問題は「性格」じゃなくて「ステート」

 エニアグラムを学ぶと
「ステートが高い・低い」という言い方を知るようになる。
ステートとは、精神状態・成長のレベルであり、
不健全(怖れと防衛に捕われ、心が狭くなっているレベル)から
健全(自我の習慣(自動反応)にとらわれなくなり、自由な心のレベル)まで、
グラデーションしていると考える。

energram

その考え方を知ると、完全なる「悪い人・ダメな人」というのはいなくて、
とりあえず今は「ダメな人」に見えたとしてもそれは
「ステートが低い状態」なんだという理解になる。

ということは、ステートが上がればその人は
「すてきな人、すばらしい人」になりうる、
という可能性を含んで人を見るということ。

この考え方って、けっこういいと思う。

エニアグラムの考えによれば、
「相性の悪い人」というのはいない、という。
ステートが高い人どうしだと、どんなタイプの組み合わせでもうまくいく。
自分の自動反応にとらわれずに、相手の違いを受け止めることができるからだ。
逆に、ステートが低ければどんな人ともうまくいかない。

ポイントは「性格」じゃなくて「ステート」。
この考え方も、けっこういいと思う。

これは自分自身にも使える。
おきまりの自分のネガティブ・パターンにはまって精神状態が落ちている時、
自分で「あ、今自分、ステート下がってるなあ」と気づけるということは、
それ以上呑込まれないストッパーとなり得る冷静さをもたらす。

 この考えを共有できている人同士だと
「今、私ステート下がってるんだよね。」と言えるし
「ああそうか、下がってるんだね。そういう時もあるよね。」と
受け止めることができる。
無益な責め合いにならない。

 しかし、本当にステートが低かったらそんなふうにはいえない。

自分の不快と不満をまき散らし、
「なんであなたはこうしてくれないのよ!
なんで私ばっかりいつも なんたらかんたら・・・
どうせ私のことなんか ああだらこうだら・・・」と爆発、炎上(笑)。

だから、まずは自分のステートに気づければいい。

見つめている自分。気づいている自分。

自分のステートに気づくことができるのは、その自分である。
そして、それに気づけているという時点で、
実は、ステートはけっこう高いということになる。
気づけていれば、ハマりそうになってもわりと早く戻って来れる。

見つめる自分。気づける自分を育てていく。

それこそが信頼に足る「自分」であり、
そのリアリティが高まるほど「大丈夫だ。安心だ。」と感じられるようになる。

エニアグラムはその他にも
自分と他人を理解するさまざまな視点を得ることができて
とても奥深いものだ。
自分の性格の悩みや、人間関係のストレスに新しい視点をもたらし、
自己探求と成長へと向かうことができる確かなツールの一つだと
私は感じている。

参考:夫である立花岳志のブログ記事
エニアグラム あなたを知る9つのタイプ — 自分と大切な人のことをちゃんと知ろう

 

エニアグラム 自分のことが分かる本
ティム・マクリーン 高岡 よし子
マガジンハウス

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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