ほんとにいろいろあって、
感じていることをうまくまとめる言葉はみつからないので、
模範的な感じのお見舞いやお悔やみやらは、あえて言えません。
心の中にいろいろあります。
私自身は、
家族親族知人、交通、住宅、停電、食品・・・等、
あらゆる面でほとんど何の心配も支障もなく過ごせている
たいへん恵まれた状況にあります。
ただ静かに淡々と、自分のやるべきことをやって、
粛々と日常を過ごしているだけです。
だからこそ、被災地の方々に関して、軽々しいことは何も言えない
としか言いようがないです。
こういう恵まれた立場に置かれた人の中には、
じっとしているわけにはいかない
少しでも何かできることはないか
立ち上がって、あれもできる、これもやるぞ!
と積極的に活動する方々もたくさんいるでしょう。
また、ある一定の影響力を持った方は、
それを使命と心得て力を尽くしていらっしゃるのもよくわかります。
それはすばらしいことです。
でも、一方で、
今すぐ何かをすることだけがすばらしくて、
何もできない自分はダメだと焦ったり、
落ち込んだりすることはないと思うのです。
日々自分の業務に追われて精一杯でも、今はいいと思うのです。
ここからのプロセスは長いです。
数日・数週間という短いスパンから、
その先数ヶ月・数年・数十年という長いスパンで、
状況はどんどん移り変わっていきます。
その中で必要とされる人も、力も、役割も、移り変わっていきます。
プロセスにはそれぞれの時期というものがあります。
今は出番じゃない、でもこの時期になったら自分の出番だ!
そういう「時」がそれぞれにあるのではないでしょうか。
その「時」を見据えて、今は静かに
自分は何ができるのか、何をすべきなのか、
自分の内側に深く尋ねること。
そのための知識や力を蓄え、磨くこと。
何が必要なのか、いつも全体の流れをよく見ておくこと。
そんなことを思い、私自身に関しては、
今は、与えられたこの恵みを感謝とともに素直に受け取って
自分はじっとしている時だと、感じるのです。
そして、私の内側には、
来たるべき「その時」に何ができるのか、したいのか
その「絵」が浮かんでいます。
だから勉強しないと。経験を積まないと。
自分自身を磨かないと。
今回のことは、日本/日本人にとって、
そのダメージも痛み・悲しみも並大抵ではありませんが、
一方で、驚くべき対応力と知恵と技術とネットワーク
そして、驚くべき一人一人の心の変化をもたらしていることも確かです。
本当に大切なものは何だったのか、
必要ないものは何だったのか、
このような状況に置かれて初めて、否応無しに突きつけられて
考えさせられたり、気づかされたり、転換させられたりしています。
こうやって、多大な痛みと共に、新しい時代が生まれていくのを
目の当たりにしているような気がします。
そしてその新しい時代というのは、
決してこれまでより暗い時代じゃないと、私は感じているのです。
「元の生活に戻る」ということはたぶんもうないかもしれない。
暗いといえばかなり暗くなるところもあるかもしれない。
でも全く別の側面から光が入ってきて、新しい側面が発展し、
思ってもみなかった新しい時代に変わっているような気がするのです。
だからこそ、これから長きにわたり、
その痛みを癒しながら、よりたくましく新しい世界を作っていくための、
色んな「本気」の人がこれからますます必要になるでしょう。
だから、それぞれの「その時」に出て行けるように、
自分の「時」を読んで今を過ごす。
力を蓄えるのも、今できる最善のこと。
私はそう感じています。
被災地の皆さんに対しては、本当に何もできません。
でも、その日その時のために・・・・・
深く決意するその心が、せめてもの私の祈りです。