毎年私が音楽を作っている劇団ステージドアのミュージカル「人生はいちどきり!」が
無事終演しました。
この劇団の個性は、なんといっても高齢者の皆さん。
60・70はあたりまえ、80・85歳まで、皆が元気にステージを駆け回っています。
その皆さんを、20代〜50代の若手チームが支え、引っぱっているので、
全体がよいバランスでアンサンブルしています。
特に今年は「高齢者の応援歌がテーマ」と演出家が打ち出した通り、
曲の方も、ばあば達が杖を持っていっせいに踊るロックンロールとか、
男性陣が「進め!燃えろ!シニアのみんな!」と歌うマーチとか、
「力の限り生きたら、笑ってさようなら〜」と明るく歌う、生前葬の歌とか・・w
一生懸命、その年代の皆さんの気持ちになって歌詞を考えるのも楽しかったです。
曲については、長年関わってきたがゆえに、
それぞれの方の個性や技術、可能音域や乗れるリズム/難しいリズム、など
だいたいわかっていると言っても過言ではありません。
だから、□□役が○○さん、と台本を見たら、
このくらいの曲で歌えて、このくらいの結果になるだろう、という
完成図を描いてメロディーを作っていくのです。
それによって、結果としてその方と場面が活きれば一番いいわけです。
前回のエントリーでは、「できあがるまでの作業が大変なんだ」と
わりと正直に書いたのですが、そんな事情もあり、
また、今年から大学に通い出したこともあって、
スケジュール的に、これまでのような作業が可能なのかどうか、
来年はどうなるかわからない、という不安がありました。
でも、本番の舞台を見て、
役者の皆さんが一生懸命歌って、芝居と音楽がよい流れで進行し、
お客さんがそれを楽しそうな表情で見て下さる・・・
そんな現実を見てしまうと、おこがましいですが、やっぱり
「これができるのは私しかいないよねえー」という気になってしまいました。
ステージドアの舞台スタッフ、特に主要な照明・音響・舞台装置の
チーフの方々は、それぞれ演劇界の大御所ばかり、
その方達が10〜20年来、この公演を支えて下さっています。
年1度のアマチュアの劇団に、プロの現場とは違う「何か」を感じて
おもしろがって毎年支え続けて下さるその方達の気持ち。
確かに、その「何か」なんですよね。
「何か」っていうのは、うまく言葉にならないですが、
なんというか、皆がピュアに一生懸命になっている時に立ちのぼる
「パワー」というか、それを「元気」いうのかもしれませんが、
思わず、ハートにまっすぐ届いちゃう「何か」。
それが、ここにはあるんですね。
だから私も、そんな長年のスタッフの皆さんの気持ちに習って、
色々大変でも、やっぱり「それ」があるからおつきあいし続けたくなる、
そんな気持ちで
来年もやらせて頂けるのならチャレンジしようと、
思いを新たにしたのでした。