社長交代、そのわけは?
株式会社ツナゲルは、7月末日をもって代表取締役社長の立花岳志が退任・退社し、
8月1日から私、大塚あやこが代表取締役社長に就任して、鎌倉に拠点を移して私1人でやっていきます。
前の記事参照
私が社長になります【表話】
というわけで、まずはこちら↑の「表話」をご覧くださいね。
表がある、ということは裏もある。
ものごとはいつも対(つい)、ペアでございます。
事実の背後に「なぜ?どうして?」って必ずありますね。
今回はそういう裏のお話です。
なのでちょっと文体変わるよー(笑)
あ、でも悪いお話じゃないですよ。
なら私がやる
立花さんじゃなくて、大塚さんが!?
これってたぶん、意外と感じる方も多いのでは。
こういう選択をしたのは理由があります。
夫婦でやっていた会社、離婚したらどうするのか?
たぶん世間的には、社長が立花くんだから「ツナゲルは立花さんの会社」って認識されていたかもしれない。
だから当然、会社を去るのは元奥さん、っていうのが常識的には妥当な想像だと思います。
私も最初は漠然とそう思ってたよー。
でも、自分でもあっと驚く結論でした。
ここにくるまでには色々あったんですが、
2人で一緒に仕事をするのは終わりにしようってなった時に、見解の相違が明らかになりました。
彼にとっては
「ツナゲル」=「僕とあやちゃん」
という認識なのだそうです。
だから2人でやらないんだったら「ツナゲル」にならないし、意味がない・・・のだそうです。
だから、自分1人で「株式会社ツナゲル」をやるつもりはない、と。
あやちゃんが会社を去るなら「ツナゲル」はたたむ、と。
そう言いました。
と聞いて、私は
「あっ、じゃあ私がやる!私にちょうだい。」
って即、言いました。
私の感覚は全然違ったから。
事務所とアーティスト
私にとって「株式会社ツナゲル」は、一つの理念をもった法人であって、「岳志&あや」であることにこだわりがなかったからです。
イメージ的には「音楽事務所」で考えると、私はわかりやすい。
「ツナゲル」という音楽事務所に、立花というアーティストと大塚というアーティストが所属しているかんじ。
その2人が単独の活動もあり、コラボの活動もあり、という。
だから、1人のアーティストが事務所を抜けても「ツナゲル」はあり続ける。
私はそんなイメージ。
でも、たぶん彼の感覚は「バンド」だったのだろうと思う。
立花と大塚は「ツナゲル」というバンド。
だから2人が一緒にやらなくなるということは「解散」を意味する。
そんな感じだったんじゃないかなあ、と推測しています。
あくまで私の推測ね。
本人が実際どうか確証はありませんよ。
なので、私にとっては会社の「中の人」が誰になろうと、ツナゲルという看板は生きているし、なによりどんな事業をしているかが大事であり、それによって目指す世界観が創造されていくことが大事って私は思っています。
「法人格」というエネルギーをもった存在だから、産んで育てた子供のようなものでもあります。
立ち上げから5年、まがりなりにも育ててきた法人をあっさりたたむのはもったいないし、しのびないし、法人ちゃんもかわいそう。
それだし単純に、法人があると活動しやすくて便利。
私は法人がほしい。
それなら私がやる!
って思ったんです。
私の方が思い入れがあった
そもそも最初「会社にしよう」と言ったのは私で、あまり乗り気でなかった彼の背中を押すようにして法人化した経緯があります。
そうやって、社長になってもらったのでした。
やっぱり表に立つのは彼の方がふさわしいと思ったから。
税理士さんが必要だから私がみつけてきて、乗り気でない彼を税理士事務所に連れて行ったり。
嬉々として会社の理念を書いてまとめたのも私。
あのころ彼は本当にやりたくなさそうだったなあ。
今から思えば私も、すごい後ろからコントロールというか、へんな逆摂政(笑)みたいな感じよね。
それが必ずよかったかっていうとそうではなかったかもしれない。
でも、法人にすることで絶対活動はしやすくなる。
って思ったのは、私が20年以上音楽家として個人事業主をやっていた実感ゆえでもあるんですね。
やっぱり個人としてやることの限界って感じてたから。
だから、ここで法人化した方がいいと思ったのは結果的によくて、だからこそその後お互いの活動が広がり、多くの皆さんにいろんな講座やイベントを提供することができたんです。
その後、彼もだんだんやる気になってはくれましたが、そんなわけなので、もともとの発端や会社に対する思いなど、実は私の方が濃いんです。
と考えると、ここで私が社長としてツナゲルを引き継ぐというのはすごく妥当かつ腹落ちする。
私の実感でいうと
やっと私のペースでできる!
っていうかんじで、やる気いっぱいです。
六本木のセミナールームをたたんで、鎌倉1箇所にして、ここから小さく出直します。
私の願うコンセプトで、私の方向感覚と金銭感覚で、コンパクトだけど中身濃く、個性ある豊かな会社にしたいと思っています。
2人でがんばった5年間
とはいえ約5年間、立花くんもよくがんばってくれました。
彼は彼なりに良かれと思って一生懸命やってくれたのはとてもよくわかる。
私の感覚とは違ったけど。
その違う感覚を包含しつつ、うまくいった時もあるけど、どうにかすり合わせたり我慢したりしていたことも多かった。
2人で半分冗談で「あやちゃんはツナゲルの巫女担当」と言っていた。
私が直感で「次はこっちだ!」「これで決断しちゃえ!」と「ご託宣」wを降ろし、岳志くんがそれを実行する、と。
ある意味、古代・邪馬台国あたりの由緒正しい「まつりごと」のようではあったけど、それがよいことばかりでもなくて。
だんだんと、このままやっていってもお互いが自分のパワーを消し合うことがわかってきたんです。
私自身も手元不如意なストレスがずっとあったし、だいぶ疲れていました。
だからこれで一旦区切りをつけるのは妥当だと私は思っています。
株式会社ツナゲルは、そういうわけで私が引っ張るようにしてできた会社だから、彼にとってもそれほど思い入れはなかったのだと思う。それはOK。
だからこそ、今度は彼は本当に自分の意思と力で、自分のコンセプトで、自分の会社を始めるといいと思う。
そしてもう巫女はいないので(笑)、自分の嗅覚と直感でどんどん進んでほしい。
お互いに自分のパワーを抑えることなく、世の中に発揮していくことこそが最善なのだと私は思っています。
ちなみに、私が1人で住む家と彼が1人で住む家は同じ町内なので、これからも何かと接点はあると思います。
険悪になってるわけじゃないからご心配なくね。
秋からよろしく
というわけで、引っ越しと会社の手続きとで整理整理の8月になると思いますが、
鎌倉の夏、そして久しぶりに1つの家に落ち着くという生活を楽しみながら
また皆さんをお迎えできる体制に整えていきたいと思います。
以上が裏話。
そんなに悪い話じゃないでしょう。
皆さまも、よい夏を。
新しい写真は鎌倉・稲村ガ崎で撮っていただきました。
写真家は森田真司さんです。