■魔女の呪い
「眠れる森の美女」という物語では、生まれてきた姫に、魔女が
「糸車が指に刺さって100年の眠りにつく」という呪いをかけます。
王様がどんなに注意を払っても、姫はその運命を逃れることができず、
結局、本当に糸車が指に刺さって眠りについてしまいます。
呪い。
誰かが、誰かに対して「〇〇は△△になる。」と、強い念と共に宣言することです。
呪いというからには、内容はめでたいことではなく、
嫌なこと、恐いことを宣言するわけですよね。
「おまえは100年の眠りにつく。」
「おまえは白鳥に変わるのだ。」
「おまえは野獣になるのだ。」
など、だいたい呪いをかけるのは魔女ということになっておりますね。
そして「呪いがかかってしまう」とは、
かけられた人が、その言葉通りに動かされてしまうことです。
それで、その言葉が現実化して、
姫が眠りについたり、娘達が白鳥に変わったり、王子が野獣に変わったり・・・・
ということになるわけですね。
そして、彼らは苦しい思いをしなくちゃならないわけです。
■人生にかかった呪い
さて、それでは、こんな呪いの例を考えてみましょう。
おまえは、嫌われる。
おまえは、価値がない人間だ。
おまえは、欠陥がある人間だ。
おまえは、無力だ。
おまえは、必ず失敗する。
もしも魔女が、あなたにそんな呪いをかけたとしたら、どうなるでしょうか。
もしあなたが、まんまと呪いにかかってしまったとしたら、
きっとあなたはこの先の人生、
いつも人に嫌われて、
価値がない人間として、欠陥を
抱えたまま、
無力で、必ず失敗する人間として生きていかなければいけなくなるでしょう。
周りを見渡せば、いつも自分のことを嫌ったり、バカにしたり
自分の足りないところを責め立てたりする人ばかり
現れることになるでしょう。
そして、あなたは
「ああ、もう自分は一生、嫌われて、価値がなくて、欠陥があって、無力で、必ず失敗するような人間として生きていかなければいけないのか・・・!」と絶望することになるでしょう。
「こんな人生だったらもう死にたい。」と思うかもしれません。
呪いにかかるっていうのは、そういうことですね。
■私たち、みんなやってる自己否定
さて、それで。
さきほどは、この呪いを「魔女がかけたとしたら・・・」ということにしましたが、
実はこれ、私たちが自分で自分にかけている呪いです。
ぜんぶ、「私は」に置き換えてみてください。
私は、嫌われる。
私は、価値がない人間だ。
私は、欠陥がある人間だ。
私は、無力だ。
私は、失敗する。
その他、「私」に関するダメだしの数々。
自己嫌悪におちいる、理由の数々。
私は、悪い人間だ。
私は、腹黒い。
私は、心が冷たい人間だ・・・・などなど
やってる、やってる!
あなたならではのオリジナルもたくさんあるでしょう?
よかったら他にも書き出してみてください。
・・・・・・・・・
これ、呪いですよ?
自分で自分にかけた呪い。
自分でかけて、自分でかかって、
その通りの人生になって、苦しんだり絶望したりしている。
そして、呪い通りに生きている自分を恥に思って、
ぜったい隠さなきゃ、こんな自分を見られたら嫌われちゃう・・・って
あら、また「嫌われる」の呪い通りに、動かされていますね。
■自己否定とは、自分にかけた呪いである
これが「自己否定」です。
自分を思いっきり、低く見積もっていること。
自分を悪くて、ダメで、ひどい人間として定義していること。
自己否定というのは、自分で自分にかけた呪いです。
もちろん、自分でかけたつもりなんかありません。
知らないうちにかかっています。
その呪いが生まれてしまうきっかけは、
実は幼い頃の家族関係や、生育環境など、色々な背景があります。
一概に、あなた一人のせいでこの呪いが生じたわけではありません。
しかし、そうやって生まれた呪いを、
まんまと信じ込んで、かかってしまって
その呪いを継続させてしまったのは、
いかんせん、しょうがない、あなた自身なのです。
しょうがないね、知らなかったんだもの。
しかし、それはしょせん、呪いにかかっているだけ。
呪いというのは、気づきさえすれば、解くことができるものです。
そして、「自分はこの呪いに動かされない」と決めれば、
もう呪いの力は及びません。
なんたって、自分でかけている呪いなんですから。
■かかった呪いは、解くことができる
では、お話を進めましょう。
呪いにかかって絶望の毎日を送るあなたの元へ、
ある日、よい魔女が現れて、
「あなたのその呪いを解いてあげましょう。」と言いました。
よい魔女は、あなたの周りで杖を一振りすると、
これまでの呪いは黒い煙になって空へと消えてゆきました。
そうしたら、あなたはどうなっていますか?
なんだか身体にのしかかっていた重いものがとれて、スッキリした気分。
「あー、呪いが解けたんだ!
もう今の自分は、嫌われて、価値がなくて、欠陥があって、
無力で、必ず失敗するような人間じゃない。」
きっと、そんなふうに感じるかもしれませんね。
呪いが解けたあなたは、どんな人ですか?
好いてくれる人も嫌う人もそれなりにいる、普通の人?
価値があるかないかって、決めてる基準て何だっけ?
決めてる人は誰だっけ?
欠陥てどこのことですか?どこかに穴でもあいていますか?
やろうと思えばやる能力も、使えば使える知力も体力も、
一般レベルくらいはありましたね?
失敗して学んで工夫して上手くなる、それ普通だよね?
ていうか、メンドくさい、なんでもいいやね、そんなの。
きわめて普通に、ただそこに生きている、
そのままのあなたという人が、いるのではないでしょうか。
それでOKじゃないですか?
■「ビリーフ」とは呪いのようなもの
呪いっていうのは、そんなもんです。
解けてみれば、最初からなんてことなかったんです。
そして、この自己否定という呪いは。
解くことができます。
「この呪いはもう解けました。」と自分で決めれば、それで解けます。
少々、潜在意識の助けを必要としますけれども。
そんなにアッサリ言うな!って?
そんな簡単なモンならこんなに苦労はしないんだ!って?
そういう方は、ぜひご一緒に探求しましょう。
ここまで「呪い、呪い」と言ってきたもの。
それが、専門用語でいう「ビリーフ」というものです。
私は、嫌われる。
私は、価値がない人間だ。
私は、欠陥がある人間だ。
私は、無力だ。
私は、失敗する。・・・等
これらをビリーフ・システム理論では
「自己否定コア・ビリーフ」と呼んでいます。
ビリーフとは、まさに呪いのように意識に入り込み、
その通りの人生へと動かしていってしまうものです。
そして、本人はかかっていることに気がつきません。
そのビリーフを一緒に見つけ出して、解放するところまでご一緒するのが
私の提供している「ビリーフ・ワーク」です。
呪いというのは、解けてはじめて
「なんだ!こんな呪いにかかってたのか!?」とびっくりするものです。
まさに目からウロコ。
そして、その瞬間のなんともいえない、軽さ、開放感。
「なんだ〜〜!(笑)」というかんじ。
このかんじを、一人でも多くの皆さんと一緒に味わえたらうれしいです。
私は魔法使いではないですが、
ビリーフ・システム理論、そして音というツールを携えて
あなたがかかってしまっている呪い、つまり「ビリーフ」をみつけ、
解放する準備はできています!