音楽療法界のフェラーリだった私、音楽療法士やめました

先日、音楽療法学会の退会届けを出しました。

私は2011年から音楽療法の大学に社会人編入して、

2013年に学会認定音楽療法士の資格を取得しました。

去年あえて更新をしなかったので、これで学会所属関係は全部切れました。

認定資格は、ミュージシャンから援助職へ転換するための最初のよいステップになったけれど、実のところ「学会パラダイム」は私の興味関心とは全く違うものでした。

近頃始めた「サウンド瞑想会」もそうだけど、私がやってるのは音楽で人の心に関わることです。

それってつまりとっても音楽療法的なわけだけど、全然「学会的」ではないです。

これはべつに学会批判でもなく、音楽療法やってる方達の否定でもなくね。

居場所が違うね、っていうそれだけ。

私は所属しないのが性に合ってるし、私は私の思うことを私流にやるのが一番。

これまでもそうだったし、これからもそうやっていく。

平成から令和へ。

一つの区切りとなったと思います。

音楽療法の世界

これを機会に音楽療法の話をしましょう。

音楽療法って、どこで何するの?

という素朴な疑問があるかと思います。

日本音楽療法学会が現在の日本の音楽療法のスタンダードだとすると「学会パラダイム」の音楽療法はこんなかんじです。

・どこで?

高齢者施設、障害者施設、精神病院、脳機能障害の病院、緩和および終末病棟。

・何を?

音楽療法士が伴奏してみんなで歌う。
音楽を使った軽い体操など。
音楽を使って身体を動かす、療育やリハビリ。
人生の最後をご家族とともに心穏やかに過ごす音楽鑑賞。

など。

それが主流の音楽療法というものです。
つまり、完璧に福祉・医療の一分野なんですよ。

病気や障害の方によりよいクオリティオブライフを提供する、というのがミッション。

音楽療法士は、音楽を通して患者さんとコミュニケーションができればよいので、音楽の能力に関してはそれにふさわしいくらいあればいいし
病気や障害の皆さんのお役にたつよう、安全で快適に音楽を活用できればいいわけです。
音楽性云々より、むしろ福祉職・医療職としてのミッションが大事、ということになります。
つまり、そういう音楽療法にはちゃんとそれに向いた方たちというのがいるんです。

めっちゃ浮いてた私

これを、たとえば車にたとえてみましょう。
上記のようなスタンダードな音楽療法をする方達を、タクシー業界における国産の堅実な車、とたとえてみる。
頑丈だし、乗りやすいし、安全だし、信頼性、統一性あります。
タクシー業界ではそういう堅実な車で回ってるし、それがベストなわけです。
で、私は40歳過ぎてから音楽療法の大学に入ってきたわけですが
はじめっからめっちゃ浮いてた(笑)
そこの大学来る前に芸大だし。
プロミュージシャンだし。
音楽能力と経験の蓄積においては、大学の先生でさえ誰も右に出るものはいません。
車にたとえたら、ここでは私、フェラーリなんですよ。
しかも私が最初にこの世界に関わったのは、音楽療法士を養成する大学だからね。
教習所みたいなもんです。
教習所のあのチマチマしたコースに、フェラーリが入ってきちゃったと思ってください(笑)

フェラーリの側も、本来のポテンシャルを極度にセーブしなくてはならなくてストレスはハンパないけど

教習所も迷惑だよねw

実際、教授の先生に「いやあ、やりにくくて(苦笑)」ていわれたし。

しかし資格のためだ。

2年間、自分の身の丈をちいーーさくして、超初歩的な音楽の授業を耐え忍び、がんばりましたよ!

そのころ書いてた記事「社会人学生の日々シリーズ・全13編」もあります。

私は私の立ち位置で

そういうわけで、大学卒業して音楽療法士の資格をとったわけですが

私は医療や福祉の現場で働く気はさらさらなく、

ていうか、自分はそういうとこ無理だし

もっと別のフィールドで一般の方を対象にやりたかったので、本格的な心理療法の勉強をして、初めからサロン開業しました。

最初に開業した東京都北区のサロン

フェラーリでタクシーはできない。

てか、タクシーやることないでしょう。

フェラーリはフェラーリであるがゆえに、ほかにふさわしい用途と場所があるわけですから。

あ、でも今は私、フェラーリでもなんでもないです。

そこまで速くもすごくもない。

アルファロメオ・ジュリエッタぐらいでいいです。(て、ウチの愛車ね)

 

私には私が通ってきた背景と必然があって、今の仕事をしています。

私が関わりたいのは、社会でがんばって活躍している人。

学歴もキャリアも高いのに、心の制限が強過ぎて生きづらかったり、がんばり人生に限界がきちゃったりした人。

そういう方たちが、自分にかけた制限を解き、そのポテンシャルをもっと存分に発揮して、よりいっそう多くの人のため、世の中のために、すばらしい仕事をしていってほしい。

幸せな世の中を、未来を作る一人になっていってほしい。

新しい価値観を発信するリーダーになっていってほしい。

私はそう願っていますし、それをやることが、私自身の本来のポテンシャルを存分に発揮することだと思っています。

そういうリーダーの方達の誰かが、巡り巡って、医療・福祉の世界で何かを変えていく志の人となり、その業界に力を尽くしていってくださることもあるでしょう。

それが大きな力となって、結果的に病気の方や障害の方の役にも立っていくでしょう。

私の関わり方はそういう立ち位置です。

それをするのに、音楽療法士の資格はいりません。

だから、平成の終わりと同時に手放しました。

私の城は私が作る。

私が流派。

それが性に合ってます。

でもくりかえすけど
都合のいい時に「元・音楽療法士」って名乗るかもね(^ ^)

 

 

 

この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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