コードを身に付けて使えるようになるためのコツ、私の提案です。
前回はまず「完全5度」という音程から始めました。
前回の記事
5度ができたら、次は3度
さて、完全5度がつかめるようになったら、次です。
ふたたび右手をご用意ください。
とりあえずCでやりましょう。
親指はド。小指はソに置いて。
これ完全5度。
そして、中指を見てください。中指はどの鍵盤の上にありますか?
おそらく普通の手のサイズの方だったら、中指はミだと思います。
なんか別の場所にあった方は、ミに置き直してみてね(^^;;
はい、これが有名なドミソ。
鳴らしてみて。味わってみて。
これが、つまりCメジャー(Cと表記)というコードになります。
この、親指・中指・小指 という、一個とばしでほぼ均等な間隔が「基本形」という和音の形です。
そして、今できている親指と中指の位置関係を「3度」というのです。
つまり、ここではドとミの関係・間隔です。
何が「3」なのか。
みなさん「ドレミファソラシド」って言えますね?
今は鍵盤の黒とか白とかは気にしないで。
完全、カタカナで考えてください。
そしたら、今弾こうとしているコードのいちばん下の音を「1番め」としてみてください。
この場合、ド。
ド → レ → ミ。 ドから数えて、ミは3番め。
だから「3度」というのだと思ってていいです。
ちなみに「ソ」は「ド」から数えて何番め?
ド → レ → ミ →ファ →ソ。5番めですね。
だから「5度」というのです。
つまり、親指・中指・小指で、一個とばしでほぼ均等な間隔をとる
「基本形」という形は、1と3と5でできているということです。
これ大事!
コードというのは1・3・5
これ、唱えて覚えてください(笑)
これを、いつ、どこの場所でも作れるために、まず外側である「完全5度」をキッチリ固めておく必要があるのです。
完全5度をちゃんと作ってから、その真ん中に「3度」をはさむ。
これが、私がおすすめする、コード理解の方法です。
はい、もう一度ご唱和!
コードというのは1・3・5
3度には2種類ある
さて、完全5度の間に3度をはさんで、1・3・5。これが基本形。
それはわかりました。
しかし、もう一つチェックポイントがあります。
3度には2種類あるのです。
今、鍵盤の上にあるのは、親指・中指・小指で ドとミとソですね。
そしたら、その中指のミを半音下げて、黒い鍵盤にしてみてください。
つまりミ♭。 → ド・ミ♭・ソ。
あら、暗い!
・・・て聞こえます?
もう一度、元のミに戻して。ド・ミ・ソ。
あら、明るい!
・・・て聞こえます?
できれば、これ、そう聞こえてほしい〜〜。
明るい/暗い、って聞こえてくれると話が早いんだ〜〜。
単純かつステレオタイプではあるけれど、この違いを 「明るいか暗いか」で聞くことができたら
とりあえず、あなたは、てっとり早く西洋音楽をやるための、基本的な耳を備えていることになります。
もし、そうではなく、まったく異なる感性で聞こえているとしたら、西洋音楽をやるにはちょっとハードルが高いかも・・・
あるいは、和音という概念を持たない日本伝統音楽とか、もっと複雑かつ微細な音程を使いこなすインド音楽とか、現代前衛音楽などに向いておられるかもしれません。
まあ、余計な話はおいといて。
とにかく、明るい/暗い がけっこう重要なのが現在主流の西洋音楽なので、そういうふうに聞こえるという前提で進めますね。
ド・ミ・ソ が明るく聞こえるのは
ドとミの関係が「長3度」だからです。
ド・ミ♭・ソ が暗く聞こえるのは
ドとミ♭の関係が「短3度」だからです。
これ大事。3度には2種類 ある!
「長(ちょう)」と「短(たん)」
何が長くて、何が短いの?っていうと。
ドからミまでの間に半音がいくつあるか、鍵盤を見ながら数えてください。
ド →ド♯→ レ →レ♯→ミ
はい、半音は 4つ分あります。
そして、ドからミ♭までは
ド →レ♭→ レ →ミ♭
半音は 3つ分ありますね。
4つと3つの違いです。
半音4つ分の方が距離が長い。
だから「長」3度。
半音3つ分の方が距離が短い。
だから「短」3度。
「長」は英語でいうとメジャー。
「短」は英語でいうとマイナー。
なので、
ドに対してミが長3度となっている ド・ミ・ソ は
呼び名はCメジャー(Cと表記)。
明るい。
ドに対してミ♭が短3度となっている ド・ミ♭・ソは
呼び名はCマイナー(Cmと表記)。
暗い。
そういうことになります。
つまり、コードが明るいか暗いか、
長調か短調か、決定するのは3度なのです。
5度はそのことに関与しません。
5度というのはある意味、もっと大元の「屋台骨」のようなものです。
光か闇か、わかれ道は3度。
3度をどっちにとるかで、現れる世界は全く違ってきます。
それほど、3度というのは、西洋音楽では重要な役回りなのです。
ふたたび。5度を作って、次3度
というわけで、まとめ。
・親指と小指で完全5度を作って、その間に中指で3度を入れる。
・その3度は「長」なのか「短」なのか。
・わからなくなったら、1と3の間の半音を数える。
半音4つだったら、長。
半音3つだったら、短。
なんですがね。
ほんとは、いちいち半音数えてほしくなんかないの。
そこは耳で聴いて「明るい!暗い!」で判断しようよ、って思います。
どこでもいいから、完全5度を作る。
もう「ド」からは離れましょう。
どこか別の場所で。
たとえば、じゃあ、親指をラ(A)にして。
そしたら、小指はミですね。
完全5度を作ったら
間に3度を入れていっぺんに弾く。
はい、明るい/暗い、どっち?
明るいのがAメジャー(A)のコード。
暗いのがAマイナー(Am)のコード。
この場合、長3度はド♯、短3度はドになりますよ。
いろんな場所で、こういうのを何度もやって実感しましょう。
この3度、明るいの?暗いの?
このコード、明るいの?暗いの?
もちろん、コードには他にもたくさん種類がありますが、まずは、このメジャーとマイナーについて、パッパとわかる耳ができればいいなあ、と思います。
西洋音楽の基本ですからね。
この感覚に耳が慣れていくことが、本当の意味で、コードと、そして音楽を使いこなせる第一歩だと私は思っています。
☆旧ブログ「大人の音楽レッスン」より
2014年7月に書いた記事を加筆修正しました。