「がんばれない」ことで得ている無意識のメリット

 Rainbow

ここのところ「がんばる」についての話題が続いています。

第1弾は、がんばり過ぎている人について
「がんばらなくていい」の奥にある深い意味

第2弾は、がんばれない人について、でした。
「がんばれない」にも理由(わけ)がある

今日は、「がんばるシリーズ」(笑)の第3弾です。
もうちょっと複雑なコトを言います。

がんばることを、あえて止めている人について。
つまり
「がんばれない」ことで得ているメリットがあるというケースです。

■無意識レベルの「がんばってはいけない」
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ここ言う「がんばる」とは、第1弾で言った
足りないものを埋めるための「補償のがんばり」ではなく、
純粋な意味で「全力を尽くす」とか「やるだけやる」とか
そういった意味の「がんばる」だと思ってください。

がんばりたいと思っているのに、がんばれない。
やりたいと思ってやっているはずなのに
なぜか、途中でやめてしまう。
やりきらない。

そういうことを繰り返している人もいます。
なぜなんでしょう?
第2弾で書いた「本当にやりたいことじゃないから」の他に
もう一つ違う側面からの視点があります。

表面意識では「がんばりたい!がんばろう!」と思っていても
無意識のエリアに「がんばってはいけない」というストッパーが
潜んでいる可能性があります。

このままがんばったら、マズイことになってしまう・・・と
無意識に感じているから
それ以上がんばるわけにはいかないのです。
つまり「がんばらない」ことの方に利点・メリットがあるのです。
あくまでも無意識で、ですが。

人の意識というのは、よくこういう矛盾を起こします。
表面意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)とは、
思っていることが全く違ったりするのです。
そして、最終的には無意識(潜在意識)が思っていることが勝ちます。
そっちの方に本来のパワーがあるからです。

だからこの場合、いくら頭で「がんばろう!」と思っていても
結局、無意識の声「がんばってはいけない。」という方に従って
身体は動いていくのです。

■なぜ「がんばってはいけない」のか
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無意識のエリアに潜む「がんばってはいけない。」
なぜいけないのでしょうか。

がんばったら、マズイことになるからです。

マズイこととは何か。
考えられることとして、一つは

・失敗する

というのがあります。
がんばるということは、実際にやるということを意味し、
やるということは、前に進むことを意味し、
結果が出るということを意味します。

実際にやって、前に進んだら、
失敗という結果をみる可能性だってないわけではありません。
というより、最初から100%うまくいくことはありえないですから、
そこはある程度覚悟しなければなりません。

しかし、失敗することを極度に恐れ、
絶対に失敗してはならない!と思っていればいるほど、
失敗したり、うまくいかなかったりすることは
絶対にあってはならないということになります。

だとすれば、失敗しないための最大の方策は
やらないこと。
そこまでがんばらないこと。

がんばらなければ、
そこまでやらずにすむし、進まずにすむし、
ハッキリと結果をださなくてすみます。
うまくいかなくても
「だって、そこまでがんばってないんだから、しょうがないよね。」
と言い訳がたつということになります。

「こんなにがんばったのに、うまくいかなかった。」
では、ショックが大きすぎるからです。
自分がそんなショックに耐えられるような強い人間だと
自分で思っていないからです。

この人の中では「うまくいかないこと・失敗すること」は、
それほどまでに、ある意味「死を意味する」ほどに恐ろしく、
そしてあり得ないことだということになっているのです。

つまり
「がんばれない」ことには、密かなメリットがある、ということです。

実際にやらなくてすむ。前に進まなくてすむ。
嫌な結果を見なくてすむ。失敗しなくてすむ。
失敗のショックを味わわなくてすむ。

失敗したことによって「自分はダメ人間だ」と感じなくてすむ。

だから、「がんばれない」方が都合がいいのです。

全部、無意識の中で起こっていることですけれども。

こういうケースの場合、
・「失敗」に対する定義づけを見直し、書き換えてくこと

・「自分は失敗に対処できない」という「無力ビリーフ」、そして「自分は本当はダメ人間だ」といった「欠陥ビリーフ」に取り組んでみること

・自分の行動原理と重心を「失敗するか、しないか」よりも「本当にやりたいか、やりたくないか」という軸に変えていくこと。

が有効ではないかと思われます。

■まとめ
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さて、実はその他にも「がんばれない」ことの無意識のメリットとして考えられることがあるのですが・・・とりあえず、今回はこのくらいにしておきます。

ということで、「がんばるシリーズ」まとめ。

「なぜかがんばれない理由」は、本当に人それぞれ、さまざま。

「シャカリキにがんばってしまう理由」も人それぞれ、さまざま。

そして「がんばる必要が、本当にあるのかないのか」についても
人それぞれ、さまざまです。

よく「アクセルを踏みながらブレーキをかける」という喩えを聞きますが、
まさに、顕在意識と潜在意識とはそういう食い違いを起こします。
だからこそ、本来のパワーを十分に発揮するためには、
そこを一致させていくことがたいへん重要になるのだと思います。

今回3回を通して、
「がんばる」「がんばれない」について、いろいろ考えてみました。

もちろん、無理ながんばりや辛いがんばりはしなくていいものだと思います。
でも、
本当に全力を尽くしたい、最善をやりきりたい!

そういう人間本来の欲求を生きたいと願うとき、
「がんばりたいときにがんばれる力」はすばらしいものだと思います。

顕在意識と、潜在意識を一致させて、

がんばりたいときにはがんばる。

休みたいときには休む。

そんなあたりまえのことが、気持ちよく、自然にできたらいいですね。


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸術大学作曲科卒業後、アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がけ約20年活動。
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセラーへ転身。
非合理な思い込みを外して本来の力を解放するオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、人生の転機に直面した人を新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。
カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
現在はカウンセラー養成の枠を超えて「リーダーズ講座」として長期講座を開催。経営者やリーダー層からの信頼を得て、企業研修にも発展。企業向けオンライン講座「Udemyビジネス」で「はじめての傾聴」動画講座が登録者1万8千名を超えるベストセラーとなっている。

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