生徒さんの中には、面白い活動をしてる人が時々いる。
数年前には、バグパイプをやっていて東京セントパトリックデイ(アイルランド祭り)
のパレードに出てたという人がいた。
学校にバグパイプを持ってきて聴かせてくれたことがある。
アイリッシュ調の曲を自作し、自分でバグパイプを吹いて録音を残していった。
浅草の路上で古い昭和歌謡専門のバンドをやっているという人もいた。
最初見かけは普通だったのが、だんだんと刈り上げに丸眼鏡というスタイルになり、
なんともそれっぽい雰囲気をかもしつつあったのが微笑ましい。
スーパーよさこいのチームに入っていて、原宿スーパーよさこいで踊っていた
という人もいる。
スーパーよさこいは、四国のよさこい節をモチーフに現代的ハイブリッドな
新作アレンジが毎年作られ、気合いの入った創作群舞を披露する祭りである。
ゆくゆくはそのアレンジを手がけるのが夢なんだって。
それぞれの世界があって面白いなあ。
ロックやJポップ、あるいはジャズとか
いわゆる音楽ビジネスの世界で身を立ててゆこうとする道。
打ち込みバリバリ、オーディションやコンペの作家街道。
バンドを作ってライブやデモ作りのアーティスト街道。
セッション渡り歩き、人に呼ばれてヘルプやサポートのミュージシャン街道。
そんな活動はきっと王道で、そこに飛びこもうという人も立派だけど
でも、音楽やるってそれだけじゃないもんね。
先ほど挙げた彼らみたいな、独特のコミュニティーに根ざしたような活動も
ユニークで、全然フィールドが違うけどまたいいなあ・・・と思う。
プロとか、プロじゃないとか、まあいいんじゃないか。
上手いとか、下手とか、それもまあいいんじゃないか。
色んな場所で色んな音楽との関わり方があって
それぞれの人が、それぞれの喜びを感じてる。
どんな形であれ、音楽がその人に何らかの喜びをもたらしている
そのことが大切。
それでいいんじゃないか。
当たり前ですかね。
でもそれ、これまで私はあんまりわからなかったな。
王道だけに焦点が当たっていて、それ以外のことは目に入っていなかったように思う。
でもたぶん、音楽療法に関わるようになって
お年寄りや患者さんが、歌を歌ったり楽器を叩いたりして
それがたとえどんなに稚拙でもめちゃくちゃでも(笑)
その人がその人なりに一生懸命で、嬉しそうなんだからいいんじゃなーい。
別に嬉しそうにしてなくたって、それはそれでいいんじゃなーい。
という、何でもオッケーな感じを普通に持つようになって
自分自身がゆるくなってきたのかもしれない。
なんか最近、難しいことが考えられなくなってる。
それでいいんじゃなーい?
なんでもいいんじゃなーい?
そんなのばっかり。
包容力なのか、バカなのか。
達観なのか、疲れてるのか。
はは、どっちだろうね。