他人にイラッと、ムカッと、グサッときたら

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「イラッと、ムカッと」をどう考える?

他人にイラッと、ムカッときたり
他人が言った言葉がグサッとささったり
って、よくあることですね。

多くの「ストレス」といわれるもののほとんどが
人との関わりの中から生まれるものですし
人との関わりなしに生きることはこの世では難しいからこそ
いつもストレスでしんどい思いをするのが
「生きる」ということだと言ってもいいかもしれません。

しかし、どうして人に対して
イラッと、ムカッと、グサッと、きちゃうんだろう?

だって!
あの人が、あんなだから!
あんなことするから!
こんなこと言うから!
こんなふうに言われるから!

あの人がああだから、私はこんな思いをするんだ!
あの人が悪いっ!!
私の周りはほんとにいつもヒドイ人ばっかり!

って思うのが、いわば私たちの「初期設定」の心。

「あの人がああだから、私がこんな思いをするんだ。」って。
そう思うのが普通です。
「だってフツー、そうでしょー!」っていうかんじ。
私たちの心の初期設定そのまんまだと、ね。

だから

たいへんだよねー、嫌な人が多くて。
あなたもよくがんばってるよね、そんな中で。

っていうのが、一般的ななぐさめ方。

それはそれでいいのですが。

でも、実は見方はそれだけじゃないよー!
全く別の見方をすると、別の世界が現れるよー!

っていうのが、心理の世界の考え方です。
いわば、初期設定ではない、あえて意図して選択するもう一つの道です。

ここからは、心理の世界では初歩的かつ常識な話なんだけれど、
まだまだよく知らない方もいらっしゃると思うので、
今日はそんなもう一つの見方をお伝えしたいと思います。

目線を相手ではなく、自分に向けてみる

さて

人に対して
イラッと、ムカッと、グサッと、くるのは
自分の心の中に
すでに
「地雷」があるから。

です。

これね、けっこうヤな話なんで、気分悪くなったり、顔を背けたくなる方もいると思うんです。

ヤな方は「あの人がああだから」ワールドに戻ってもOKですよー。

ヤな話だけど聞きたい方は、聞いてね。

人の言動にイラッと、ムカッとくるということは
それを見た・聞いた自分の心の中の「何か」にそれが触っているということです。

「何か」とは何か。
それは、ヤバイものです。
危険なもの。怖いもの。見たくないもの。

しかも自分では気がついていません。
無意識の中に埋まったものです。
つまり「地雷」です。

その地雷に、他人の言動というきっかけが触れて
あなたの中で地雷が反応し、
着火して爆発するのです。

地雷を持っていなければ、そもそも何の反応も起きません。
ぜんぜん気がつかないか、アッサリ流せます。

そこにムカッとイラッとしたということは
自分の中に、何か地雷があるから。

そう考えてみるのが、もう一つの心の使い方です。

イラッとムカッときたならば、
「そう思わせたあんたが悪い!」と目線が相手に向かいそうになる前に、
ちょっと一呼吸おいて、自分に目線を向けて

あの人の言動が、私の中の何に触ったんだろう?
私の地雷は何かな?

と考えてみるのが、新しい一歩です。

「あの人の言動」に善悪つけるんじゃなくて。
だからと言って
「イラッとムカッときた自分」に善悪つけるのでもなくて。
「あー? アタシが悪いってこと?」じゃなくて。

悪いとかじゃないんです。
ただ立ち止まって、考えてみるのです。

「私の何に、触ったんだろう?」

心の地雷とは、傷と怖れ

心の地雷とは。

いけないと思っていること。
許せないと思っていること。
あるべきではないと思っていること。
ぜったいそうはなりたくないと思っていること。

さまざまな禁止とか「べき・ねば」とか、その種類は数々ありますが、
ほんとに元をたどって絞り込むと
結局は心の奥の「傷」であり
それゆえの無力感や無価値感、罪悪感などです。

できない、足りない、大切にされない、愛されない、価値がない、悪い、罪深い・・・・そういう感情。
つまり、まとめてしまえば「自分がダメであること」

今、読んだだけでドヨーーンとしたでしょう?(笑)
ただの言葉なんだけどね。
そんな反応をしている自分にも気がついてみてください。

こんなに私たちは「ダメ」が嫌いで、
無意識に、ものすごく怖れているということです。
その感情が引き出されること、それに直面させられることを、究極的に怖れています。

これが究極の地雷です。

一生懸命そうならないようにしてるけど
ホントはそうなのかもしれない・・・・

と自分が密かに怖れているがゆえに

そこに図星を指されたらもう立ち直れない。
それだけは絶対にするな!

