この仕事をしていると、個人セッションにしろ、グループでの講座にしろ、人の「真実」というものに触れさせていただけることが、本当に貴重でありがたいと感じます。
真実というのは
一つには、本来の輝きや力、その方ならではの感性や魅力、尊い願いや希望のような「光」の部分。
そしてもう一方には、痛みや傷、背負った心の重荷など、いわば「影」の部分。
これもその方の尊い真実です。
「影」というと嫌がる人もいますが、それがあるからこそ、真剣にご自身に向き合って「変わりたい、みつけたい、新しくなりたい!」と願う真摯な志が立ち上がるものでもあるのです。
どんな重荷があっても、その奥から「それでも」と立ち上がろうとする魂の底力を見せていただけるのは、本当に尊いことです。
その底力を私も感じるからこそ、ガイド役となって、一人では見つけ難い迷路の出口を一緒にみつけていくことができるのです。
その果てに、誤解を誤解だったと見抜き、自分自身を受け入れ、心の鎖をほどき、本当に願っていたことを思い出し、一皮も二皮もむけて次のステージに踏み出してゆかれる。
まさに、影の奥から、その方の光=真実の輝きが現れる瞬間です。
最終的にそんな姿を見せていただくと、まさに、さなぎが蝶々になったような、あるいは不死鳥が蘇ったような、そんな場面に立ち会ったような気持ちになります。
そして、「よかったねー!」と共に喜びながらお見送りすることができて、私の方こそ満たされています。
人と人が、真実の心で出会って、真実をみつけてゆく。
つまり、本当の話を、本当に真剣にする。
そんなお仕事がカウンセラーをはじめとして、人の心に関わる援助職全般だと思います。
私は、口先だけで繕ったり、フリをしたり、心にもないことを言ったりするのが苦手なので、こういう「本当でいていい」仕事はとてもやりやすいです。
本当の話をし合う、その真実の瞬間が居心地よく、うれしいと感じます。
この仕事は、自分自身が「本当」でいればいるほど、相手の方の「本当」も響き合って、思いもよらないすばらしいゴールにたどりつきます。
こうして、たくさんの方の光も闇も全部合わせた「真実」に触れさせていただける、ある意味、ちょっと普通じゃありえない仕事がカウンセラーだとも言えるかもしれません。
だからこそ、畏敬の念を持って人を受け止めること、自分自身が絶えず浄化の歩みを続けることが、重要だと思います。
真剣に、誠実に生きることがそのまま仕事になっていくし、自分自身がクリアになっていくほど、仕事の質も上がっていく。
そういう世界です。
もちろん、その道に完成・完璧はありません。
私もまた、いつだって「未完」です。
そういう意味で、ちょっと「修行」的、「求道」的な生き方なのかもしれません。
私の師匠は「カウンセラー(セラピスト)は菩薩行だ」と言っていました。
自分が修行の途上でありながら人さまを助ける、そういう存在を菩薩といいます。
私はそんなイメージはけっこう好きですね。
そのような生き方が好きだったら、カウンセラーはとてもやりがいのある仕事だと思います。