自分の力を出す
というのがこれからの時代を生きる人の重要なテーマになる。
今、時代はものすごい変化の真っ最中だ。
時代の変化とは、人の価値観の変化でもある。
価値観、つまり「大事なこと」が、旧時代と新時代とでまったく変わっていくのだ。
その一つが
自分の力を出す
ということ。
「自分の力」とは、普段社会で使ってる程度の力じゃない。
むしろ私たちが隠している「本当の自分」の姿であり、本来の自分が持っているエネルギーのことである。
私たちはものすごく自分の力を隠して抑えている。
その「本当の自分の力」を存分に出していくのが、これからの時代だ。
つまり、旧時代では
自分の力を出さない
ことが大事だったということである。
旧世界は「個」より「枠」
旧世界では、「全体の枠」というのがピラミッド式にきっちり決められていて、そのピラミッドを構成する一つのパーツとして、自分が存在する。
そこでは「秩序を壊さないこと」が重要。
変化しない、固定化していることが重要。
「上」と同じ、他のパーツと同じであるべき。
個として飛び出してはいけない。
それが重要。
個としての意見や気持ちや違いなど言いたててはいけない。
それをするのは「わがまま・自分勝手」とみなされる。
個として飛び抜けた力を発揮してはいけない。
それは「生意気・反逆」とみなされる。
ほとんどの人たちが
その枠の中にいるから生きられる。
その枠の外に出たら生きられない。
と思ってきた時代。
だから、生きるためには
個を消す。
力を出さない。
ことが最善だったのだ。
ピラミッドの中で「安全」に生きてきた両親に育てられた子は、ピラミッドの中で安全に生きるための「最善」を教え込まれる。
目立つな。
波風立てるな。
普通に。
身の程を知れ。
それが愛情であり、最善の教育だからだ。
その世界では、お互いに監視し合って、個を出すものは叩き、力を出すものはつぶすので、誰もが子供の時から「叩かれる」「つぶされる」ということを経験する。
すると当然のように
個を消さなければ。
力を出さないようにしなければ。
と、我慢と抑制に人生のエネルギーを使い、周りと同じ形であることをアピールして一生を過ごすようになる。
その一方で、実は周りと同じなどではない、実は普通でも理想的でもない「個」のエネルギー、つまり「本当の自分」に罪悪感を持つ。
そうやって屈折したエネルギーを押さえ込んで腐っていくか。
持て余して「他人叩き」へと転化させていくか。
どちらにしても、封じられた「個」の力は行き場を失っていく。
それが旧世界での生き方。
新世界は「枠」より「個」
しかし時代は変わっている。
ピラミッドの枠の外に出ても生きていけることを証明する開拓者たちが続出し
枠の外に出ることを叫ぶメッセンジャーが人気を博し、
その先駆者たちに憧れ、追いかけ、後に続く人たちも続出している。
ピラミッド構造にとって変わる新世界は、ネットワーク構造である。
一人一人がそれぞれ自分の色と力を十分に出しつつ、違う者同士がランダムに結びつく。
それは固定化しない。
いつも流動的である。
どこへでも結びつく可能性を秘めつつ、いつでも結び目が解ける可能性も秘めている。
そこに新しい創造とイノベーションが生まれていく。
個を抑圧しないから、みんなが幸せである。
流動・変化という自然の法則に逆らわないから自然体である。
そんな新しい世界がひそやかにゆるやかに、姿を現そうとしている。
「個」の封印を解く
だからこそ、「個」の封印を解かなければならない。
ネットワーク世界では、「個」として自分でしっかりと立っていることが重要だ。
周りを見て合わせていれば居場所のある「枠」はもうないのだから。
自分で足場を決めて、自分ならではの力で他とつながっていく。
つまり精神的な自立であり、自分軸である。
昨今「自分軸」が流行り言葉のようになっているのも、そうした流れがあるからだ。
旧世界で育って大人になってしまった人間は、ここで一つのハードルが生じる。
これまで培った
個を消す。
力を出さない。
という習慣を打ち破る必要があるのだ。
これまでと全く逆のことをすること。
それが「端境(はざかい)期世代」のチャレンジ課題なのだ。
一度、旧世界にどっぷり漬かった。
自分を否定して周りに合わせた。
おかげで枠には適応したけれど
えらい苦しい思いをした。
それを知ったことに
この世代の意味がある。
何かおかしいと思った。
もう無理だと思った。
違う生き方をしたいと思った。
その違和感を感じたことに
この世代の意味がある。
「旧」のおかしさを知るからこそ
「新」を望むことができるのだ。
「旧」とは違う
「新」を始められるのだ。
だからこそ、まずあなたが
自分の人生を変えるのだ。
個を出すことの、
自分を力を出すことの
罪悪感の鎖を断ち切る。
古い鎖を断ち切って
絡みつく恐れを振り切って
個を出す。
自分の力を出す。
なぜなら、それは自分自身の「真の宝」であるとともに、世界にとっての宝だからだ。
あなたがそれを出すことで、世界に一つ輝きが増すのだ。
たったろうそく1本分かもしれない。
けれど、それに照らされる人がきっといるだろう。
たった水の一滴かもしれない。
けれど、それに潤う人がきっといるだろう。
あなたが個を出さず、力を出さないことは、世界にとっての損失である。
ビリーフをリセットする意味
だからこそ
歴史的・集合無意識的に蓄積した
個を出すな
力を出すな
というビリーフを解くのだ。
まず私から。
そこから生まれる罪悪感と恐れを払うのだ。
ビリーフをリセットするのは、単に「苦しみを楽にするため」じゃない。
そんなことは当たり前のおまけのようなもので、そこは目的じゃない。
ビリーフをリセットするのは、本来の力を出すため。
封印された「個」と「力」を解き放つため。
それによってあなた自身が、生きることを謳歌し、幸せになるために。
そんなあなたと共に生きる誰かがまた、生きることを謳歌し、幸せになるために。
そんなあなたや誰かやみんなが、生命力が満ちる、幸せな世界を作っていくために。
個として、自分の力を出す
そこに、あなたがこんな世界に生まれてきた意味が、きっとある。
恐れを超えて
自分の力を、世界に出していこう。