行き詰まったら「思考の柵(さく)」を検討してみる

 悩みとか、苦しいこととか、しんどいこととかって
つまりどういうことなんだろう?って考えると、おそらく
その内訳は「葛藤」というのが多くを占めているのではないかと思います。

葛藤というのは、簡単にいうと

・こうしたい ⇆ だけどできない

・こうしなきゃいけない ⇆ だけどしたくない

・こうしようと思う ⇆ だけどやれてない

・こうならなきゃいけない ⇆ でもそうなれてない

・やめようと思う ⇆ だけどやってしまう

・許したい ⇆ でも許せない


・気にしたくない ⇆ でも気にしてしまう


・こうした方がいい ⇆ でもそれをやったらオシマイ


・頭ではわかっている ⇆ 体が動かない

といった、自分の中の相反するもののせめぎ合い、ぶつかり合いですね。
これは苦しいですね。しんどいですね。
考えても考えても、どうしたらいいかわからない。
どっちがホントとか、ウソとかじゃなくて、どっちも自分の気持ち。
どっちをとったらいいのかわからない。
どっちをとっても違うような気がする。
誰かが「こうしたら」と言ってくれても、なんかスッキリしない。

そんな時、どうやって答えを出すんでしょう?

私のやっている心理ワークの世界では、
こんなふうに考えます。

人間の意識というのは「顕在意識(自分でわかっている領域)」
と「潜在意識(自分でわからない領域)」があると言われていますね。
詳しいことは以前の記事を参考にしていただいて。

参考記事→自分でわからない自分

で、「考えても考えても答えが出ない」のだとしたら
それはもう
「考えられる領域」つまり「顕在意識」では答えは出せない
と思ってみたらどうでしょうか、と。

だから
「じゃあ潜在意識(わからない領域)には何があるんだろうね?」
「潜在意識(わからない領域)の側から、
 顕在意識(わかる領域)が考えていることを眺めたら
 どんなふうに見えるだろうね?」

と考えてみるのがワークの世界です。

顕在意識が「こうしなきゃ!でもできない!どうしたらいいの!?」と右往左往している状態というのは、たとえば半径3メートルくらいの範囲に囲われた柵の中で、ヒツジがウロウロしているような状態だと思ってみましょう。

hituzi_saku1

そこでワークでは何をやるかというと
その柵の中で「しなきゃ!でもできない!うわー!」となっているヒツジさんを
ちょっと上空から眺めてみるわけです。

ヒツジの視点からは、柵の中だけが「世界」で「居場所」なので
「もうこれ以上行くところない!」って見えているかもしれないけれど、それを上空から眺めて
「あー、ここでウロウロ、グルグルしてるんだ」って、まずはただ気づく。
その「上空視点」を持つことが、一つの大きなポイントなんですね。

そして、この上空視点に立ったところで、次に
「柵があると思ってるけど、その柵ってどんなものなの?」
問いかけてみます。

実は、当然のように柵があるあると思ってその中で生きていると、その柵の存在を疑いもしないし、材質が何でできているのか、大きさはどんなものなのか、とかも実はあんまり考えたこともなかったりするんですよね。
なので

「その柵ってどういうものでできているのか、
 もうちょっと近づいていって、ちょっと触ってみようよ?」

そんなことをやってみるとどうなるでしょうか。

「そこに柵があると思っているけど、それってほんとなの?」
「ほんとにその柵の中にいなきゃいけないの?」
ってことにもなってきます。

問いかけているうちに、だんだんと
「その柵、いつ、誰が作ったの? えっ、自分!?」
てことに気がついたりします。

うまくいけば

「なんだ、そもそも柵なんてなかった(笑)
 あれ〜、あると思ってた自分、いったい何だったんだろ?アハハ」

なんてことになったりする可能性もあります。
こういうかんじですよね。
hituzi_saku2

あるいは、その柵は小さいヒツジにとって、外の世界から守ってくれる
安全な柵だった可能性もあります。
だから、必要だったんです。
でも、その柵の中で行き詰まっちゃったってことは、
もうその柵は卒業してもいいのかな・・・と考えてみたら?
ということです。
その柵がなくても大丈夫そうかなって思ったら。
そして、その柵の向こうにもっと広い草原があるのを知って、
「行ってみたいなー」って思ったら。
柵はアッサリ開くかもしれないし、
思ってたより全然低くて、飛び越えられるかもしれないし、
すでにもうボロボロで機能してなかったりするかもしれないし、
大人になったヒツジさんだったら、自分から柵を壊して出て行くことだってできるかもしれません。

 hituzi_saku3

さて、柵、柵と言っていましたが、
ここで言っている「柵」とは何かというと
これが「ビリーフ」というものです。
ビリーフとは、私たちの中で限界を作っている思考。
こうでなきゃならない、こうじゃいけない、そういうものだ、
自分はこうなんだ、これはこうなっているんだ・・・など
あらゆるものを規定している「思考のプログラム」です。

私たちが、「したい!できない!どうすればあ〜!」と葛藤している時、意外と、このビリーフという「思考の柵」の中でしか考えられていないということが多々あります。
だったら、その「思考の柵」自体をもうちょっと検討してみようよ?
というのがビリーフワークの考え方です。
そして、検討するにあたってのノウハウというか、
その「柵」の見抜き方のコツが、ビリーフシステム理論というものなのです。

これがわかるようになってくると、ストレスや葛藤などが生じている時に、ただ柵の中でグルグル回ってアタフタしているだけの状態にちょっとストップをかけて
「自分、なんか柵の中で回ってませんかね?」と立ち止まることができます。

その正体がすぐにわからなくてもいいんです。
「立ち止まって、柵を検討する」という方法があるよ!
ということを知っているだけで
「自分でわかっている自分の思考の範囲」を超えた答えがあるかもよ!
ということを信じられるだけで
もうすでに一段高い次元に視点を移していることになります。
ヒツジさんを上空から眺める、ということですね。

その上で、その柵の正体を見破り、乗り越える術を知っていたら・・・
希望が持てますね。

これは、とても救いがあることだと思うんです。
行き詰まっているように見えても、
それは今いるその場所になんらかの柵があるから
その柵の中で行き詰まっているだけです。
その柵は、外から囲われてしまったように見えるけれど、
実は自分の思考が作り出したものであることがほとんどです。

柵は自分で取り除けること、あるいは元々なかったことに気づけば、
私たちは広い草原をどちらに進むか選択できるし
本当に望むことへ向かって
思いっきり走っていくこともできるのではないでしょうか。

hituzi_saku4

そんなかんじで、思考の柵、つまりビリーフを、あなたとご一緒に検討しながら、私独自のプロの視点で見抜いて、解放したり乗り越えたりすることを目指すのが個人セッション。

一方、ビリーフを見抜く方法をご自分でも身につけて、日々の自分の心のメンテナンスに役立てていただこうというのが、セミナーや勉強会ということになります。

どちらのスタイルでも、それぞれの発見があると思います。

3月開始のビリーフシステム勉強会では、そんなビリーフについての基本から、ビリーフの種類、見分け方などを学ぶとともに、ご自身の中にどんなビリーフがあるのか、それによってどんな制約が生まれているのかに気づき、実際にそれを手放して解放する・・・というワークも行っていきます。

全5回のステップの中で、心のカラクリを知って、
ご自分の「思考の柵」にリアリティをもって気づき、
検討しながら自然と超えている・・・
そんなプロセスが訪れるようプログラムを考えています。
皆さまのご参加をお待ちしています。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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