批判がこわくてしょうがない人が考えてみるといいこと

批判がこわい

たぶん多くの人がいちばん恐れていることは「人からなんか言われること」です。

「なんか」といっても、それはけっして「良いこと」じゃないですね。

つまり批判。

あるいは、非難・否定・叱責・誹謗・中傷・顰蹙・陰口・悪口。

こわいよねー、こわいこわい。

でもね、重要なのは、そのこわさの質の違い。

実際に批判されてこわい思いをした〜!
というリアルな恐怖よりも

それより数十倍こわいのが

批判されたらもうダメだ〜〜!
というら」の恐怖

つまり 想像上の恐怖 なんです。

リアルの恐怖想像上の恐怖

この違いを認識しておくことってすごく大事だと思う。

批判がこわくてしょうがない人は

実際に批判されてこわい思いをした回数よりも

頭の中で「批判されたら」を想像してこわい思いをしている回数の方が、ダンゼン多いはず。

その、リアルと想像の違いに、まずは気づいてみてください。

歴史的なビリーフ

「批判されたらがなぜそんなにこわいかと言ったら

それによって、人に嫌われて、人が離れていって、人に排除されて、その場にいられなくなって、人から見向きもされなくなって、お金がなくなって、家がなくなって、孤独になって、野垂れ死ぬ・・・

という予測が一気に駆け巡るから。

つまり、究極の結末は「死」。

それは予測であって、その時点でそうなってるわけじゃない、頭の中で展開しているだけのストーリーなんですが

ほとんどの人がそのことに気づかずに、そのストーリーこそが現実だと思って怯えながら生きています。

 

人間は、集団・社会を作って生きる生き物なので、集団から排除されることは「死」を意味する・・・という歴史的なビリーフがあります。

DNAレベルとかに刻まれてるのかもしれないですねえ。

それくらい、深いところに共通して持っている感覚です。

だからこそ、一つでも「批判」が自分に向けられるような気がすると、一気にストーリーが駆け巡って死の恐怖が湧き上がり、「批判されないように!」と全力で防衛することになるのです。

批判を恐れていると失うもの

その回路に気づかないままでいると、自分の思考回路と行動原理のすべての基準が「批判されないように」という一点に集約する・・・という状態にハマってしまいます。

批判されないように
やりたくてもやらない

批判されないように
やりたくなくてもやる

という、自分の本心とは逆の行動ばかりとるようになります。

それはつまり

批判されないように
自分を隠す

批判されないように
自分を曲げる

批判されないように
自分を作る

批判されないように
自分を殺す

ということ。

しかも「実際に批判される」という現実が起こる前に。

 

それって結局なにをやってるのかっていうと

「自分が自分であることを消す」ということなんですね。

だから

自分がなんだかわからない。
人生が苦しい。
いつもこわい。

生きるのがしんどい。
望みがなんにも叶わない。

ということになるのも当たり前です。

 

想像上の恐怖を設定して、自分で自分を殺して苦しむという代償を払ってでも、「批判されない」というのは絶対に得たいメリットなのだろうか?

批判されないこと以上に、本当に自分が望んでいることはないのだろうか?

と、あるところにきたら立ち止まって考えてみるといいでしょう。

 

だからこそ

人に批判されたら、私は生きていけない

というそのビリーフ(ビリーフだからね!これ)は

絶対に本当なのか

そこのところから冷静に検証してみる必要があります。

批判する人ばかり見ている

でもね、批判を恐れている人は

「だってー!実際、批判する人がこんなにあんなにいるんですっ!」

って、きっと言うのです。

 

そうよね、批判する人のことはすごくよく見えるし、めちゃくちゃ詳細にカウントできる。

だから、批判してきそうな人たちを最大限に警戒し

その人たちがお気に召さないようなことは絶対にやらないように、自分から率先して自分を抑え

間違いのないように万全を尽くし、重箱の隅までぬかりのないように全てを整えて待機する。

ビクビクした怯え。
ピリピリした緊張。

見張って見張って
落ち度がありそうなことは
潰して潰して。

はい、万全です!
これでどうです!
やってますよ!
完璧ですよ!
これなら批判しませんでしょ!?

