私はこれまで、大人の方のピアノレッスンを多くしてきました。
大人の内訳はつまり、プロを目指したいという10代後半〜20代から、
完全に趣味の中高年の方まで。
特に自分の楽しみのためにレッスンされている中高年の方に対して私は、
良いところや、一生懸命してきた努力に対して
細かく気づいて誉めてあげるようにしています。
ある程度年齢がいくと、
なかなか器用に指が動かなかったり、
覚えるのにも時間がかかったりしてしまうのも事実。
しかし、それでも「弾きたい、弾けると楽しい!」という気持ち一つで
一生懸命やってこられたんだなー、ということは伝わってくるものです。
もうそれは、巧く弾けてるかどうかなんてことには関係なく、
その気持ちと、かけられた努力の時間、
小さな一つでも、できなかったことができるようになった・・・
そのことに気づいたら、
「誉めてあげるようにしている」なんてもんじゃなくて、
賞賛してあげずにはいられません。
そういうふうにやり取りしていくと、
皆さんほんとに、嬉しそうに生き生きとした表情になって、
よしがんばるぞ!という新たなエネルギーを得て帰ってゆかれます。
その中であらためて思うこと。
やっぱりみんな、誉めてもらえると嬉しいのよね〜。
私たち、子供の頃は
親や先生にそれなりに誉めてもらえる機会があったかもしれない。
「いや、そんな親や先生じゃなかったし。」っていう人もいるかもしれませんが、
それだって人生の最初期は「元気にミルク飲んだー!、お〜歩いたー!」と
誉めてもらえてたはず・・・。
しかし、だんだん大きくなって、
大人になったらそうそう誉めてもらえる機会も少なくなります。
会社の上司や同僚だっておいそれと誉めてくれるわけじゃない。
夫や妻、家族はどうですか。
「こんなに私が(俺が)がんばってるのに全然わかってくれない、誉めてくれない。」
って寂しく思っている人がどれだけいるでしょう。
だからこそ私たち、どうにかして誰かに誉めてもらいたくて、
「これだけ実績出した、これだけやった、これならどうだー!!
すごいでしょ、ね?ね?」
と、色んな形でがんばってたりするのかもしれません。
そんな大人の方にこそ、お勧めしたいのがレッスンです!
楽器でもいいし、何か自分の興味あることでいい。
できれば完全趣味指向のゆるいお教室で、ちゃんと誉めてくれる先生。
グループレッスンだと、比較の気持ちが出て揺れ動く可能性もあるので、
できれば1対1の個人レッスンがいいかも。
自分だけを見てもらって、
自分のやったことに気づいてもらって、誉めてもらって、
週に一度、その時間だけは、自分に対するケアと承認を独り占め!
それはきっと、カサカサしてた心に潤いをもたらすでしょう。
自分もなかなかやるじゃないか?って思えるようにもなるでしょう。
そして、元気な心になってまた職場へ、お家へ。
そんな意味でも、
大人のレッスンはおすすめですよ。