今日はカウンセリングの「方向性」と「ゴール」のお話です。
カウンセリングやセラピーといった心に関する相談援助は
「どういう方を対象に、何をゴールにするか」
ということに、微妙な違いがあります。
ざっくりいうと
1.精神病レベル:
統合失調症や双極性障害など
統合失調症や双極性障害など
2.人格障害レベル:
各種人格(パーソナリティ)障害といわれるもの
各種人格(パーソナリティ)障害といわれるもの
3.神経症レベル:
うつ病、心身症、摂食障害など
うつ病、心身症、摂食障害など
4.健常レベル:
日常生活に問題がないレベル
日常生活に問題がないレベル
といった分類があります。
そして、主に3・4のあたりが、一般的なカウンセラーが関わる領域です。
そしてさらに、その中でも
カウンセラーによって対象とする方たちが微妙に変わってきます。
3(神経症レベル)のあたりの相談者さんに主に関わる方は、ゴールはやはり「回復」であったり、
休職している方などは「職場復帰」だったりするでしょう。
病的な状況がよくなって普通の生活ができるようになることが、当面の目標となりますね。
そのようなカウンセラー活動をしていらっしゃる方も、たくさんいます。
そして4(健常レベル)。
「健常なら問題ないじゃないの?」
というのは大きな間違いで、健常であっても人間生きていればさまざまな悩みやテーマが現れるものです。
心の領域の探求とは、何も病気かどうかとか、そういうことだけではありません。
私はまさに4(健常レベル)の領域を扱う者なので、
その4の中でもさらにテーマ毎にこんな段階の分類ができるのでは、と考えています。
A:早期トラウマ癒しのステージ
幼少期から生きづらく、今もなお生きているのがしんどい段階
幼少期から生きづらく、今もなお生きているのがしんどい段階
B:精神的自立のステージ
ある程度普通に問題なく育ってきたけれど、大人になるにつれて窮屈さや「なんか違う」という感じでしんどくなってきた段階
C:ミッション実現のステージ
ある程度自分で道を切り開いてきたけれど、限界感を感じてきたのでもっと次へ飛躍したいという段階
私のところにいらっしゃるのは、特に上記の2か3のあたりの方が多いです。
そうなるとゴールは「回復する」ではないことはわかりますね?
そして「しんどいのが楽になった、よかったね」だけで終わるのも、またもったいないことだと私は思っています。
もちろん、セッションをしていけば今までの制約が外れてまずは楽にはなります。
そうしたら
「で、じゃあ何したいの?これからどう生きるの?」
というところが次にはやってきますし
生き方や考え方がおのずと変わり、人生は変わっていくでしょう。
それをもっと広げれば、
「この私がどう世界(世の中・人)に貢献していくの?」
というところまで視点は広がっていきます。
それが「ミッション」や「自己実現」というものだと思いますし、私はそういうところまで見据えたいのです。
ですから、カウンセリングといっても
ゴールを「回復」や「楽になる」に置くものから
「人生を変える」「飛躍」「自己実現」を目指すものまで
その幅は色々あるのです。
これからカウンセラーやセラピスト等の援助職を目指したい方は、自分がどんな方に関わり、どこをゴールにしたいのか、考えてみることはとても有意義だと思います。
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