闘いと絶望の先にあった幸せ。私の上半期「浮世離れの旅」

 

もうすぐ8月。

ふう、やれやれ・・・
半年以上の長い旅がようやく終わって、巡りついて、やっと帰ってきたかなあ。

という感覚が、私の中にある。

 

それはまるで、この世の地面からちょっと離れたところを漂うような。

浮世の流れにあえて目を向けず、一人ひっそり山中を彷徨うような。

 

そんな心の旅だったかもしれない。

今日は私の個人的な内面の旅のスケッチのような文章になる。

 

怒りと闘いの時代

実は今年の年明け、自分にとって全く新しい心境が突然訪れてしまったのだ。

ああ、世界も人も
あらゆることはそれでいい。

変えようとしなくてよかったわ・・・

という気づきだった。

 

つまりそれまでの私は、世界も人も変えたかった、ということだ。

カウンセラーとして開業し、心のことをたくさん研究し、法則を見つけてはみんなに伝えたり、教えたりしてきた。

その熱量がたくさんのブログやメルマガ読者の方々を引き寄せ、講師としての信頼もいただき、現在の活動につながっている。

それ自体悪いことは何もないのだけれど、その原動力の根底にはやはり、これがあったのだ。

 

「こんなひどい世界じゃダメだ」

「こんな世界を作っている人間のこんな意識じゃダメだ」

 

だから、そんな人間の意識を進化させてもっと良い世界にするために、私にできることをやるのだ!と。

そういうミッション感が、私の強力な原動力だった。

 

これも、それ自体は悪くも間違いでもない。

人間の意識がもっと進化して、より良い地球になるように

というのは宇宙的・普遍的祈願であるし、そんな思いを持って尊い活動をされている方々も世界中にはたくさんいる。

 

しかし「これじゃあダメだから」という否定が最初の前提になっているところが、決定的な限界だった。

私が日頃、講座で話している「そのままじゃダメだ」という人類普遍的ビリーフ。

「これによってあらゆる否定と悩みが生まれるんですよ〜」としょっちゅう話しているわけだが、

それを語っている私もまた、こんな大きな土台のところで「ダメだ」をいまだにやりながら走っていたのだ。

 

それはつまり「闘い」だった。

私は「それじゃダメだ」を前提として、世界と人(特定の人ではなく、人類)と心の闘いを続けていたということだ。

 

その奥にあるのは、怒り。

私は世界に、人間に、怒っていた。

 

野蛮で、残酷で、狡くて、愚かな、そんな人間が

地球を汚し、貶め、命を蹂躙し、破壊していく。

なすすべもなく従い、貶められ、諾々と呑まれていく。

 

そんな世界に怒っていた。

そんな世界を変えなければいけないと思っていた。

 

過去生の物語

しかし、その奥にはもっと深いわけがあったのだ。

とあるヒーラー/セラピストの方のセッションを受けて掘り下げていったことで、そのことがとても腑に落ちた。

 

ちょとスピリチュアルな話になるが、そのわけは過去生レベルにあった。

この大きなものへの怒りの奥には、どうやら深い悲しみを体験した遠い過去生の衝動があったようだ。

深い深い喪失の悲しみゆえに、そのやり場のない思いを怒りに変えて燃やすしかなかった、いつかの人。

悲しみ、怒るのはなぜかといえば

それほど大切で、愛があったからだ。

 

おそらく私は過去何度も何度も人間に失望し、世界に失望したのだ。

それほどの痛みや嘆きを、たくさん味わったのだと思う。

 

「過去生」という概念の、その真偽を詮索することにあまり意味はない。

セッションを受けたその時の自分にとっては、この流れがまことに腑に落ちる感覚だったため、それをきっかけとして私の内的転換が起きたのだ。

そっちこそが大事なことだ。

 

その怒りと悲しみのカラクリが解け、その感情を余すところなく味わったら、癒しが訪れた。

癒しとは、赦しでもあり、手放しでもある。

つまり

「もういい」と、力が脱けること。

握りしめていたこだわりが、緩むこと。

 

ああ、もう
世界も人も変えなくていい
私はこれを受け入れよう

それが、年末から新年にかけて、私に訪れた新しい気持ちだった。

 

全てそれでいい

さて、そうするとどうなるか。

何もかもがどうでも良くなるのだ。

だって、変えなくていいんだもの。

それでいいんだもの。

「いいんじゃないですか。」

しか思えなくなった。

何とかしようという気がなくなった。

 

だから、ブログやメルマガにも書くネタがなくなった。

だって、みんなそれでいいんだもの。

それ以上私がなんか言わなくたって、べつに、ねえ。

 

それでしばらく、浮世を離れて異空間を漂うような生活をしていた。

「人生の春休み」と称して、今までのようにゴリゴリと仕事を入れず、休み休みゆるく過ごしながら、いろんなことを考えたり、本を読んだり、海に行ったり、旅に行ったり。

 

それはやっと訪れた戦士の休日のようなものだったかもしれない。

いや、もう戦場へ戻らないなら、退役軍人だろうか?

