「動けない」悩み
私は仕事柄、多くの受講生さんや個人セッションのクライアントさんのお話を聞きますが、ある傾向として
「動けない。どうしたらよいかわからない。」
という方がけっこう多いと感じます。
つまり、行動できない、チャレンジできない、という悩みですね。
だから結果として、変えたい・変わりたいとは思いながら、現実はそのまま。
同じ場所で、同じ状況で、同じことを続けていたりしているわけです。
それが悪いというんじゃありませんよ。
そういう時期があったっていいんだけど、だからといって「ずっとそのまま、一生そのままじゃヤなんだけど!」という人には、背中を押すのが私の役割であったりもするのです。
じゃあ、そんなこと言ってる自分はどうなんだろう?
って思って、今日は自分の過去を振り返ってみました。
私も動けない人だった
そういえば私自身、昔はぜんぜん動けない人でした。
30歳ごろまでは。
「私が何やったってどうせ」
「現実なんて動かない、動かせない・・」という圧倒的な無力感。
そして世間や他人に対する恐怖感。
その底にはもちろん「こんな自分なんて」という圧倒的な自己否定があったからなのですが。
自己否定があると、自分軸による自分のための選択ができません。
いつも他人や外側に翻弄されて、自分の気持ちや感覚なんてわからなくなります。
そしていつも不本意で辛い選択を自分自身にさせて、でもそのことに気がつきもしないで我慢と罪悪感と自分責めばかり。
当然現実はうまくいきません。
人生どんどん下り坂になって詰んでいきます。
私にとってはそのどん底が、1度目の結婚が限界を迎えた30歳ころだったというわけです。
でもどん底までいったところで、大転換しました。
自分からその結婚に終わりを突きつけて整理。
一人になって音楽に集中することを選択。
誰になんと言われようと、もういい!
言うなら言えばいい。
私は私の道を行く!
この時私は初めて「ハラを決めて行動する」ということをやりました。
それで初めて、こんなに現実というのは動くものなんだ!という実感もしました。
私の人生が変わったのはそこからだったと思います。
なんと、そこから「動ける人」に変わってしまったんですね。
やりたい音楽のために動くことを知った
この時の私の最大の気づきは、
私ってこんなに
やりたいことをやらないで
やりたくないことばかりやってきた!?
てこと。
その逆転ぶりに唖然としてしまいました。
なにやってんの!!?って。
だからこそ、じゃあもう
やりたくないことはやらない。
やりたいことをやる。
にしようよ!って思った。
そんな転換があったので、やっと、私がやりたい音楽のことを考えられるようになったんです。
誰に頼まれるでもない、仕事でもないけど、私がやりたいと思ったからやりたいこと。
それは、弦楽四重奏(ヴァイオリン2本+ヴィオラ+チェロ)とバンド(ドラム+ベース+ギター+ピアノ)という融合体。
クラシック、ジャズ、ロック、ラテン、アイリッシュ、民族音楽、歌謡曲・・・あらゆるジャンルミックスで。
その編成で、私が作曲家として書きたい曲を書く。
作りたい世界観を表現する。
そして、ゆくゆくはそれが仕事になる!
そんなヴィジョンを描きました。
それがPRSMIX(プリズミクス)という8人編成のユニットでした。
最初はたった1人の友人のヴァイオリニストに仲間になってもらってデモ音源を作って、ライブハウス「南青山マンダラ」のブッキングにチャレンジ!
まだメンバー探してないのに「8人編成のユニットです!」なんか言って、ライブの日程決めちゃった。
日程決めてからいろんなご縁をたどってミュージシャンに声をかけ、構想通り8人で最初のライブをやりました。
当時はネットよりリアル集客ですから、チラシ、お手紙、声かけ等、体当たりで集客。
初回だからこその皆さんからのご好意・ご祝儀的なのもあり、当日はマンダラのキャパいっぱい、100人越えの大入り超満員で第1回目のライブを終えることができました。
あんなに無力感いっぱいで動けなかった私が!
