私が10年前にサントラ音楽を作った「ゼーガペイン」のブルーレイBOXが、今日8月31日に発売になりました。
もちろんこれまでもDVDやブルーレイが出ていますが、今年10周年ということで盛り上がってまた新BOXバージョンが出るという熱さ。
制作元のスタッフさん、10年越しで支え続けたファンの皆さんの情熱にグッときますね。
ゼーガペインというアニメは、ちょうど10年前、2006年にテレビ放送されて、その時私は作曲家として背景音楽全般を担当していました。
ゼーガペインの舞台背景は未来。
内容は詳しく書けませんが、当時最先端だった量子論を取り入れ、ロボット&青春というアニメの基本路線を押さえながらも「人が生きるとはどういうことなのか?」という根源的な問いをつきつけるような、深みのある作品でした。
そしてこの10年の間、リーマンショックがあり、3.11があり・・・さまざまな流れの末に人や世の中の意識も変化し、転換の時を迎えています。
自覚のある・なしはあるでしょうが、人の考え方や価値観も、10年前とはずいぶん変わっています。
特に心の世界に興味のある人にとっては、そのあたり実感があるのではないでしょうか。
ここからはちょっと「そっち系」の話になりますよ(笑)。
一部の人達(けれど多くの人達)は、私たち人間が自分だと思っているこの「自分」には実体がないのだということに気がつきはじめています。
「観察するから存在する」という論理を、多くの人が知るようになっています。
量子物理学とスピリチュアルは、180度正反対の道を辿りながら、半周して同じところに辿り着いていることを知る人も多くなっています。
精神世界でいうところの空(くう)や「ノンデュアリティ(非二元)」は、物理学で説明のつく時代になっています。
「ミテイル セカイヲ シンジルナ」
これは作中に出てくるキーワードです。
10年前当時は、少なくとも私は「設定上、なんとなく謎の言いまわし」としか感じていませんでした。
しかし10年後の今、その言葉は全く違うリアリティを持っていることに気がつきます。
見ている世界を信じるな。
私たちが見ている世界は、まさに私たちの一人一人の脳が作り出している世界。
私たちは見たいようにしか見ていないし、
見えるようにしか見ていません。
そして「現実」というのは、絶対不変の真実としてそこにあるわけではありません。
あくまでも「自分が見ている現実」であり「見えている範囲の世界」なのです。
それを絶対視して信じ込んでしまうことで、苦しみのループを引き起こしていることが多々あります。
私が現在自分で発信している「ビリーフリセット®」という心の理論では、まさにこういうことを言っているわけです。
うーん、今ならわかる!(笑)
ゼーガペインではそれ以外にも、今の時代だから腑に落ちる「このことを言っていたのかー!」ということがたくさんあります。
それはもう「アニメの中のお話」ということを超えて、実は、今この現実を生きる私たちについてのリアルな比喩(メタファー)だったんじゃないか!?という気さえします。
まるで映画マトリックスのように、ね。
それはひとえに、原作のハタイケヒロユキ先生や下田正美監督による、幅広く深い知識と造詣によって緻密に構築された世界観だったのですねえ。
私は今になって、やっとそれが実感できるような気がします。
私のリアリティがこれだけ変わっているということは、おそらく世の中でも多くの人のリアリティが変わっているはず。個人と全体はシンクロしますからね。
10年前の作品ではあるけれど、今だから響くメッセージがおそらくたくさん仕込まれているような気がしますし、それをキャッチする人たちもひょっとしたら10年前よりずっと増えているかも・・・。
私も今の目で、今の意識で、もう一度見てみたいなと思います。