がいますか!?
ってこと。

つまり
これら全部、一人の相手でまかなえてますか!?
ってこと。

たぶん、そんな人はいないでしょう。

ここはいいんだけど、こっちがダメダメ、とか。
ここは得られてるけど、どうしてもそっちが得られない、とか。

そんなものじゃないでしょうかね。
だって、人間は不完全だもの。

しかしながら、従来の「結婚」という概念は、それら全部、一生涯一人の相手のみでまかなうべし!という強制力をはたらかしてくるわけですよね。

それって本当ですか?

私、それは無理だと思うの。
だって、人間それぞれ特性があるし、得意不得意もあります。
そこに全く違う人間同士が2人で掛け算するわけだから、もう全部合うわけないでしょ!と思うんですよ。

なのに「一人だけで!」ってみんな無自覚に思ってるから、「ウチの夫はこれが足りないの、アレをしてくれないの」「ウチの妻がこうじゃないの、ああすればいいのにそうできないの」と不満噴出するんですよね。

にもかかわらず「一人だけで!」って思ってるから、他にそのエネルギーの出口もない。
淀んで、溜まって、諦めて、腐っていく。

本当はほしいものがあるのに、そんなことを思う自分がワガママだ、不埒だ、贅沢いうな、足るを知るのだ、これで幸せじゃないか、と抑え込んで。
しかしその分ヘンなところで発散して、爆発して。

それじゃあ命の力がもったいないと思う。
だったらその前提から、そろそろ考え直したらよいのではないでしょうか。

もちろん、これは皆さん全員がそう考えるべきだとか言っているのではありません。
従来の結婚観が一番落ち着く人は、それでいいでしょう。
そうじゃない人は、考え直してもいいでしょう。

価値観を選択できる時代になっているのですから。

一人に求めない

一人の人に求めても無理。
だって、そもそもそういう人ではないのだから。

我々夫婦は、心の学びをしてそのあたりが本当に腑に落ちたので、お互いにそう思い、そう話せるようになっています。

だからこそ、私にないものや、私にはできないこと、私にはそういう回路がないことを私に求めてガッカリすることもずいぶんなくなったと夫はいいます。

私も、自分にできないことや、回路がないことをそのまま受け止めてもらえてとても楽ですし、私も彼に対して、彼にはないものを求めて葛藤しなくてよくなります。

そういうものが欲しかったら、それを持っている他の人から得ればいいんです。

自分にできないことは人に任せる。
いわばアウトソーシング的な発想。

人には人の数だけ個性と生まれもったエネルギーがあります。
それだけいろんな魅力が世の中には溢れているわけです。

親密なおつきあいをするということは、その人のエネルギーをいただき、自分も与え、エネルギーの交流をすることだと思うのです。

一人の相手のエネルギーとはまた違う色、違う種類のエネルギーに触れて、それを得たくなることは、常に成長と発展が摂理である人間にとっておかしなことではないと私は思います。

ほしいものはもう得られないと諦めることもない。
ほしいものは得た方が、より豊かになります。
その豊かさを持ち寄って、またお互いが豊かになります。

そして、そもそも、人間は誰の持ち物でもありません。
夫婦という形は社会生活上の取り決めであって、人間同士として「私のもの」とか「俺のもの」とか、そんな所有物にし合えるようなものではありません。

その人個人が、人として、より豊かに生き生きと生きることが、周りの人間にとっても、全体にとってもいちばんよいのですから。

現在の私たち

結果として彼は、それ以降、男性性をより意識して自信を増してきたかんじだし、生き生きしているようだし、カッコいい身体作りにも目覚めたのもそのせいかもしれませんね。
エネルギーがよい方へ回っているようなので、いいんじゃないでしょうか。

今の彼女のことは、私も知っていますし会っています。
彼女も、夫を通して私にその話が伝わっていることは知っています。
お互い深くは語りませんが、そこはOK。

彼女にとっても、彼と出会ったことでいろいろ開けているようだし、いいんじゃないでしょうか。

確かに今の彼は、他の女性から見たらとっても魅力的だと思いますよ。
だって、そういうふうに私たち共に育ってきたし、あえてゴーマンにいいますと「今の立花を作ったのは妻の私!」ざーますからね(笑)
その魅力とパワーを、他の方々にもお分けしてあげてよくってよ〜♪
それで皆さまがよくなるのでしたら、皆にとっての財産ですからね。

というわけで、そんなことがあって以来、私も女性性のスイッチが入って、不思議と最近みなさんから「きれいになったねー」と言われるようになりました。

やっぱり、セクシュアリティも人間の持つエネルギーの一つですから、男性も女性も、結婚したからといってそれを埋もれさせてしまうのはもったいないかもしれませんね。

私は今はまだ彼氏いませんけど、来年あたりできるかもしれません。
夫とも「どんな人がいいのー?」などと話をしています。
つまりお互い合意はとれたわけで。

そうなると、さらに夫婦の新しい段階に突入です。
何がどうなるかはわからないけれど、おもしろいことになるかもしれません。

それを楽しみつつ対処できる心の基礎力と成熟性が、すでに私たちには育っていると信じています。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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