私は数年前に、音楽療法の資格をとるため大学に社会人編入して
2年間学生をやっていました。
大学に行きながら、もっと本格的な心理療法を学びたくて
別途、民間のセラピスト養成講座を受講していました。
その先生というのが
この道20年のベテラン・セラピスト岡部明美さんです。
明美さんは、皆が「先生」と呼ぶことをあえて許さず
「あけみちゃん」と呼ぶようにと徹底しているので、
みんな「あけみちゃん」と呼んでいます。
フラットな感覚を大事にされているがゆえです。
私がなぜ、あけみちゃんに師事したいと思ったのか。
そのことと、私の現在の仕事のスタイルがどう関係しているか・・・
今日はそんなことを書いてみたくなりました。
私があけみちゃんのセラピーに響いた大きなポイントは、
一つには、健康で元気に成果を出してがんばっている方々の
人生の転機をサポートする
という方向性。それから
流派なし、なんでもあり
のスタイルだといえます。
この2点が、私の志向にドンピシャはまりました。
人生の転機をサポートする
カウンセラーやセラピストなどの心理援助職は、
「どんな方たちを対象とするか」ということがわりと重要になってきます。
精神疾患〜神経症〜心身症レベルで治療的な介入を必要とする方々もいますし、
とりあえず健康だけれど、トラウマや生きづらさを抱えて苦しんでいる方もいます。
休職するくらい具合の悪い方もいれば、
反対に、バリバリ働いて成果も出し
一見何の問題もないように見える方もいます。
どの領域の方々をサポートしたいかという援助者自身の志向によって、
いらっしゃるクライアントさんも変わってきます。
私の師であるあけみちゃんはどの領域かというと、
さきほどの例でいうならば
「バリバリ働いて成果も出し、一見何の問題もないように見える方たち」だといえます。
それなりのキャリアを築いてきたビジネスパーソンや経営者など、
これまでの人生、がんばって成し遂げてきたような方達は、
他人からみると、それこそ「何の問題もない」と見えます。
セラピーやカウンセリングにはいちばん縁遠いと思われるかもしれません。
しかし実は内心、自己肯定感の低さに悩んでいたり、
自分の人生、本当には納得できていない感じを
持っていたりすることは多くあります。
仕事はよくても家庭の問題を密かに抱えたりしていることも少なくありません。
上司や部下との人間関係で苦しんでいる方も多いでしょう。
もっと飛躍したいのになぜかできない、
自身の心の壁にぶちあたることもあります。
これまでがんばってやってきたことが限界にきて、
一旦リセットを迫られるような転機が訪れることもあります。
そのような人生の大きな転機を前にした時、
自分一人で「やり方・方法」を考えるだけではどうにもならず、
「自分自身の心とこれまでの人生に正面から向き合うしかない!」
と腹を括った方達が、あけみちゃんのところへ押し寄せているのです。
あけみちゃんは、そのような方達に関わり、
その方の「これまでの自分」の奥から芽生え始めた「これからの自分」の声を
ちゃんと聞けるようにガイドしていきます。
心の奥に刺さっていた「トゲ」を抜き
流れを妨げていた「石」をどかします。
「これまで」の自分を卒業して、
人生の次のステージへとジャンプしていく決意を引き出していきます。
そのような方たちの
「人生の転機をサポートし、いのちの輝きをもっと引き出す」
という方向性。
これこそが、あけみちゃんのやっている仕事です。
あけみちゃんはかつて、
バリバリのキャリアウーマンとしてワーカホリックのごとく働き、
その末に大病で生死をさまようことになって
人生を大転換されたというご自身の道のりがあります。
いわゆる「やってきた人、がんばってきた人」の抱える闇を、
誰よりもわかっている方だと私は思います。
そして私もまさに、そういう一人でした。
私は、あけみちゃんと最初に出会った時
音楽家として燃え尽きてどん底にいました。
もうこれまでのようには音楽をやれない、やりたくない・・・
でもその先がわからない・・・そういう壁の前にいました。
この時期にあけみちゃんのサポートを受けたことで、
比較的スムースにその急所を乗り切り、
次のステージへと移行していけたのだと感じています。
だからこそ、私は思います。
こういう仕事をする人は、本当に必要なのです。
にもかかわらず、意外とその受け皿はまだまだ少なく
そういう時にサポートをしてくれる人の存在も
まだまだ知られていません。
こういう転機にある人に必要なのは、精神科でも宗教でもないでしょう。
自己啓発もちょっと違うかもしれません。
転換期のプロセスを知り、その道のりをガイドできるような存在。
「これまで」の整理をつけ、「これから」のヴィジョンをみつけていく
「棚卸し〜リセット〜新ヴィジョン探求」を一緒に手伝ってくれるような存在。
そんな人がいてくれたらいいですよね。
こういう人がいてくれたら、たった一人で背負うしんどさも軽減し、
いつまでも悩みの渦の中でグルグル回り続けて消耗する期間も短縮できるでしょう。
新しい決意に飛び込む際に、背中を押してくれるかもしれません。
だからこそ、私も同じように、
このようながんばってきた人・成果を出してきた人の
人生の転機のお手伝いをしたいと、自然に願うようになりました。
自分自身の道のりから言っても、これは必然だと感じています。