自己否定のコアビリーフとは、たいへん否定的な自己イメージ・自分像・自己規定のことです。
前回の記事
自己否定ビリーフの王様はこれ!
発動する被害者感覚
さて、自己否定のビリーフ、2番めは
「被害ビリーフ」
自分はひどいめにあわされる、という感覚です。
被害者感覚といってもよいでしょう。
これが入っていると、基本的に警戒心が強く、簡単に人を信用したり心を開いたりしません。
そして、怒りを溜め込んでいるため、いつもなんとなくイライラ、ピリピリしていたり、ちょっとしたことで人に対して攻撃的になったりしてしまいます。
「被害者」というと、何かいじめられて泣いている「弱い人」のような印象があるかもしれませんが、大人の場合、見かけは逆で「強くて怖い人」のように見えることが多いのです。
たとえば、通りすがりの人が自分に視線を投げたからと言って
「ガンつけやがった!何か文句あんのかコノヤロー!」
みたいな反応をする人は、一見タフですが、実は
「文句を言われる、バカにされる、なめられる、責められる、攻撃される」
といった恐れ(予測)が元々あるからこそ、なにげない人の視線を「自分への攻撃サイン」だと受け取ってそのような反応をするわけです。
その根底には、幼少期に、いじめられたり、虐待されたり、何らかの被害を被らなければならなかった辛い過去が関係しています。
無力な幼い子どもが、理不尽な大人や状況に巻き込まれて、傷ついてしまったゆえに心に刻んだビリーフだといえるのです。
被害と不信はセット
被害ビリーフの中には、大きく2つの系統があって
1.他人は自分をひどいめに合わせる
つまり被害者感覚。
ひどいめに合う、とは具体的には
傷つけられる、裏切られる、なめられる、
足元をすくわれる、妬まれる、いじめられる、
村八分にされる、中傷される、
束縛される、支配される
などであり
つまりこれは、自分を「〜される、られる」という被害者の立場に置いてしまうビリーフであるといえます。
多くの場合、
〇〇したら〜△△される
という構造で入っていることが多いです。
たとえば
・人に心を開いたら、傷つけられる
・信用したら、裏切られる
・人に弱みを見せたら、つけこまれる
など
だから、このビリーフが入っている人達は、簡単には心を開いたりせず、弱みを見せないようにタフにふるまっていたりするわけです。
そのような理由で、
2.他人は信じられない
という不信の思いにもつながってきます。
・人なんて信用できない
・ 人を信じてもろくなことはない
・人間の本質は悪だ
・ 人は本音なんか言わない
・ 人は腹の中じゃ何考えているかわからない
などと信じています。
いわゆる「性悪説」的人間観であると言えます。
ビリーフの根っこは「傷ついた子ども」
「不信ビリーフ」に限らず、あらゆる自己否定ビリーフは、やっかいなものではありますが、
その根っこには「無力ゆえに傷ついてしまった子どもの自分」がいます。
子どもだったから仕方なかったのです。
そんな自分を、嫌がることなく、責めることなく、
「そうだったんだね、たいへんだったもんね。」って、自分自身が受け止めてあげましょう。
そして、今はもう、無力ではなく、知力・体力・行動力もちゃんと持った大人の自分になったのだから、
世界観、人間観、自分観について、もう一度問い直して、探求していくこともできるのです。
ビリーフとは「呪い」のようなものでもあります。
呪いが解けたら、世界は全く違って見えるのです。
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