「やりたいことをやる」のはそんなに悪なのか


■「好きなことだけして」にザワザワする?
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先日、夫の立花岳志の新刊が出ました。

参考記事:
「サラリーマンだけが知らない 好きなことだけして食っていく29の方法」発売されました。

 

このタイトルって、ちょっと刺激的だと思うんです。

「好きなことだけして」だって?
もちろん「おっ、いいねいいね!ワクワク!」ていう人も
いるかもしれないけれど、

もしかして、人によっては

「えっ!?」とか「ムムッ!」とか
「おいおい(苦笑)」とか
「え〜、むりでしょう。。。」とか
「ハハ・・・ワガママな。」とか

あるいは、なんとなく好きになれないかんじや、
ザワザワするかんじを覚える方もいるかもしれないですね。

今日は、このタイトルをヒントにした考察です。
「好きなことだけして食っていく」を、
もうちょっと考察しやすい普遍的な言葉に変えて
ここでは
「やりたいことをやる」にして考えてみたいと思います。

■「やりたいことをやる」はハードルが高い
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個人セッションでクライアントさんのお話を聞いていると、
「やりたいことをやりたい。でもできない。」という
葛藤をお持ちの方はかなり多いです。
それで
「やりたいことがあるのに、なぜできないのだろう。
 何が心の中でストップさせているんだろう」
という疑問と探求心を持って、
セッションにいらしてくださるのですね。

「やりたいことをやる」ということは、多くの方にとって
ものすごくハードルの高いことなのだということが、
実例からよくわかってきました。

■「やりたいこと」ができない理由
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やりたいことをやる。

この言葉を聞いた時に、胸の奥に動くものはなんですか?

なんともいえないザワつきを感じるとしたら、
それは一体何を意味しているのでしょう?

ここに、一つの「ビリーフ」考察の手がかりがあります。

ビリーフとは、私たちの無意識レベルに刻まれた
「思い込み・信念」であり、
私たちを無意識に動かす思考のプログラムのことです。
参考記事:
・自己肯定感は「上げる」もの?
自己否定ビリーフの王様はこれ!
・欠陥・恥ビリーフと日本人

心の奥にザワザワと動くものを、少し静かに観察すると
こんな感じはないでしょうか。

・やりたいことをやるなんて、非現実的だ。
・やりたいことをやるなんて、ムリだ。
・やりたいことをやるのは、わがままだ。
・やりたいことをやるのは、子供っぽいことだ。
・やりたいことをやるなんて、甘えだ。
・やりたいことをやるのは、悪いことだ。

もし、ピンときたり納得したりするものがあったら、
「やりたいことをやる」ということに関して、
こういう定義づけ・意味づけを、無意識にしているということです。

さらに、そのような定義づけの上には

・やりたいことをやったら、めちゃくちゃになる。
・やりたいことをやったら、和がこわれる。
・やりたいことをやったら、嫌われる
・やりたいことをやったら、外される。
・やりたいことをやったら、叩かれる。
・やりたいことをやったら、罰せられる。
・やりたいことをやったら、生きていけない。

こういった「恐れ」が、もれなくついているはずです。
どうでしょう、そんなかんじはありませんか?
今これを見て、ザワザワしませんでしたか?

思い当たるとしたら、
「やりたいことをやる」ということは、あなたにとって
めちゃくちゃになって、和がこわれて、嫌われて、叩かれて、
罰を受けるようなことになってしまうような
最悪に危険なことなのだ、ということなのです。

そんなことになったら生きていけない!と思うから
それは絶対に避けなければいけない。だから
「やりたいことをやる」なんてことは、
絶対にするわけにいかないのです。

そりゃあ、恐ろしくてできませんよね。
だから「やりたいこと」はできないのです。

そして、もはや「やりたい」なんて思う前に
当然「無理。」と思い込んでいます。
望むことさえ禁止しています。

「やりたいことをやりたい」と言いながら、それができないのは
意識の奥深くで「やりたいことをやったらいけない!」
「そんなことさえ、思ってはいけない!」
という強力な禁止令が働いているからだと考えます。

■なぜそんなに「やりたいことをやる」は悪なのか
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なんだってこんなに
私たちは「やりたいことをやる」ということを、
ここまで悪くて恐ろしいものであるかのように思ってしまったのだろう?

色々な理由がありますが、簡単に言えば
親・先生・大人・社会 による「刷り込み」。

原初は、幼い子供時代。
泣いたり、わめいたり、騒いだり、ふざけたり、ハメ外したり・・・
といった「やりたいことをやりたいようにやってしまう」時代があります。
親は「そんなことしちゃダメ!!」と怒ったり、罰したりします。
それは、当然しつけとして必要な面もあるので、
それ自体が悪いわけでも何でもないのですが、小さい子供は
「やりたいことをやったら怒られた」という経験として
「プチ・ショック」を受けながら学んで
「やりたいことをやること」への自制心を育てていくのです。

さらに、学校教育。
特に日本では、子供に対して「やりたいことをやる」ことを押さえつけて、
管理する教育が行き届いています。
細かい校則で縛って生徒を従わせること=良い人間を育てることだ
というような風土があります。

「やりたいことをやる」なんてことを言ってたらダメ人間になる。

そんな漠然とした恐れをみんなが持っています。
こうして
「やりたいことをやること」への罪悪感が植えつけられていきます。

歴史的に遡れば、農耕民族として村や集落で暮らして
一生を終えなければいけない時代。
自分の意志を主張したら、村全体の和を乱すことになり、
そうなったら村の人から嫌われ、外され、村八分になります。
土地に縛られ、移動の自由や職業選択の自由もない時代ですから、
村から外されたら、本当に生きていけなくなる。死活問題です。
だから、「やりたいことをやる」なんてことは、
死を意味するほど恐ろしいこと、あってはならないこととして、
私たちの深層意識に刻まれていったのかもしれません。

