昔の知らんドイツ人が指示した音より、今の私が出したい音

Photo:Takashi Hanamura


最近、ピアノで

いわゆる「クラシック」を弾くと
弾いてる最中に
違和感と退屈さを感じている自分に気づく。

その感覚をあえて言葉にすると

これべつに私が弾きたいことじゃない

みたいな。

だってこれ
縁もゆかりもない
昔のドイツ人のおじさんが言いたいこと
じゃん。あたし、べつに知らんし。

みたいな。

なんであたしが
この人のやってほしいこと
指示どおりにしてやんなきゃならんの。

みたいな。

はいはい
僭越なのは百も承知で言ってますよ(笑)

 

クラシック音楽というのは
譜面がすべてである。

作曲家が一字一句
「こうするように!!」と決めて
演奏家が奴隷のように完璧に
それに従わなければならない

というルールがある。
一音でも違うことをしたらアウト!
なのである。

その強制力たるや。

もちろんクラシックにおける「作品」とは
その作曲家が特殊な才能と技術によって
美しく編み上げた構築物なのであり

その完成形は
天と地と人の織りなす
世界と宇宙の法則と美の縮図なのであり

そんな音の構築を組み上げることなど
常人には成し得ないからこそ
作曲家に全面的に任されている

だから、演奏家は
その崇高な設計図の具現化に
最大限奉仕するのである

・・・ということも
藝大作曲科出身の私としては
重々承知である。

そしてもちろん私も
クラシック音楽の価値は知っているし
この論もクラシック音楽および
クラシック音楽に携わっている皆さんを
揶揄するものでもない。

ただ私のわがままを述べているだけである。

というわけなので
今の私の極めて個人的な感覚、そして
ただ私のやりたいこと
という究極のわがままを前提とするならば

昔の知らんドイツ人の心象世界は
ちーともピンときませんな。
あたし日本人だし。
今べつにそんな音、出したくないし。

ということなのだ。

 

じゃあ今の私が
おもしろいと思うことはなんなのか?
というと

その時、その一瞬
出したいと思った音を出す。

ということだ。

その時聞こえたもの、感じたこと
流れてくる気
キャッチしたエネルギー

そうしたものを感じたその時に
反応したくなったこと

それを、音という素材を使って
手という道具を使って
反応してみる。

その結果出た音に
うん、これだな!と満足している。

そういう弾き方が
いちばん心にしっくりくる。

つまり、即興。
あらかじめ決めない。
決まっていない。

そういう要素が大きい音楽に
楽しさを感じるように
自分はどんどんなっているようだ。

うん、わがままだからね。

 

そうした即興を一人でやるのもいいけれど
他の人と一緒にできるのは
もっと楽しい。

他の人と音を出す場合
その場は瞑想となり
その時その一瞬は
テレパシー飛びまくり状態になる。

言葉のない世界での
「気」の送受信であり
その「音化」。

これがものすごいスピードで行われているのが
数分間の「音楽」という時間なのだ。

その時、何の音を出すか。
その唯一の根拠は

自分が、今、何の音を出したいか。

今、ここ、自分。

かつ、自分一人で完結しているのではなく
あくまでも「全体」を受けての
「全体の中の一つ」としての自分。

まさに瞑想である。

自分が出す音は自分で決める。

究極にわがままな音楽
ということになる。

であるとともに

個々人の自分のわがままが
全体として調和する
という
究極に調和的な音楽
ということになる。

All for one
One for all

まるで宇宙本源の姿ではないか?

 

まあ、即興というのは
別に新しいことではないし
いろんな文脈で、いろんなレベルで
いろいろあるので

なにもこれだけが正しいわけでも
すばらしいわけでもない。

私もあくまでも
自分の手を出せるジャンルで
手が動く範囲のことを
やっているにすぎず

その結果がどれほどすばらしいかの
保証も何もないけれど

自分の持ち分の中で
分相応にやっていても
それなりに楽しく心満たされる
というのが、即興の良さだなと思う。

そんなことを
あらためて感じさせてもらえたのが

明日開催予定の
大島ケンスケさんのライブ。

昨日そのリハーサルをしてきて
感じたことだ。

 

今回のメンバーはまさに

瞑想・気・エネルギーの送受信が
同種の前提のもとに分かり合える方たち。

だからリハーサルでも
決めていない部分が多い。

だから本番どうなるかわからない。

でもきっと楽しい。
それはわかる。

明日です。

2022年1月16日(日)
LIVE !!「Meditation Music」

Vocal&Guitar:大島ケンスケ
Percussion:セコ・サンチェス
Piano:大塚あやこ
ゲスト
Indian flute:真砂秀明

2022年1月16日(日)
17時〜19時予定

会場 東京池袋 Absolute Blue
https://absol.blue/

会場チケット ¥4,900

オンライン視聴チケット ¥1,900

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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