「本当」こそがフローを呼ぶ
「本当のことを話す」というのは、カウンセラーにとって必須のことだと私は思っている。
本当のことというのは、自分自身が本当に感じ、思ったこと、という意味。
心の中の真実、という意味。
一人として同じ人はなく、マニュアルが通用しないセッション現場において、唯一頼りになるのは自分の内なる直感と、天の流れ(フロー)しかない。
フローにさえ乗れば、何も行き先がわからなくても、結果最善へと行き着く。
フローに乗るためには、フローを信じながら、絶えず自分自身の「本当」をキャッチし、その通りに語り、その通りに行動するほかない。つまり余計な作為をしないことだ。
そこに、取り繕った嘘や、頭で考えた方策や、小手先でこしらえた操作の言葉と行動を持ちこんだとたん、フローは断たれ、セッションはおかしな方向へ行くと思っていい。
だから、自分の中からいつも「本当」を汲み出すこと。
汲み出した「本当」を、適切な言葉に変換して、そのまま相手に伝えること。
それが、相手のクライアントさんからも大切な「本当」を引き出し、一緒にさらに奥の「本当」を掘り出していくことにつながる。
だから、カウンセラーになりたい人は、「本当のことを言ったら嫌われる」とか「本当のことを言ったら全てが壊れる」とかいうビリーフにやられてる場合じゃないのだ。
逆。
カウンセリングにおいては、「本当のことを言わないとうまくいかない」のだ。
本当のことしか言えない
私は、子供の頃から嘘や演技ができない子だった。
笑いたくもないのに笑えなかったし、思ってもいないことは言えなかった。
だから人にわかられにくかったし、多くの人には好かれなかったかもしれない。
そんな自分の性格をずいぶん責めたこともあったけど、今はこれでいいと思えている。
本当に思ったことしか言わない。
本当に心の中にあることしか出さない。
どうしても何か言わなければいけない時は、少しでも心の中に「本当」の破片を探しにいって、それを言う。
言うべきことがない時は、黙って微笑んでいる。
それでいいじゃないか、と。
今私は、本当のことを言えるこの仕事が、とても楽で楽しい。
自分の内なる愛や共感や励ましや応援の心を、そのまま心をこめて口にする。
照れもせず、遠回しにもせず。頭で検閲せず。
いちばん伝えたい大事なことを
本当に心からそのまんま声にする。
それが次々とフローを呼ぶ。
こんなに楽しいことはない。
そんなことが可能なのが、カウンセリング・セッションという場所。
本当の話をしよう。
それが、私が私として生きられる場所。