■そういう結びつけ方って、ほんとなの?
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「やりたいことをやること」と「ダメ人間になること」
が結びついている。
「やりたくないことを我慢すること」と「和を保って仲良くすること」
が結びついている。
「主張したり、欲求したりすること」と「和が乱れること」
が結びついている。
もっといえば、それがどこかで最終的に
「外される」「罰を受ける」ことに結びついている。

当たり前にそれを結びつけて考えていたけど、
本当に本当に、それってイコールなんでしょうか?
知力も行動力もコミュニケーション力もある、
立派な大人になった現在でも?
こんなに選択肢が広がった今という時代でも?
それ以外のやり方、選択肢って本当にないのでしょうか?

それは一つの「思考」です。
さしあたって、そういう「考え」が採用されているだけです。
そういう結びつけ方をしなくたって、
本来もっと可能性はたくさんあるはずのものです。

でも、あまりにも長い間、
みんなそれが事実であるかのように、結びつけて思い込んでいます。
みんなが、よかれと思って
「やりたいことをやったらダメだ」と刷り込んできます。
「そうでないと、ああなっちゃうよ!」と脅してきます。

そして、素直な子供は
「わかった。やりたいことをやったらダメなんだ。」と
刷り込まれて、その「考え」に従って生きるのです。

そして、周りの顔色を恐れて我慢ばっかり。
自分のことはあきらめてばっかり。

そんな人生を送って終わるのです。

はぁ〜〜  ┌┤´д`├┐

■「考え」に従っているだけのこと
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ちょっと!それって悔しくないですか!?

そんなもの刷り込まれて。
恐れと罪悪感をプログラミングされて。
そんな考えにコントロールされて。

それって、自分自身のものじゃないんですよ?
入っちゃってるだけ。思い込まされてるだけ。

なぜそれが単なる「考え」だ、といえるのか。
あなたはこれまで実際に、
やりたいことをやって、ダメ人間になって、
生きていけなくなった経験がありますか?
自分の経験から「ホントにそうなったからやめた方がいい」って
学んだからいってるんでしょうか?

たぶん、違う、よね?
誰かに言われて「そうなんだな」って思ってるだけですよね。
そして、その誰かだって
ほんとにやったことがあってそう言ってるんでしょうか。
おそらく、ほんとにやってみてダメ人間になった人は少ないと思います。
ダメ人間になったことがない人が、まことしやかに語っている
古くからの「言い伝え」ですよね。

ていうか、ダメ人間てなに?(笑)
そこにもたくさんの定義と思い込みがありますね。

すべて、そう思いこんでいるだけのこと。
そういう「考え」に従っているだけのことです。

「会社をやめて独立する」と言い出した人に対して、
「バカなこと言うな。会社をやめたら食っていけないぞ。」と言うのは、
会社をやめたことがない人だったりします。

「音楽でプロになりたい」と言い出した人に対して
「バカなこと言うな。音楽じゃ食っていけないぞ。」と言うのは
音楽で食ったことがない人だったりします。

会社をやめて、ちゃんと独立できている人や
音楽でちゃんと食っている人は
「おお、がんばって!
 ただし、これぐらいのレベルのことはやっておく必要があるよ。」
と、現実的なアドバイスを含めつつ、応援してくれるでしょう。

やったことがないことを恐れる心、というのは、
人間誰もが持っているものであり、あたりまえのことです。
だからこそ、あえてそこを突破する勇気は尊く輝くのでしょう。

■自由になりたかったら「考え」を問い直そう
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もう土地とか狭いコミュニティに縛られて、埋め込まれて
一生を終わるだけの時代ではないですね。
行こうと思えばどこへだって行ける時代。
つきあう人達だって、どんどん広げていける時代です。

やる気さえあれば、なんだってできる。
自分の軸さえしっかりしていれば、
たとえ、今いる場所の今いる人達に、一瞬悪く思われたって
他の場所で応援してくれる人がちゃんと現れます。
結果を出して、時が流れれば
人の目なんてコロッと変わったりするものです。

もちろん、世の中全員がそういう生き方をするべきだとは言いません。
そんなチャレンジをせずに、目立たず飛び出さず、黙々と
一生を全うする選択だってあってもいいでしょう。
我慢こそが人生だ、という定義が好きなら、それもいいでしょう。

でも、もし
「やりたいことをやりたい」「もっと自由に生きたい」
という内なる炎を、無視できなくなってしまったあなたならば。

本当にその生き方を望むのならば。

取り組むべきポイントは、
今まで自分が従っていた「考え」を問い直すことだと、私は思うのです。
この「考え」のことをビリーフといいます。

「やりたいことをやる」ということに
ザワザワしたものを感じるならば、
その奥には、無力感、罪悪感、排除される恐れ、などの
考え(ビリーフ)が潜んでいる可能性があります。

やりたいのにやらせなくしてるのは、
あの人でも、この人でも、会社でも、家族でも、
状況でも、世の中でもなく

自分の考え。
考えに対する恐れ。

Breaking The Wall

その考えがなかったら、
どんな世界が現れるでしょうか。
目の前にあると思っている、その考えの「壁」にアタックしてみましょう。
その考えの壁が崩れ去ったなら、
まったく別の景色が見える可能性があります。

まずは、「やりたいことをやる」ということに対して
ご自分がどのようにとらえ、イメージし、
あるいは、どのくらい悪く思い、恐ろしく思っていたか。

今一度検討してみることをおすすめします。


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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