自分の「人生舞台」を客席から眺める

Curtain Up

■目からウロコが落ちる時

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「目からウロコが落ちる」という言い方がありますね。
なかなかうまい言い方だと思います。

自分も状況も、外目には何も変わっていないのに
目からウロコが落ちただけで、

「なに! そういうことだったの!?
 え〜、今まで何見てたんだろう!?」

と、なってしまいます。
その衝撃、新鮮さ。
ガクッとくるようなスッキリ感。
キツネにつままれたような、夢から覚めたような
「何だったの?感」といいますか。

その瞬間から、自分も世界も全く新しいものに変わってしまうのです。

「なんだ、そうだったのかー、アハハ!」

これが、心の探究の道のりで起こる「ブレイクスルー」です。

人生の舞台セット

私たちは一人一人、
劇場の舞台に上がっている役者だと思ってみてください。
もちろん主役は自分です。
その脚本と舞台設定は、実は自分が決めています。

たとえば
世界は恐ろしい場所で、
みんなが生き残りのために必死で
疲れても嫌でも、耐えて耐えて耐え抜いて
重い足を運び続けないといけなくて
ちょっとでも転んだら蹴落とされて死んでしまうような
ほっておいたらどんどんダメになる世界。

そういうふうに設定している人の舞台は、たとえば
大道具には、黒や灰色でゴツゴツした廃墟のようなビルが立ち並び、
背景には雲が重くたちこめた灰色の空。
暗くドロドロとしたBGMが流れて・・・
そんな舞台セットが組まれているかもしれません。

その舞台で、主役であるあなたは、
力が弱くて、能力が欠けていて、
なんだかいつも運に恵まれない主人公。

恐い顔をした悪役にいつも悩まされ、
苦しそうな顔をした脇役集団の顔色をうかがい、
いつでも危険と背中合わせ。
ヒヤヒヤ、ドキドキ、
必死に生き残るドラマをやることになるのです。

その舞台の主人公にとって、
世界とはそういう場所であり、
自分とは、そういう運命の人間なのです。
それが、その舞台のど真ん中にいる彼の「現実」です。

なぜ、そんな舞台セットになってしまうかというと、
いつのころからか自分の中で
「世界とは恐ろしくて、ほっておけばどんどん悪くなるところだ」
「自分は無力で足りなくて、人から悪く言われるような人間だ」
という認識がインプットされてしまっているからです。

これが「脚本」です。
人生は脚本通りに作られていきます。

apocalyptic landscape

気づきとは自分の舞台の観客になること

しかし。
心の探究を重ねていくと、ある時
その舞台を客席から見てしまう、というようなことが起こります。

そんなことは初めてです。
今まで舞台の上しか知らなかったその人が、
自分の乗っていた舞台を客席から見てしまうと・・・

「えーっ、こんなところにいたんだ!?」
「あれじゃ、苦しいわな〜」
「あんなところで、なにやってたんだろ?」
「なんだぁ、あれはそういう舞台にいただけなのか!」

と気づくことになります。
これが「目からウロコが落ちる」というかんじなのです。
すると

「もうあそこにいなくていいんだ!」
「現実はこっちだった。ああよかった〜!」
「じゃ、もうちょっと楽しい舞台セットに変えよう。
 ハイ、背景青空にチェ〜ンジ!」

立ち木の丘と雲と虹

と、新しい心のセッティングへと転換します。

これが「苦しみの輪(ループ)から脱出する」ということなのです。

これは、言葉で書いてもなかなか実感につながらないかもしれません。
体験してはじめてその感覚がわかります。

そうやって、今乗っている舞台が何なのか検討して
客席に行って眺めるところまで持っていくこと。
そして、これまでの脚本を終わらせて、
新しい次の幕の舞台を始めること。

そのようなことが
セラピーの重要なプロセスだと言うこともできるでしょう。

 一人ではたどりつけない場所

こういうふうに
「自分の乗っている人生の舞台を、客席から見る」という体験は
なかなか自分一人で考えているだけでは難しいところがあります。

私の個人セッションにいらっしゃる方たちは
よく、こんなふうにおっしゃることがあります。

これまで自分で本を読んだりして、色々考えてきました。
こうかな、ああかな、と色々考えたし
頭では「こうなんだろうな」とだいたいわかっているんです。
でも「じゃあどうするんだ?」というところがわからなくて・・・
本当に変われたかというと、やっぱり変われていなくて・・・

そうなんです。
皆さん本当に、すでに自分に向き合い、
冷静に自分を振り返って、いろいろ考えてこられているんです。
すばらしいことです。

だけど。
もう一歩の決定打が!

それは、頭でわかっていることを超えた
体験として、実感として、腑落ちとしての
「これかーっ」という気づき、
つまり「目からウロコ体験」にまで至っていないということですね。

それがわかっていて、そこがもどかしくて、
「もうこれはプロの助けを借りよう!」と決心して
個人セッションにいらっしゃるんですね。

だから、個人セッションという場で
セラピストとともにやる作業というのは、
これまで自分が考えたことのある「思考の領域」を超えて
さらに奥の、もっと深いところの
これまで考えたことのなかった「潜在意識の領域」に
答えを探しにいくことなのです。

潜在意識とは別名「無意識」というぐらいですから、意識できない。
自分ではわからない領域です。
考えてもわからないのはあたりまえです。

考えてわかることなら、とっくにもうわかっているはずです。
考えてもわからないところを
セラピストと一緒に探しにいくことに
個人セッションの意味があります。
共同作業の中に、奇跡の瞬間が訪れるのです。

そうした中で
「自分の人生舞台を客席から見る」ともいうべき体験が訪れた時

「なに! そういうことだったの!?
 え〜、今まで何見てたんだろう!?」

と、目からウロコがゴソッと落ち
知らずに背負っていた荷物がドサッと落ち
知らずに縛られていた鎖がガラガラッと外れる、と。

そういうわけです。

こうやって軽くなるたびに
人生の脚本はどんどん書き替わり
舞台セットはどんどん変わっていきます。

そんなセッション体験と気づきを、
ご自身のブログに書いてくださった方がいらっしゃるので、ご紹介します。
この方も、ご自分でたくさん勉強して、自分を探究して
一生懸命やってきた、だけど・・・
というところでセッションにいらしてくださった方です。

よっしーさんのブログ 「ココロ動くブログ」
yossi
まるで別人に!セラピストさんの個人セッションに行って
ネガティブな自分とお別れしてきた!

セッションが終わって、
長年背負ってきた荷物を降ろしてスッキリと軽くなり
満面の笑顔で帰っていかれる方々の姿を
玄関でお見送りするという清々しさを、
何度私は味わったでしょうか。

「ああ、本当によかった!」と
その方も私も、共に心から言い合えるお仕事。

そんなお仕事をさせていただいていることに
畏れ多くも深い喜びを感じる瞬間です。

さて、あなたは今、
どんな「人生の舞台セット」 の中にいるでしょうか?

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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