今考えても、あの時一つ一つ意識して行った「勇気と挑戦」がポイントだったと思います。
相棒に「こういうのやりたい、やろうよ」という勇気と挑戦。
ライブハウスに問い合わせる勇気と挑戦。
バンドメンバーを探して声をかけ、お願いする勇気と挑戦。
楽譜作りやリハーサル、運営の諸業務に一つ一つ向かう勇気と挑戦。
お客様に声をかけ、お誘いする勇気と挑戦。
8人編成バンドのリーダーになる、という勇気と挑戦。
それまで圧倒的に無力で、「自分から動く」ということができなかった私は、この時から意識的に「これは挑戦だから」というつもりになって、「挑戦!挑戦!」とつぶやきながら、怖くてもやってみるということを繰り返していきました。
そうしたら、けっこう楽しかったんです。
自分の内側が充実するかんじ。
やってみてはじめて得られる「やれた!」という実感。
自分の考えと、行動によって、現実が何か動く。
「現実って動くんだ!」という実感。
それが積み重なることで、自信というものが内側に満ちていく実感。
それを知ったら、以降すっかり動ける人になっていました。
PRISMIXはその後、メンバーチェンジをしながら5年ほどライブやレコーディングなどの活動を続けました。
最終的には業界第一線で活躍するすごいミュージシャンの方達がメンバーになってくれて、このユニットを母体として、航空会社の音楽や、テレビアニメのサウンドトラック制作の仕事なども手がけるようになっていきました。
ビクターエンタテインメント (2006-10-04)
動ける人になるための法則
そういうきっかけがあって、その後私は音楽も、カウンセラー転向も、また現在あらためての音楽活動も、けっこう思いついたら実現へ向かって行動することが当たり前にできるようになりました。
だから言いたいのは
私だって最初からこうじゃなかった
ってことです。
あんなに無力で動けなくても、なんかこうなれた。
ってことです。
そうなるために大事なことはなんだったのか、と自分の場合から考えた時に、こんなかんじかなーと思います。
1.ドン底体験
「これまで」の人生、生活、自分のあり方に底ついて、ほとほと嫌気がさすこと。
「もお〜〜〜!ホンットにやだ!!」という、心のそこからの「嫌だ!」こそが一念発起の強い原動力になります。
これが弱いと、やっぱり「いや、でも、そうはいったって、なかなか、まだまだ・・・」とグズグズしてる余裕がまだあるからね。
タフで乱暴な言い方すると。
ドン底まで行って、底尽け!
でことですね(笑)
そうやって絶望的にデッカイ「やだ!!」がわかって、それをザックリかなぐり捨てると、多分そのぶんデッカイ「やりたい!!」もわかるようになります。
私はたぶん、そういうことだったんじゃないかと思います。
2.ぶっちぎり体験
自分の気持ちを優先し、自分を生きることを選択しようとした時、「他人の思惑」が怖くて足がすくむというのは超絶よくあること。
こんなことしたら、人に悪く思われる、迷惑かける、傷つける、嫌がられる、何か言われる・・・・そういう恐れですよね。
だからこそ、ここをかなぐり捨てて突破していけるかが勝負なんです。
誰になんと言われようと
誰が傷つこうと騒ごうと
もういい!!
っていうぶっちぎり体験。
やってしまえば意外と大丈夫です。
一生に一度でもそういう体験があると、「自分軸」のなんたるかがわかるし、かなり人生変わると思います。
3.チャレンジ体験
挑戦とは、やったことないことをやること。
知らないことに飛び込んでみること。
それは小さくてもいいのです。
今という場所から、未知の場所への段差を「エイヤッ!」と飛んでみることです。
その時必ず「こわい」という気持ちが出ます。
これが出たら「終了!」と思っちゃう人もいるみたいだけど、そうじゃないんだ。
「こわい」は出てあたりまえ。
人間は未知というものがこわいんです。
これは生理的なものだから「こわい」という気持ちをこわがらなくていい。
うお〜、こわいな!!
と思ってもいいから、こわくてもやる。こわくても飛ぶ。
その時に私は「挑戦!挑戦!」とつぶやいたわけです。
目的を「挑戦すること」そのものにしちゃえばいいんですよ。
それによる結果を目的にしない。
結果はどっちでもいいことにしちゃうの。
結果がどうであろうと、挑戦が目的なんだったら「挑戦さえしてみりゃいいわ」って思えます。
ちょっとハードル低くなるでしょう?
そうやって「やる」ことで、初めてわかること、見えること、動くことがある。
だからやらなきゃ始まらないんだよね。
というわけで、これからも動きます
こうやって書くと、ほんと、誰もが言うような当たり前のことでしかない。
けど、やっぱりこれが原則なんだろうと思います。
あんなに動けなかった私だから言うけど。
動けるようになると楽しいよ!
もちろん世の中には、私程度じゃ問題にならないくらい、もっとスケール大きくダイナミックに動いて現実を動かしてる方がた〜くさんいます。
でも、今の私くらいのこの程度でも、自分的には楽しさを感じて生きていけてるので、今時点で「全然動けない!」って言ってる方には少し参考になるかな、と思いました。
今日で8月も終わり。
秋からまたあれもこれも、考えてることがあるので、一つ一つ動いてやっていきますよ。
こわくても、やってみたら意外となんとかなるもんです。
皆さまにも楽しいチャレンジが訪れますよう。