ぜったいに心配をやめられない構造がある
安心、って誰もがほしいものだと思います。
みんな、究極的には安心を得たいと思っている。
でも安心できなくて、不安で心配で、なんとかしたくてアレコレ悩んだり、アチコチ探したり。
私もカウンセラーの仕事でそんな方たちのお話をたくさん聞いてきてわかってきたんだけど
実は実は「安心したらダメになる」って思ってる人、けっこういるんですよー。
思ってる、っていうか、意識することもなく漠然とそういう感覚が自分の奥にあるかんじ。
少し静かに自分の心に耳を傾けてみないとわからないかもしれないけれど。
安心したらダメになる
気を抜いたらダメになる
ホッとしてたらダメになる
ね?
そんな気がしたりしてませんか?
だからダメになるわけにいかないから「どうしようどうしよう!」って不安がグルグルして、対策にバタバタしちゃうんだよね。
そういう人はさらに
心配しないとダメになる
心配してれば大丈夫
って信じてることも多いです。
つまり、怖いことや嫌なことを
前もって想像して心配しておかないと
ホントに怖いことや嫌なことが起こっちゃうじゃないの。
そうなっちゃったらダメになるじゃないの。
ダメになっちゃったらどうするのよ!
ちゃんと心配しておけば
そうなることを防げるかもしれないじゃないの。
だからやっぱりちゃんと心配してなくちゃ不安で不安で・・・
というわけ。
だからこういう人はぜったいに心配がやめられないんですね。
その論理の構造上そうなっちゃってるの、わかりますでしょうか。
で、心配するから不安が止まらないわけね。
ダメになったら困るからと心配して
ダメにならないようにと対策して
心配して対策して
心配して対策して
そうしていればいつか、安心が手に入るような気がしている。
・・・のだけど。
実は、この構造の中にいるかぎり、どれだけ心配して対策しても安心は得られないのです、残念ながら。
心配してないとダメになる
安心したらダメになる
と根本的に信じているからです。
安心するわけにいかないから、安心しませんよね。
だからほんとはとってもほしいはずの「安心」がいつまでたっても手に入らないということになるのですね。
だからこそ、そんな人はまず
安心しても大丈夫
と、頭の中身を書き換えていくのがよいかもしれません。
あの時の自分に会いにいくワーク
そんなあなたはね、おそらく幼いころお家の中が不穏な空気で、安心できなくて、いつ何時何が起こるか・・・って身構えてないと生きていけなかったのかもしれないね。
心の中に今もなお住んでいる、小さなあの時のあなたが、まだ震えながら戦闘態勢を解いていないのかもしれない。
心の奥のあの時の自分に会いに行ってあげてね。
そして「怖かったね。不安だったね。よくがんばったね。もう大丈夫だよ。」って何度も言って、抱っこしてあげてください。
心配こそを安全のための命綱にしなければいけなかった、あの時の自分の孤独とけなげさに泣いてあげてください。
そしてあの状況をなんとかするのは、親や大人達であること。
「大人達がなんとかするからね。ちっちゃなあなたがなんとかしなくても大丈夫だよ。」ということを伝えてあげてください。
大きな大人の今の自分が「ちゃんと見てるから大丈夫だよ。いつも一緒だからね。」って言ってあげてください。
その子が、「安心してももう大丈夫なんだ」ってホッと息をついて納得するまでね。
そして、大人のあなたも折に触れて「安心しても大丈夫」ってつぶやいているといいかもしれません。
それが、不安で心配でしょうがない人への、私が考えられる提案、ファーストステップです。
強みはリスク管理
ただね、こういう不安心配タイプの方には、それゆえの強みもあるのです。
それは「リスク管理」。
その心配エネルギーを健全な方へ使えば、失敗や事故の「芽」のようなものにいち早く気づき、「これ、ほっとくと大変だよ」「今なんとかしておかないと大きな事故になるよ」と、大きな危険を未然に防ぐための安全弁の役割を果たすことができるのです。
世の中には、小さなリスクにあんまり気づかない人と、細かく気づく人がいます。
心配な人ほどそういうところに気がつくから、ちゃんと伝えて行動し、動かす力を持つのなら、リスク管理担当としてその力が全体の中でうまく機能する可能性があります。
なにごともバランス。
「安心しても大丈夫」という土台は育みながらも、要所で適度にその「心配力」を意図的に使ってみたら、バランスがよくなるかもしれませんね。