究極の煩悩は「自分で自分がわからない」こと・ビリーフリセット理論で煩悩を考える3

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わからなければ対処しようがない

貪るのはいけない!貪るのはやめよう!
と思っても

怒るのはいけない!怒るのはやめよう!
と思っても

煩悩をどんなに
断とう!捨てよう!なくそう!としても

 

また出ちゃった、またやっちゃった、
我慢しきれなかった・・・

またか、またか、の繰り返し。

 

やっぱりダメ、やっぱりムリ、
やっぱり自分は・・・

失望と自己嫌悪と諦めの繰り返し。

 

どうしてそうなるのかというと、

感情として現れてくる煩悩は、その奥の無意識領域に「製造元」があるからです。

 

これまでの記事

 

 

 

 

 

私たちの無意識(別名・潜在意識:自分でわからない意識の領域)には、

欠乏感などの漠然とした前提となっている感覚や、数々のビリーフ(信じ込んだ考え)、

過去の痛い感情などの諸々がテンコ盛りになっています。

 

と言われても

「ん??そうかな?よくわからないな?」

と思われたとしたら

まさにそれこそが「無意識」ということです。

 

はっきりあるとは思えない。
あるとかないとか、わからない。

無意識ってそういうかんじ。

 

その無意識領域にあるアレやコレやが、煩悩という苦しみを生み出しているのですが、

いかんせん自分でわからない領域にあるので、わからないんです。

わかってれば苦労はしません。
対処もできます。

でもわからないから
わけもわからずずっと苦しむ。
対処のしようがない。

やっかいですね。

 

これ!

この 無意識下にあって自覚できず、
わからない 
ということ。

もう少し簡単にいうと

自分で自分のことがわからないこと。

 

これがすべての苦しみの根本です。

これが仏教でいう「無明(むみょう)
っていうやつなんじゃない!?

・・・と、ひらめいた時には、わたしちょっとゾクッときましたよね。

痴(ち):わからないのが最大にやっかいだ

三毒の3番目である「痴(ち)」は、

別名「愚痴(ぐち)」ともいわれ、また「無明(むみょう)」のことだともいわれます。

 

愚痴といっても、いわゆる「飲み屋で会社の愚痴を言う」とかの愚痴とは違うんですよ~。

「愚かでものがわからない」という意味です。

 

一般的には、
三毒の3番目の痴(ち)とは、

おろかさ、
物事の道理・真理をわかっていないこと

などといわれているようですが、

私はそれだとなんかよくわからないなー、と感じていました。

「おろかさ」ってどゆこと?? みたいな。

 

でも、この

無意識下にあって自覚できず、
わからない

ひらたくいえば

自分で自分のことがわからない

 

そういう「わからなさ」のことを

痴 = 愚痴 = 無明

というんだ、ということであれば「ああ〜!」と腑に落ちます。

 

一説には、三毒(貪・とん、瞋・じん、痴・ち)の中でも、この「痴」こそが、一番の煩悩の元にあるものだといわれているようです。

つまり、いちばんの親玉!ということであり、煩悩のラスボス!みたいなもんでしょうかね。

 

なるほど、その通りだと思います。

三毒の1つめ2つめである貪りも怒りも、「無意識下のわからないシステム」が回って生み出される煩悩です。

すべての煩悩と苦しみの繰り返しは、「無意識下にあって自覚できず、わからない」ところから生じているのですから。

わからないかぎり一生苦しむんです。

残念ながら、これはほんとにどうにもならないですね。

いっぺん絶望するしかないくらいどうにもならないと、私は感じます。

無明を超えるためには「気づく」こと

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無意識(潜在意識)領域という暗さ・冥(くら)さ・明かりの無さ。

それはつまり

自分という人間、存在そのものの「わからなさ」であり、心の暗黒領域だといえるでしょう。

 

それほど私たちは、自分のことがわからないということです。

 

だからこそ、この無明を超えるための修行というのは、まず徹底的に「気づく」ということにあるのです。

 

気づかない、自覚できない、わからない、自分の心と身体と行動あらゆるものに、気づきを向ける、自覚していく、わかっていく。

無意識という暗黒の領域に、少しずつ光を当てて、日の目を当てて。

「おお、これかー!こんなのがあったのかー!こうなっていたのかー!」と気づいていくこと。

 

微々たる歩みかもしれませんが、それは一つ一つ自分の中の暗黒を減らしていく歩みです。

 

その暗黒が減るたびに、確実に意識の上では軽く、楽になり、苦しみは減っていきます。

 

暗黒領域にある荷物に光が当たっていったなら、おのずと「煩悩の嵐」のようなものも静まっていきます。

「断とう!やめよう!」と力まなくても、やる必要性がないからやらなくなるということです。

かわりに、穏やかさや、ゆとりや、喜びや、幸せを実感するようになるでしょう。

 

そしておそらく。

ここから先は私が自分で経験したわけではないので、実感レベルではないのですが

 

最終的には、「私」というものはなかった! という気づきに至るのではないでしょうか。

いわゆる、梵我一如(ぼんがいちにょ)とかノンデュアリティとかいわれるところ。

 

究極的には、そのことをわからずに「私」や「他人」や「世界」なんてものがあると思っている、というそのことが「無明」というものの本質なのかもしれません。

まとめ

・煩悩をどんなに「断とう!捨てよう!なくそう!」としてもなくなるものではない。

・煩悩の奥には「無意識領域の暗黒」があり、悩み苦しみはここから生じている。

つまり「自分で自分のことがわからないこと」。これが煩悩のいちばん根っこである「痴」すなわち無明(むみょう)というもの。

・苦しみを脱して楽になるためには、この無意識の暗黒に光を当てて、気づいていくこと。

 

まさにこの「無意識領域の暗黒」にご一緒に踏み込み、光を当てて「これかー!」とやるのが、ビリーフリセットというメソッドなのです。

いわば無明へのチャレンジであり、「無明の切り崩し」とでもいいましょうか。

 

だからビリーフリセットは「悩み・苦しみ、もつれ・葛藤消滅の根本アプローチ」であり、「自分という人間を動かすシステムの解き明かし」なのです。

 

結局、私がやってるのってそれなんだなーと、書いていてあらためて思いました。

 

というわけで、3回にわたって、なぜか高野山を歩いていたらインスピレーションが降りてきた「煩悩と心の三毒」について。私流の解釈で考えてみました。

シリーズはこれで終わりにします。

長々とお読みいただき、ありがとうございます。

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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