「自分だけが」は本当か?
ちょっと静かにご自身の内側を感じてみてほしいのですが。
一般的な「他人」とか「世間の人」って想像した時に、なんとなく自分の中に漠然と
「みんなはそこそこちゃんとしていて、普通に、まっとうに、それほど悩みもなく生きているんだろうなあ」みたいに思う感覚ってないでしょうか?
その後にはひそかに「でも、私は違うんだ。実は私はこんなに悩みが多いし、実は暗いし、いろいろ背負ってるし、実はひねくれてるんだ。ぜったい言えないけど。」
みたいな感覚もあったりしませんか?
「みんなはきっとちゃんとしてる。私だけはちょっとヤバい。」みたいなちょっと後ろめたいかんじ。
あったとしたら、はい、大丈夫。みんなそう思ってるから!
統計とったことはないですが、私の実感値だとたぶん、今あなたの半径300m以内にいる人たちの9割、もしくはその場所からいちばん近い3万人くらいの人はそう思ってます(笑)
本人、自覚があるないはともかくとしてね。
「影」ってあるのよ
ほんと、みーんないろいろあるんですよ。
痛い過去、重い家族
嫌いな自分、許せない誰か
暗いところ、ヤバいところ
グダグダなところ、ゲスいところ
罪悪感、自責感
欠損感、無価値感
・・・ていう言葉を見て嫌な気分になった?
てことは、そういうもの、あなた自身がすごく嫌ってますね。
そういうものはあっちゃいけない!って思ってる。
じつはそれが最大の「しんどい」の元。
あるものをあるって認める、あることを許すことが、楽に、そしてタフに、自分の人生を生きるコツです。
そういうものがない人間はいません。
認めてない人間は多いと思うけど。
認めてないことと、実際無いことは別だから。
あるんですよ。
それが人間です。
光があれば、影がある。
自然の摂理です。
理屈ではわかってると思うけど。
でもその「影」が、みんな嫌いなんだよねー。
あったらダメだって思ってる。
どうしたってあるんだけどね。
あるからこそ
それをなんとか感じないようにして
あるいは無くそうとして
隠そうとして
克服しようとして
巻き返そうとして
人生やってる。
みんなけっこうそんなもんです。
もちろん私も昔はそうでした。
今はもう、そういうカラクリわかちゃったから全然楽ですけどね。
でね、そういうふうに「影」を嫌って「無いこと」にしてると、その影は現実という舞台に現れて逆襲してくるようになります。
それが「悩み」とか「問題」というわけです。
だから悩みや問題テンコ盛り!っていう人は、それだけ影をたくさんためこんじゃったね!ってこと。
てことは、ためこんじゃった影をちゃんと見に行って、光を当ててあげればいいんです。
つまり、悩みや問題や人生の行き詰まりみたいなことが現れた時は、自分の中の「影」を見ることが、いちばん確実な対処の仕方ということなんですね。
カウンセラーっていうのはそういうことをお手伝いする人です。
「心の学び」とはダークを認めること
実は、心の学びっていうのは、何かキレイなこと素晴らしいことを一生懸命身につけることじゃないんだ。
むしろキタナイもの、ダークなもの、ヤバイものに光を当てて認めていくことです。
まずは自分の内側に。
それができたら自動的に他人のこともできるようになります。
他人のことが得体がしれなくてコワイ、と思うなら、自分自身の中にある「影」のことを、得体がしれなくてコワイ!と思ってるってことなんだ。
自分のことなんだからさ、得体が知れないとかコワイとか、自分でいっててどうすんの(笑)。
自分のダークを認めることができたら、他人のダークも怖くなくなります。
「あー、みんなたいへんだなあ」って親近感わくよ。
「癒し」とは光を当てること
もう、それに尽きると思うんですよ、最近。
ダークを嫌うな、排除するな、ですよ。
それが心の学びであり、成長です。
ダークなところに光を当てる、光を当ててちゃんと見て、認める。
それを「癒し」といいます。
癒しって実はそれだけ。
たいそうなことじゃない。
光を当てさえすれば終わりです。
だから、私は心のダークサイド、闇は怖くないですよ。
むしろ面白い、燃える(笑)
まあそういう性分なのでカウンセラーは適職だと思います。
というわけで、せっかく時節柄もありますからね。
真夏の太陽がギラギラ輝く日に、そのぶん濃い「影」ができる。
その真っ黒い影のことも、考えてあげよう。
大丈夫です。
みんながそうです。
それが人間です。
あなたもそうであるように、まわりのみんなもだいたいそうです。
切ないよね。
そして
だからとっても、愛おしいよね。