金剛界・胎蔵界 曼荼羅の意味と魅力をわかりやすく考えてみた

どうもわからない両界曼荼羅の意味

胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅。

合わせて両界曼荼羅といわれるものが、真言密教にはあります。

私もそれは前から知っていたけど、この2つの意味や違いっていうのが、どうもわかりませんでした。

調べみても、なんか仏様の描き方の違いを説明するに終始していたり

素人にとっては「で、結局なんなの?」ってところがわからなくってね。

もちろん、そういうことは密教といわれるくらいですから、秘密の教えであって、そうそう言葉で言えるようなもんじゃないんだ!ってのはわかります。

膨大な経文を勉強した末に何年もかけてやっとわかるものなのじゃ!っていうのもわかります。

でもやっぱりわかりたいじゃん?
ちょっとでいいから(笑)

そう思いながらなんとなくそのままになってたんですが、今日、すごく腑に落ちちゃったの!

あくまでも素人の思いつきにすぎないんで、専門の方から見たらお話にならないと思うけれど

とりあえず私はすっごい納得しちゃったんで、もし共感してくれる人がいたらちょっとうれしいです。

ここに載せてる画像は胎蔵界しかないのですが、両方見てみたいという方は「両界曼荼羅」と画像検索するといっぱい出てくるので、ググッてみてね。

霊宝館でひらめいた

さて、高野山の霊宝館というところに、大きな両界曼荼羅が対面でかけてあります。

胎蔵界曼荼羅は、中央に大日如来がいらして、そこから同心円上に小さな仏様が広がっていく構図。

金剛界曼荼羅は、9つのマスに分かれていて、最上部に大日如来がいらして、他の仏様が階層状になっている構図。

高野山に来てその前に立ち、ひとこと解説を読んでまた見たところ・・・

おーっ!そうか!と思ってしまったのです。

胎蔵界は、受容。
あらゆるものをどこまでも
無条件に受容する愛。
女性性の力。
たとえるなら蓮の花。
それも悟りへの道。

金剛界は、意思。
高みを目指し、貫きそびえゆく
強く輝く意思。
男性性の力。
たとえるならダイヤモンド。
それも悟りへの道。

両者あわせて一つの宇宙の姿。
2つの表現ではあるけれど
一つのことを言っている。

違うけれど矛盾しない。
なぜなら「一つ」とは
宇宙根源である大日如来であるから。

これが、その場で私が受け取った理解です。

オムマニペメフム
というチベット仏教のマントラがあります。
蓮の中のダイヤモンド
という意味だそうです。

胎蔵界は蓮。
金剛界はダイヤモンド。

まさに、そのことではないのだろうか?

そんなふうに思ったら、
私はとても納得するものがありました。

受容の力と意思の力

受容と意思はセットです。

全肯定・全受容したところに
「こうしたい、こうしよう、こうするぞ!」
という純粋な意思が立つ。

屹立するような輝くまっすぐな意思
そういう「垂直軸」は

無限に広がりゆくような無条件の受容

そういう「水平軸」があってこそ支えられる。

そういうものだと思います。

どちらか片方じゃだめなのです。

意思意思・・だけの
ただの屹立と前進では
狭窄と排除と切り捨てになります。

受容受容・・だけの
ただの広がりと融和では
甘さと曖昧と無秩序になります。

意思あっての受容。
受容あっての意思。

両者は合わせて一つ。
違うけれど
共にあって矛盾しない。

無条件の受容の中にこそ
輝く意思が立ち上る

輝く意思が立ち上がるほど
無条件の受容がそれを支える

合わせて一つ
それが世界の真実の姿。

そこに、いのちの宿る創造(クリエイション)が起こる。

胎蔵界・金剛界曼荼羅とは
そういう宇宙の力を表現しているのではないだろうか・・・

私なりの勝手な推論です。

女性性・男性性とは

さて、ここでもう少し、女性性・男性性という言葉について説明しましょう。

心理やスピリチュアルになじみのある方なら、よく聞く言葉かもしれませんね。

東洋の考え方では、宇宙は大きく2つの力が働いて成り立っているとされています。

それが、女性性・男性性。

中国的な言い方だと「陰・陽」というやつ。

それは必ずしも、生物的な分類上の女性・男性ということとは関わりなく、ものごとの性質を言っているだけです。

女性性の特徴は、
受容、慈悲、包容、流れ、静けさ、感性、内向、受動、右脳的、やさしさ、やわらかさ、しなやかさ、おだやかさ・・・など。

男性性の特徴は、
意思、力、秩序、構造、強さ、動き、理性、外向、積極、左脳的、たくましさ、堅牢さ、貫く、昇る、創造、具現、・・・など。

だいたいわかりますよね?そのかんじ。

これはどちらが良い悪いではなく、それぞれがそういう性質ということですし、どちらも本来あわせ持ってこの世界を構成する性質です。

もちろん人間の中にも、男女問わず一人の人の中に、女性性と男性性がさまざまなバランスで存在するものです。

そして、この性質は不健全に偏りすぎると不調和を起こします。

たとえば、男性性が不健全に傾くと、その性質は
暴力、攻撃、支配、破壊・・・などにつながっていきます。

反対に、女性性が不健全に傾くと、その性質は
無力、癒着、服従、依存・・・などにつながっていきます。

ですから、いちばん理想的なのは、女性性・男性性が健全な形で共にある状態。

それが最高のバランスということです。

これからの時代はまさに、この女性性と男性性の統合がテーマとなってきます。

これまでの時代は、過剰に男性性に偏った社会だと言われています。

壊、パワーゲームの競争社会等、あちこちで現れています。

それだと「いのち」への慈しみというものが、どんどん切り落とされていきます。

その痛みと歪みに気づき始めた人たちが、少しずつ増えてきています。

その先駆けとして、まずは
「感性や心を取り戻そう」とか
「ありのままの自分を受容しよう、愛そう」
「がんばらなくていいよ」
みたいなメッセージが、ここ数年言われるようになってきているのです。

まさにこれは女性性の取り戻し。

それはもちろん「女性性100%になろう」という意味ではなくて、「女性性と男性性を統合しよう」という流れのプロセスだと私は思っています。

その流れがここ数年強くなってきていて、ここからどんどん統合へと向かっていこうとしています。

女性性は
受容と、どこまでも広がりゆく力。
花開く蓮のように。

男性性は
意思と、高みへ向かいゆく力。
輝くダイヤモンドのように。

限りない受容に支えられた
ピュアな意思を貫徹した末の創造とは?

そういう存在。
そういう具現。
そういう世界。
そういう宇宙。

それがどんな状態で
どんな姿をしているのか
今のところ私の実感ではわかりませんが、

おそらくそれが大日如来、
つまり宇宙根源の姿なのかもしれません。

そしてたぶんだけど
空海さんは
そんな女性性と男性性をすばらしく統合した
めっちゃ素敵な人だったんだと思います。

奥の院の御廟に行くと
なんか、そういう気配を感じるような気がするので
私は勝手にそう思っています。

うーん、素敵な人よね〜。

はい、オチが非常に世俗的になりました(笑)

まあ、曼荼羅に関しては
あくまでも素人の推測なんで。
ちょっと言ってみたかっただけです。
ちゃんとしたことは、専門家に学んでくださいねー。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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