欠陥ビリーフと日本人

調査でも明らかになった、日本人の自己肯定感の低さ

2012年発表の文部科学省の調査によると、日本の高校生は、米国や中国、韓国と比べ自己肯定感が低く、社会への影響力が低いと感じていることが明らかになったそうです。

自分自身をどう思うかについて、
「私は価値のある人間だと思う」と回答したのは、
米国89.1%
中国87.7%
韓国75.1%
日本36.1%

「自分が優秀だと思う」と回答したのは、
米国87.5%
中国67.0%
韓国46.8%
日本15.4%

そのほかの自己評価に関しても米国や中国、韓国の高校生と比べるとすべての項目について低く評価しているとのことです。

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いかに日本人が、低い自己肯定感を当たり前にしていることかと思います。

前回の記事でも書いたように、自己肯定感が低いということは、自己否定が強いということです。

そして自己否定とは、潜在意識に入り込んでしまった自己否定のビリーフ(信じ込み)によって引き起こされている、とビリーフリセット®︎では考えます。

つまり日本人の意識には、これほど広く深く、自己否定のビリーフ、特に「欠陥ビリーフ」が入り込んでいるのだと見ることができるのです。

欠陥ビリーフと日本人

「本当の自分はダメな人間だ」といった、深いレベルで自分を否定している感覚・思い込みを、ビリーフリセット®︎では「欠陥ビリーフ」といっています。

参考記事
自己肯定感は「上げる」ものなのか?

「欠陥ビリーフ」は自己否定ビリーフの王様

「欠陥ビリーフ」というのは、誰の中にもある最も普遍的なビリーフであり、特に日本人に強く入り込んでいるビリーフだといわれています。

日本人は、恥の文化(ルース・ベネディクトによる)とも言われるように、常に世間の目、他人の目によって自分の行動を決めるという精神性を脈々と受け継いでいるようです。

その結果、確固たる自分の軸がなく、いつも人の目を気にして、恥の感覚に捕われていく傾向があります。

菊と刀 (講談社学術文庫)
ルース・ベネディクト
講談社

また「謙譲の美徳」とも言われるように、日本人はどちらかというと、自信ありげにふるまう態度よりも、「私なんか」と謙遜する態度の方に好感を持つところがあります。

自分自身や自分の家族について、良いところを語るよりも、いかに大したことがなく、ダメでつまらないものであるかを語ることに慣れています。

本当に心からそう思っているかどうかは別として、そのような謙遜の態度をとっている方が、人から受け入れられやすく好かれやすいというところもあります。

自信ありげに目立つ人は、ともすれば「傲慢だ」と叩かれる。

謙遜して控えめにしている人は「いい人だ」と評価されたりする。

そんなことを、長い文化的歴史的背景の中で皆が無意識に了解しています。

自分を低くし、謙遜することによって人から受け入れられる。

つまりそれは、集団の中での安全と安心を意味し、究極、生存にとって有利であることを意味します。

だから、安全と生き残りの手段として、自分を低くするということが必要だ、と皆が思い込むようになっていくのです。

あるいは、子育てや学校教育においても、親や先生が、子どもの良いところやユニークなところをほめて喜んであげることよりも、怖い顔でダメなところを指摘して直させるということが多く行われていれば、子どもの自己肯定感はどんどん下がっていきます。

自己否定や無力感を植えつけて罰と恐怖で管理した方が、集団の統率がしやすいという、管理する側の事情もあるでしょう。

また、何かができたりちゃんとしたり、「いい子」にすれば受け入れてもらえる・・・といった条件付きの愛しか経験していない場合、ちゃんとできなかったり、いい子ではいられない自分自身を「ダメな自分」として無意識下で排除するようになり、自己否定を形成することになります。

その他にも、人が生育する過程で経験するさまざまなできごとや条件によって「自分はダメなんだ」という思い込みは容易に作られていきます。

みんなの中にある欠陥ビリーフ

このように、文化的背景、歴史的背景、地域性、家系からの流れ、家族関係、生育環境、個人的に経験するさまざまなできごとから、欠陥ビリーフは形成されます。

ということは、それは人間として生きるなら多かれ少なかれ誰もが持つものであり、集合的無意識レベルに脈々とうごめくものであり、あなた一人、私一人の問題ではないのです。

だから、大丈夫!
ちょっと安心できますね(^ ^)
だってみんなそうなんだもん。
自覚している、していないは別として。
それで困っている、いないも別として。

「私だけが、とんでもない欠陥がある。
こんな恥を抱えているのは私だけだ。
こんなにダメな自分を見せたら嫌われてしまう。
自己肯定感低い自分てまだまだダメだあ〜・・・」

って
そこらへんにいるみんなが・・・少なくともあなたの周囲にいる10万人くらいは(笑)思っていると思ったら、ちょっと可笑しくありませんか。
そして、ちょっと愛おしいですね。

大切なことは、ビリーフというのは、ぶっちゃけ「思い込んでいるだけのこと」ですから、事実ではないということです。

「そういう考え」にすぎません。

「そういう考え」が自分の中に入ってしまっているだけで、元々それは「自分自身」とは違うものだ、自分のものじゃなかったんだ、ということが腑に落ちてくれば、ビリーフは手放すことができます。

ビリーフからの解放の道

ですから、ビリーフから解放されるためには

・ビリーフの構造を知る
・それが思考のプログラムであることを知る
・自分の中で、その思考のプログラムが今まさに発動している、そのことに気づく
・これが思考のプログラムか〜!これに動かされていたのか〜!と、腑に落ちる経験を何度もする

ということが必要であり、有効です。

そうやって、自分と思考との同一化を離れて、思考を思考として見つめる「もう1人の自分」のリアリティを育てていくことが、ビリーフに苦しめられるシンドイ人生から抜け出す道です。

ビリーフがあるからいけない、のではないんです。
あるものに気づけばいいんです。

あるものにコツコツ気づいていけば、だんだんとその手には乗らなくなります。
振り回されなくなります。

そして知らないうちに、ビリーフに振り回されていた頃には考えつかなかったような、新しい価値観や感じ方が自分の内に生まれていることに、ふと気づくかもしれません。

私は、日本人の文化論にまで深入りするつもりはありません。

日本人よ、なんとかしよう!と言ってるのでもありません。

日本人を引き合いに出したのは、ただ「みんなそうだよー」と言いたかっただけ。

他の人のことはいいんです。
シンドイなと思ったら、まずはそう思った自分自身から。
自分のことからなんとかしましょう。
私も、私のことから、なんとかします。

そして私は「シンドイな、なんとかしたいな」と思っている人にとっての、ヒントやきっかけをご提案しています。

さまざまな人生の条件によって、思い込まされ、刷り込まれ、埋め込まれた、自己否定のプログラムのままに動かされるなんて悔しいじゃないですか。

それは自分のものじゃないんですよ。

そんなもの、もういらない!って決めましょう。
自分で自分を解放しましょう。

私はそのための道具と方法を、揃えて、磨いて、整えて、皆さんにお伝えしたい。

それがビリーフリセット®︎というツールです。

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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