その威嚇が「イラッとムカッと」です。

他人の言動によって
その図星をさされたような気がする。
そんなことはぜったいに感じたくない!

その抵抗が「イラッとムカッと」です。

そして、ついに図星を指されて(と感じて)しまった!
もうダメおしまい!!

それが「グサっと」です。

もちろん「俺の地雷を踏みやがったオマエが悪い!」というのは簡単です。
そうやって、地雷に触った相手とファイトして生きる人生もありでしょう。
しかし何度言ったところで、きっとまた誰かがあなたの地雷を見事に踏むでしょう。

職場を変えても、パートナーを変えても、
あなたが同じ地雷を持っている限り同じです。

そのたびにまたファイトしてゆきますか?
そんなファイティング人生を選びますか?

それでもありですけどね(^ ^)
でも、もうそんなことに疲れちゃったら。

自分の方に地雷があるのかもね?
って、見る先を変えてみることが鍵になります。

自分の方が地雷撤去する
という選択もあるのです。

心の地雷撤去はできます。
それが心に取り組むということです。
もちろん、チャッチャと済むことではなく、コツコツとした継続が必要だけれども、やればやっただけ進みます。

そもそも、その地雷である「ホントはそうなのかもしれない・・・」とあなたが密かに恐れているそれは、実在しないからです。

「ホントは実は、私ヒドイんです・・・」という自分像は、幻想だからです。

できない、足りない、大切にされない、愛されない、価値がない、悪い、罪深い・・・それらしんどい感情を呼び起こす自分像が、決して真実ではなく、巧妙な心のワナにすぎなかったことに気づける時が、いつか来ます。

それをクリアにしていくことが、心の地雷撤去です。

自分の傷を癒し、
自分のカラマリをほどき、
自分の誤解を解く。

自分ととことん付き合うこと。
自分にどんどん優しくなること。
それが、心の地雷撤去の道のりです。

地雷撤去が進めば進むほど、
心は穏やかになり、他人の言動が気にならなくなり、
「イラッと、ムカッと、グサッと」はどんどん減ってくるでしょう。

「嫌な人、ヒドイ人」が目の前から減ります。
余計なファイトをしなくてすみます。

「言われるんじゃないか、されるんじゃないか」と
そこまで他人の言動に警戒しなくてもよくなります。

だから、自分がやりたいと思ったらやっても大丈夫な
「大丈夫ワールド」がだんだんと出現してきます。

不思議なようですが、
自分の心の地雷を撤去していくだけで
周りの環境も、人間関係も変わっていくのです。

人に対して
イラッと、ムカッと、グサッと、きた時は
自分の心の「地雷」に気づく時。

この原則を頭に叩き込んでください。

くれぐれも注意、
「アタシが悪いのね!」じゃないのでね。
悪くないんですよ。
むしろ、アタシがどれだけ「すでに」アタシのことを悪く思っていたか、ひどく扱っていたか、気がつくことです。

イラッと、ムカッと、グサッと、きたら

アレ?
今、私の中の、どんな地雷に触っ
たのかな?

と問いかけてみてください。

すぐに答えがわからなくてもいいのです。
問いかけ続けることがポイントです。

そんな心の使い方を習慣にしていけたら
人間関係のストレスは格段に減っていくでしょう。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/講師/音楽家
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
ビリーフリセット・クリエーションズ株式会社代表取締役
 
東京芸術大学作曲科卒業後、アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がけ約20年活動。
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセラーへ転身。
非合理な思い込みを外して本来の力を解放するオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、人生の転機に直面した人を新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。
カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
現在はカウンセラー養成の枠を超えて「リーダーズ講座」として長期講座を開催。経営者やリーダー層からの信頼を得て、企業研修にも発展。企業向けオンライン講座「Udemyビジネス」で「はじめての傾聴」動画講座が登録者1万8千名を超えるベストセラーとなっている。

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