この4月から、音楽療法を学ぶために大学へ編入しました。
そろそろちょっとずつ、音楽療法のことやその勉強のこと、
あるいは社会人学生として感じたことなどを書いていこうかなと思います。
とは言っても、まだまだこの分野には入門したての一学生なので、
学んだばかりの耳学問も多々あることをお断りしておきます。
私が「へえ、そうなんだー」と思った事を一緒に共有してみたい・・・
そんなつもりでいます。
音楽療法士とミュージシャンの 違い
さて、音楽療法といっても、まだまだ多くの人は、
具体的に「こういうものだ」とはっきりイメージしづらいかもしれません。
そう言う私もつい最近までそうでした。
たとえば、巷でよく聞かれる
「モーツァルトが胎教にいい」とか
「α(アルファ)波が出るCD」とか「ヒーリング・ミュージック」とか
あるいは「病院や施設へ行って慰問演奏」とか・・・
なんとなく音楽療法ってそんな感じのものかな?って
思われている方もいるかもしれません。
確かにそういう「聴く」ことで心に働きかけるアプローチも
あることはあるのですが、もっと中心的に行われているのは、
実際に対象者の方自身に「歌う」とか「演奏する」とか
能動的に音楽と関わっていただく、
それによってよい影響を引き出そうというアプローチが主流のようです。
そういう「対象者の方が音楽する」活動を
方向付け、サポートするのが音楽療法士であって、
自分の曲や演奏を「聴いてもらう」ミュージシャンとは
そこが違うところなのです。
唱歌・懐メロは必修!
音楽療法が行われている代表的な現場は次の3つだそうです。
1.高齢者介護施設
2. 障がい児(者)施設
3.精神病院
そのような施設で、集団で歌を歌ったり、
ちょっとした合奏をしたり、あるいは多少体を動かしたりなどして、
脳や運動機能の活性化を促す・・・
通常、週1回1時間程度のそのような時間を「セッション」といいます。
そのプログラム進行や取り上げる曲を考え、伴奏し、参加者の方と会話し、
全体を司会進行するのが、こういう場での音楽療法士の仕事ということになります。
ですから音楽療法士は、唱歌や童謡から昔の流行歌や懐メロ、
最近流行った愛唱歌まで、
皆が知っているような曲をたくさんレパートリーにしているのです。
ちなみに大学では、そういう曲を歌ったり弾いたりする必修授業があるんですよ。
ハタチぐらいの学生さんが「とんとんとんからりっと隣組 ♪」とか、
「青い山脈」とか「湯の町エレジー」とか・・・一生懸命練習してます。
私もこの手の曲は昔から大好きで、かなり懐メロには詳しいつもりでしたが、
明治・大正の歌になると知らない曲がいっぱい・・・まだまだ甘かったです(^ ^;;
日本では集団的スタイルが主流。でも実はその他もある
このように集団で一斉に行うスタイル、
ある意味レクリエーション的な「楽しみ」という要素も大きい
こういった音楽療法のスタイルが、
現在の日本では一番多く行われているのだそうです。
しかし、それだけが音楽療法ではないんですね。
もっと少人数のグループや、療法士と一対一の個人で行うスタイルなども
欧米では盛んだということです。
次回はそれについて書いてみたいと思います。