「しょうがない」は癒しの言葉

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実際そうなんだからしょうがない

「しょうがない」

この言葉は、諦めとか、なげやりとか
そんなイメージが絡んで
一般的にはあまりよく思われない言葉かもしれません。

でも私は、この「しょうがない」
けっこう好きなところがあります。

「しょうがない」とは
仕方ない、どうしようもない。
ものごとはそうでしかない。
つまり、自分ではどうともならないということでもあります。

他人や物事に対して
私たちはどうしても

こうであってほしいのに
こうであるべきなのに
なんでそうなの
なんでそうなってるの
そんなのはいや!

と受け入れがたい気持ちに襲われます。
そして、そう思っている状態って
とてもストレスですね。

でも、実はそこにこそ
「しょうがない」の出番があります。

自分には手出しのしようがない。

あの人がああなのも
あのことがそうなのも

「なんでそうなの」
「そうならないでよー」って言ったって
そうなんだったら、そうなんです。
実際そうなんだから。
しょうがない。

「しょうがない」は現実を受け入れる言葉です。

現実を受け入れるとは
自分が頭の中に描いているだけの
願望や期待や要求を
諦めて手放すことです。

そういう自分の頭の中のことより、
目の前に起こっていることに重心を移して
ただそのままにすることです。

そうやって現実を受け入れることができたら、
「じゃあ、どうしようか」という次に進めます。

「諦める」はクリアーな意識につながる

「諦める」というと
よくないイメージを持つ方もいるかもしれませんが
それだけではないと私は思います。

一説によると、「諦め」とは「明らかに見ること」
だという話もあります。

明らかに見るとは
現実がそうであることを、そういうものだと
あるがままに、そのままに見る
ということだと思います。

そう考えてみると、諦めるということは
とてもクリアーな意識につながることでもあります。

あの人は、この件は
こうであってほしいのに
こうであるべきなのに
なんでそうなの
なんでそうなってるの
そんなのはいや!

と力を入れていた頭が

「あの人はああなんだから、あれでしょうがないわ」

と諦められた時、
フーッとゆるむ体験をすることがあります。

関西弁でいうところの
「そらしゃーないわ。」ですね。

その瞬間、心がゆるみ、
なんだかもういいような気がして
心が軽くなり、笑いさえ出てくることもあるでしょう。

この「しょうがない」なんです。

実は「しょうがない」は「ゆるし」の言葉でもあります。

「私はもう責めない」ということ。
「私はもう戦わない」ということ。
「それでいい」と受容すること。

「しょうがない」があたたかな「ゆるし」へ

たとえば、こんな例があります。

小さい時からウチのお父さん、
仕事人間でほとんど家に帰らず、たまにウチにいる時はテレビとお酒。
お母さんに優しい言葉一つかけず
それどころか怒鳴って暴言吐いて。
自分たち子供にも愛情があるんだかなんだかサッパリわからない。
何考えてるんだかサッパリわからない。
もっと家族を大事にしてほしいのに。
なんなんだ、あのおやじ。
ああはなりたくない。

そんな思いをしてきた方はけっこう多いです。

カウンセリング中、あるワークによって
お父さんの心情を、
初めてリアルに感じる体験をすることがあります。

その時、わかることがあるのです。

「ああ、お父さんには感情を感じる回路がなかった・・・!」
「お父さん、ほんとに何にも考えてなかった・・・!」
「目の前の仕事のことばっかりで、家族の気持ちどころか自分の気持ちさえ、考える回路がなかった」

「これじゃ、しょうがないわ(笑)」

ほんとにそう思えた時、
もう責める気持ちはなくなっちゃうんです。

そもそもないものを、
いくら求めてもしょうがなかった!

という気づきです。

そんなこと求めてもこの人じゃどうにもならないことを
肌身で知ってしまうと
ガクッときて笑っちゃうくらい。

でも、同時に
それだけ感情の回路がなくて
家族に気持ちを向けるということもわからないお父さんだけど
それでも唯一、家族のために勤め続け、
稼ぎ続け、一家を養い続けたこと。
それだけは絶対にやり続けていたこともわかるのです。

それが、お父さんなりの
責任という名の
家族への愛の「つもり」だったことを。

そしてまた
「なんだよ、しょうがないなあ。。。」と。

胸があたたかくなるような、切ないような
涙がでてくるような気持ちとともに
そんな不器用なお父さんへの「ゆるし」が起こります。

そんなシーンを、私は何度も見せてもらったから
「しょうがない」のパワーがよくわかります。

ほんとのところ、「しょうがない」は
受け入れ難かった自分の家族や過去に対して思えると
とても深いゆるしと癒しにつながる言葉です。

「しょうがない」と心底思えるようになったら
もう過去の荷物を過去に置いて
身軽になって進んでいけます。

あらゆることは
しょうがないんです。

そうなっちゃったんなら
そうなんだから
それしかできなかったんだから
そうでしかなかったんだから

しょうがない。

「しょうがない」は
自分の頭の中の考えへの執着を
スッと手放せる言葉です。

闘いでヒリヒリした心を
やさしくクールダウンして
癒してくれる言葉です。


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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