毎年この時期行われる「劇団ステージドア」のミュージカル、
その作曲・編曲・オケ作り・ミックス作業・・という全行程、
2週間後の本番公演を前に、やっと全ての作業が終了しました。
「劇団ステージドア」は、20代から80代まで幅広い年齢で構成される
アマチュア劇団で、毎年台本・音楽とも、役者に合わせて全て書き下ろし。
私は作詞・作曲・編曲の他、コンピュータ&シンセによるオーケストレーション、
そして最終的なミックス作業までやっています。
作詞作曲は台本と五線紙に向かって頭をひねるだけ。
思いついてしまえば実際の作業時間はそれほどかかりません。
「曲ができた」というのはこの段階で、歌詞とメロディーとコード(和音)
が決まって五線紙に書き留めた状態のことを言います(私の場合ね)。
そして、ラフなピアノ伴奏カラオケを作り、
劇団の皆さんにはしばらくの間それで練習しておいてもらいます。
その次に本番用のオーケストラ仕様のカラオケを作る作業。
これが膨大なんですわ!!
通称「打ち込み」といって、
ほんとだったら生のオーケストラやビッグバンドで演奏録音したいところを、
予算がないのでコンピュータで代理して全部自宅の機械で作るわけです。
これ、知ってる方は知ってるんだけど
知らない方は知らないまま、なんとなく
どこかのスタジオでオーケストラ集めて演奏して録音したんだろうと
思っておられたりするので、ちょっと説明しますねー。
今どきの機械は優秀なので、
ピアノはもちろん、弦楽器・管楽器・ドラムやギター等
全ての楽器を、かなり本物に近い音でコンピュータで出すことができます。
それらの楽器の動きやフレーズをアレンジし、全ての演奏データを
コンピュータにプログラミングして録音し、バランスをとってミックスする。
そういう作業を「打ち込み」といいます。これだと、
たとえば本物の演奏者を揃えてスタジオ録音したら数百万円かかるところ
作曲家1人の自宅で数万円程度ででできてしまったりするので、
昨今、よほどの大プロジェクト以外、たいていの音楽は
こういった機械を使って作られていると言っても過言ではありません。
で、私もそうやって毎年作っているわけです。
特に、本件の場合、わりとオーソドックスな「昔ながらのミュージカルらしさ」
が似合う劇団なので、どうしても昔のMGMミュージカル風オーケストラや
ビッグバンド、吹奏楽、などやたらに編成の大きい曲ばかりになってしまいます。
その分、作業も膨大なわけで、もう、
1人黙々、カタカタ、黙々、カタカタ・・・ということを
何時間も何日もやり続けなきゃいけない。
私にとってはこの段階の作業はクリエイティブな行為というよりも
単純こなし作業なので、ハッキリ言ってつらいです。
あー、こんなの演奏者に譜面渡してハイッてやってもらえたら、
10倍早く、10倍かっこよくできるのに・・・とか思っちゃうと、ね。
もちろん、機械の操作をして音楽を作るという行為そのものが楽しいという人も
たくさんいると思います。そういう人が
最新流行の音楽を作る「クリエイター」として活躍していくのでしょう。
でも、私はこの行為自体つらくてしょうがないということが、
最近ますますハッキリしてきました。
私は、やっててつらいことは見切ってやめていく主義なので、
こういう打ち込み作業っていうのも、今後あまりやらなくなるだろうと思っています。
だから、今回のこのミュージカル、
近々ではとりあえず最後の打ち込み仕事だから、
つらいつらいと言いながらがんばった!
そんな汗と涙と念がこもってますよー(うそうそw)
それでもがんばれたのは、団員の皆さんへの「愛」でしょうね。
曲の出来はどれもいいですよ (^ ^)
ハリウッド風、ブロードドェイ風、ビッグバンドジャズ風、ウィーンオペレッタ風、
軍楽隊風、レトロ・ロックンロール風、西海岸バラード風、・・・色々あり、
それに専門の先生の振付けでダンスがついて、さらに楽しくなっています。
これが終わったらしばらくは、勉強に時間を使います。
大学の勉強、そしてそれ以外の勉強。
次の場所へいくために、少しずつシフトです。
ミュージカルの本番は5月14・15日。
アマチュア劇団にもかかわらず、毎回大人気でチケットは完売の勢いですが、
まだ若干ならあるかもしれません。
公式サイトというものがないので、添付のチラシをご覧ください。
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