「悪い子」も「いい子」も、どっちにしろ自己否定がついて回る

小さい頃から親に
「ダメねー、あなたは」とか
「あなたはできないから」とか
「悪い子だね」とか言われて
できない子・悪い子扱いされていると

「自分はできないんだ」
「こんなできない自分は愛されないんだ」
「こんな自分のまんまじゃダメだ」
って思っちゃう。

そうやって「ダメな自分」を責めるようになります。

はい、自己否定のはじまり。

これはすごくわかりやすいですね。

反対に

小さい頃から親に
「あなたは大丈夫よね」とか
「あなたならできるわよね」とか
「いい子だからね」とか言われて
できる子・いい子扱いされていると

「自分はできなきゃいけないんだ」
「できない自分じゃ愛されないんだ」
「いい子じゃない自分を出したら親をがっかりさせてしまう」
って思っちゃう。

そうすると心の奥に
「本当はダメな自分」がいるような気がしてくるし
そのダメな自分を必死に隠して嫌うようになります。

これも、自己否定のはじまり。
本当には自信は持てません。

意外なようですが、けっこうよくあります。

いわゆる「ちゃんとした親の元に育ったいい子」なのに自己肯定感 超〜低い、っていう場合、このケースであることが多いです。

つまり、人ってだいたいの場合
どちらにしても基本的に
自己否定ってやつを抱え込んじゃうみたい。

しょうがないね、これ。

だから、大丈夫。
あなただけじゃない。
あの人も、この人も
そこらへん歩いてる人
みーんなだいたいそうだから。

さて、どうして
どっちにしろ自己否定がついて回ることになっちゃうんでしょう。

なぜなら。
人間はごく自然に
「できる」は良くて、「できない」はダメだ
と思っているでしょう。

そして
「ダメ」はなくさなければいけない
って思っています、当然のように。

そうすると

「できない=悪い方」ばかり見ていても
もちろんその「できない=悪い」を
撲滅しようとする。

はい、否定。

そして

「できる=良い方」ばかり見ていても
その分、反対の「できない=悪い」を撲滅しようとする。

はい、否定。

どっちにしろ
「悪い」を撲滅しようとする思考であるという点で
おんなじなんです。

わかります?この理屈。

で、撲滅っていうのが
つまり否定ですよね。

何に対してであろうと
撲滅運動をやっている限り
否定から逃れられない、
ということになります。

その撲滅運動を
自分の中で起こしているのが
「自己否定」ということです。

「良い」だけが良くて
「悪い」はダメで
ダメは撲滅しなければならない。

という二分思考が
人間はあまりにも当たり前になっちゃってます。

そして「悪い」方を撲滅すれば
全部が「良い」に変わるはず、と信じています。

でも、それはウソなんだよね。

そもそも二分して
片方を「良い」ことにしてるんだから
片方は「悪い」になるに決まってるんです。

全部「良い」にしたいのだったら
はじめっから二分しないより他にありません。

だけど人間
親は普通に
「良い子」なってほしいけど
「悪い子」になったらダメ

って思っていろんなこと
それこそ「良かれ」と思って
言ったりやったりするので

当然子供も「良い子であらねば」と思うし
「ダメ」じゃダメなんだと思いますね。

良い子扱いされたって
悪い子扱いされたって
どっちにしろ自己否定を抱えることになるわけです。

本人に自覚があるなしはあるかもしれません。
困ってなければべつにいいんです。

でも、もし何か問題や辛さがあるとしたら
おそらく奥にはなんらかの
否定があると思っていいかもしれません。

これ、しょうがないね。
人間の思考上
そうならざるを得ないのです。

で、そうだとしたって、
親御さんが悪いわけでもないし
親が気をつけるべき!という話でもありません。

これは人類レベルの思考の罠なので
親一人の責任じゃないから
気をつけようがないですね。

ここから先はその子が背負ったテーマだと、私は考えています。

その自己否定の前提、そういう初期設定からスタートして人生の謎解きと冒険が始まるのでしょうから
それは、その子の魂が引き受けること。

たぶん
それも承知で生まれてきたんだね。

そう受け止めるのが一番じゃないかと思います。

大丈夫。
あなたがこうしてここまで生きてこれたように
そして、こうやって探求して
少しずつ進んでいるように
お子さんもまた
そうしていくでしょう。

その力を信じよう。

でも、もしも奇跡的に
善悪の二分思考を超えてる親御さんがいたとして
良いとか悪いとか二分してジャッジせずに、
ぜーんぶ丸ごと受け止めて
その子が伸びるように伸ばして育てていたとしたら
どうなるんでしょうね。

そんなふうに育てられた子が本当にいるのか、
そしてその子がどんな大人になるのか
私はあまりよくわかりません。

だって、そういう人は私のクライアントさんになる必要はないでしょうから、あんまり会ったことがないんですよね。

そういう方がいるとしたらきっと
それだからこそできる
この世でのお役があるのかもしれませんね。

もしあなたがそのお一人だったとしたら
すばらしく恵まれていましたね!
ぜひその力を、何の制限もなくのびのびと
この世のために使っていってください!

でも、そうではないあなたなのだったら
ぜひ謎解きして、
そこからの脱出ゲームにチャレンジしていきましょう!

きっとそこには
あなたという魂がここに生まれてきて
知りたかったこと、果たしたかったことが
あるのかもしれませんよ。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸術大学作曲科卒業後、アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がけ約20年活動。
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセラーへ転身。
非合理な思い込みを外して本来の力を解放するオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、人生の転機に直面した人を新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。
カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
現在はカウンセラー養成の枠を超えて「リーダーズ講座」として長期講座を開催。経営者やリーダー層からの信頼を得て、企業研修にも発展。企業向けオンライン講座「Udemyビジネス」で「はじめての傾聴」動画講座が登録者1万8千名を超えるベストセラーとなっている。

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