やれやれ、おつかれさま。

 

もちろん、世界が急にすばらしく変わったわけじゃない。

むしろ全然そのままだ。

 

野蛮で、残酷で、狡くて、愚かな、そんな人間が

地球を汚し、貶め、命を蹂躙し、破壊していく。

なすすべもなく従い、貶められ、諾々と呑まれていく。

 

そんな世界であることには何の変わりもない。

しかし「それでもいい」と思えるようになったのだ。

 

そう、どんなであっても。

いかに世界が酷い有り様であっても。

宇宙がそれを許しているし、黙ってそれを進行させている。

 

宇宙がそうさせている限り
それでいいのだ。

 

そのことに私は気がついた。

この感覚が皆さまに伝わるかどうかはわからないが、私の中では本当にこれが腑に落ちたのだ。

 

世界は今後ますます、おかしなことがまかり通り、おかしな策略が駆け巡り、あっと驚くようなことも起こるかもしれない。

騙し騙され、殺し殺され、カネ・カネ・カネで、買って買われて、日本が日本ではなくなったり、するかもしれない。

樹々は倒され尽くし、海は汚染され尽くし、気候はめちゃくちゃになるかもしれない。

病、戦争、食糧危機、金融崩壊、超管理社会、人身売買、人口削減、天変地異、地殻変動、人類滅亡、地球終了・・・?

たとえ最悪、そんなことになろうとも。

それでも宇宙がそれを進行させているのだったら、いいのだ。

宇宙にお任せします。

 

絶望の先に感謝と希望がある

その「宇宙」を、天とか、神とか、阿弥陀様とか、何と称してもいいだろう。

 

最悪に酷いものでさえも黙って受け止めている大きな「全体」の力を思った時、

不思議なようだが、そこには大きな安心があるのだ。

 

今ここの私の目の前、身の回りは、なんて平和なのだろう。

地球はなんて美しいのだろう。

 

そして、湧いてくるのは感謝。

日常のささやかなことに、喜びと幸せを感じるようになる。

 

朝、目が覚めて、
ただ、生きている。

幸せだなあ。

猫が寄ってくる。
お天気がいい。

幸せだなあ。

何でもない食事を作って
こんなものが食べられて

幸せだなあ。

 

言っとくけれど、私は絶望している。

それは変わらない。

失望しすぎて、絶望しすぎて

絶望さえも「それでいい」ことになった。

だって、人間だもの。

地球だもの。

ここはそういうところだ。

 

そうしたら、安心と幸せがあった。

大丈夫があった。

美しい、平和な世界で

毎日楽で、何の問題もない。

 

私は救われたのかもしれない。

じゃ、そろそろやりますかね

そんな私の「浮世離れ」の旅が、とりあえず何となく一周したようだ。

 

世界も人も、変えなくていい。

変わらなくていい。

みんなそれでべつにいい。

 

一度は「いいんじゃないですか」で何にもする気がなくなったものが、ゆっくりと次第に

それでいいけど、その上で

やっぱりなんかやるか。

という新しい芽として、私の心の内側に芽生え始めた。

 

世界はそれでいい。

どんなに痛みが深かったとしても。

しかし私は希望する。
思い描く。

もっと良い世界を。
私の望みたい世界を。

 

人はそれでいい。

どんなに苦悩が深かったとしても。

それでも私は希望する。
探しにいく。

私たちの望みたい世界を
共に目指す仲間を。

 

そのために、私の持っているものやできることをどうやって使うか。

そうは言ってもこんな私がみんなにあげられるものは何か。

私自身がうれしいことは何か。

 

そんな問いをゆっくりと練りながら、また地上に戻ってくるような気がしている。

 

前とそんなに変わってないけど

大筋だいたい似てるけど

でもきっと何かが変わっている。

 

じゃ、そろそろやりますかね。

 

 

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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