これはティンシャといいます。
チベタンベルとも、チベタンシンバルとも言われる、元々はチベット仏教の法具ですが、最近はヨガのクラスや、瞑想、ヒーリングやリラックスのために使われることが多いようです。
その透明で凛とした響きに憧れて、以前から欲しいなあと思っていたのですが、タイミングが訪れて今回入手しました。
ずっしりと重みのある高品質な物で、柄も美しく、ネパール製の素敵な箱も気に入っています。紐を持って軽く左右を打ち合わせると響きわたる、上品な音と凛とした空気感には、なんともいえない感動があります。
私が今すごく気になっているテーマは、「生の音そのものの力」。
音というのは振動であり、それはきっと想像以上に人間の心と身体に大きく影響を与えているのでしょう。
音楽が少しでも人に対して良い働きかけをするようにと考えるならば、それはきっと「どんな音楽が」とか「どの曲が」「歌が、演奏が」とかいう以前に、「どんな質の音なのか」ということがすごく重要なのかもしれません。
とはいえ、以前の私は、形と構造を持った音楽としてどうなのか、ということにばかり主眼を置いていて、振動とか周波数とか「音そのもの」というような考え方はあまりしたことがありませんでした。つまりメロディー・ハーモニー・リズムの3要素のことはかなり意識していたけれども、実際鳴っている一つ一つの音そのものについては意外と無頓着だったような気がするのです。
しかし、音楽が人に与える影響というものをもっと追求したくなって、音楽療法に足を踏み入れたり、色々な観点から音を論じた本などを読んだりするうちに、最近やっと、音そのものの持っている振動の質ってけっこう重要なんじゃないか・・・と思うに至ったのです。
話は変わりますが私は今、必要上、ちょっと過酷な音環境の場所に毎日いなければならない状況がしばらく続いています。「音は心身に影響を与える」という考えを適用するならば、おそらく見えないダメージが私の心身にも蓄積するんじゃないかと感じるような、けっしてよろしくはない音がいつも耳に入ってきているわけです。
それをストレスにしてしまうかどうかは私の受け止め方と手放し方の問題なので、そこにいる間はなるべくこだわらないようにしていますが、ダメージを溜めないように家に帰ったらセルフケアしたい・・・・そんな気持ちが環境の中で高まってきたのかもしれません。
その時に、スピーカーやヘッドホンから鳴る音を、私は聴きたいとは思わなかったし、音楽を必要とはしなかったのです。
そんなタイミングの今、無性にティンシャの音が恋しくなって、「ぜひともほしい、今すぐほしい」という気持ちになったのは、「澄んだ音・清らかな音を聴いて癒されたい、耳と心身を浄化したい」という衝動だったのではないか・・・と考えると合点がいきます。
実際に聴いてうれしいということは、身体が心が必要としていたということ。
今の私にティンシャの音は合っていたようです。
そして私にとっては、これまで自分の範疇になかった「音そのものの癒し」というものを自分で体験・実感することが、今後、音楽療法を実践する上でもとても重要な鍵になるような気がしているのです。
これからもっと深めていきたいテーマですし、少しずつそのことについても書いていけたらいいなと思います。
付記:
ティンシャに興味をもたれた方、ネット検索すればショップもたくさん出てきますが、値段も質もピンキリみたいですから、よく検討の上、できれば試聴してピンと来たものを選ぶことをお勧めします(^ ^)