・・・てやってる間、その人が見ているのは、いかにも批判してきそうな、清く正しくうるさく不寛容な人たちです。

その人たちのために、最大限のエネルギーを使っているわけです。

共感する人のこと、見えてる?

で、ところで、あなたはその人たちのこと、好き?

その人たちといつまでも一緒にいたい?

末長くおつきあいしたい?

っていうとね・・・

 

だいたい「やだあ!」って言うはず(^ ^;;

え? やなの?

じゃなんでその人たちに好かれようとしてるの?

自分はちっとも好きじゃないのに?

不思議だね(^ ^)

 

じゃあ、これはどうでしょう?

そんなあなたは「この自分に共感してくれる人がいる」って、想像できてるでしょうか?

自分が考えたこと、やったことに

「わあ、それいいね!」
「うん、大好き」
「そうそう、それだよね!」
「そういうのがほしかったのよ〜」

とか、自分の存在に対して

「あなたのそこが好きだなあ!」
「そういうあなただからいいよね!」

って言ってくれる人がいるって、考えたことあるかなあ?

え? そんな人はいません!?

落ち着いて思い出してみて。

きっといつか、どこかにいたはず。

けど、あなたはそんな人たちのこと、全然見ちゃいなかったかもしれないんです。

何か言ってくれた人がいても、けっこう軽くスルーしてたりしてたかも。

どれほどそういう人たちのこと、大切にしてきただろうか?

共感してくれる人たちのことよりも、批判してきそうな人たちの方ばかり見ていたのではないでしょうか?

それが「批判がこわくてしょうがない人」が考えてみるといいところです。

ビリーフの罠

実はここにビリーフの罠ってのがあって。

ビリーフ、つまり怖れにハマってる時って

怖いことの方ばっかり向いて
怖いことばっかり考えて
視線は怖い方に釘付け

なんです。だから

人に批判されたら、私は生きていけない 

と信じ込んでいる間は
批判しそうな人ばっかりを大切にする ことになります。

その人たちのために

「あなた好みのワタシになるわ♡」

と言っていることになります。

だから、そういう人ばっかり呼び込み、そういう人ばっかり寄ってくることになります。

そういう人たちを満足させることに汲々として、あなたはいつまでたっても「超緊張状態」から抜けられない、っていう。

そういう仕掛けね。

 

そう、その超緊張状態の始まりはどこかって言ったら、ご想像のとおり

あーまたか、結局ソレか、の
はい、毎度すいませんが
はい、親ね。

子供のころ、あの家で、あの親のもと、あなたが常に感じていた怖れ。

自分のままに振る舞ったら怒られた、そのショックと恐怖。

それが今もなお、同じテンションで継続中なのです。

 

そこの原点に気づいたなら
「あーこわかったねえ、悲しかったねえ」
と、まず小さかった自分に言ってあげよう。

そしてやっと問いかけることができます。

これからもこれを続けるのだろうか?

 

もうそんなのはヤダ!って思うのなら

もう一度、自分に聞いてみましょう。

私はいったい誰のことが大切で
誰とつきあいたいのか
ということを。

自分はどっちを見て生きたいのか
ということを。

今あなたが見ているような人たちしか
世界には本当にいないのだろうか?
ということを。

人に批判されないというそれだけのために
自分が自分のことを
どれだけ批判して我慢させてきたんだろう?
ということを。

その人生の収支は
本当に合っているんだろうか?
ということを。

そして

いつまでこれを続けるのだろうか?
ということを。

 

ゆっくり何度も
自分に聞いてみてくださいね。

 

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理カウンセラー/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸大作曲科卒。演奏家・作編曲家として20年間第一線で活動後、燃え尽き体験をきっかけに人生の転機を経て心理カウンセラーに転身。
悩みの根本原因に素早くアクセスする独自メソッド「ビリーフリセット®」を確立。個人相談から企業研修まで幅広く展開し、協会認定カウンセラーを多数輩出。Udemyオンライン講座「はじめての傾聴」は2万名超の受講者を誇る常時ベストセラー。 心の構造を論理的にモデル化する独自アプローチが、ビジネスパーソンから高い支持を得ている。

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