仕事をやめたい理由はその仕事が違うから?人間関係が辛いから?

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まったく方向が違う2つの「やめたい理由」

今の仕事がつらい
おもしろくない

本当にこんなことがしたいのだろうか
この先ずっとこれは耐えられないんじゃないか

本当は自分にはこの仕事が合ってないんじゃないか
最初はやりたいと思った、そんな気持ちはウソだったのではないか
そう思っていた自分が間違っていたのではないか

やめたい
やめようか・・・

そんなふうに迷いはじめる時、ありますね。

そう思いはじめた方にはざっくり2つの傾向の場合があるように私は思います。

もちろん、個々の事情は様々ですから、パッキリとこの2つというわけではありませんが、私がよく出会うケースということで考察してみます。

ケース1

そもそもその職種、仕事内容、やっていること自体が、実は自分に合っていないとか、もう今の自分のステージに合わないとかそういうことに気がつきだした場合。

ケース2

しんどいのはじつは仕事そのものではなくて、人間関係や、そこで感じる自分の感情だったりする場合。

これ、実はけっこう違うのです。

1の場合、気がついてしまった時はけっこうショックもあると思いますが
それをきっかけに、本当に自分の望むことは何かに向き合って、そちらに向かって軌道修正をすれば
これまで以上に、より自分らしく充実した人生に変えていくことが可能です。

この時大事なことは
その違和感を感じる自分を大切にして
「これまで」をもう見切っていいことを自分に許し
「これから」のヴィジョンを描き
卒業に向けてステップを踏んていくことです。

ですから、私のカウンセリングでは、こういうケースに対しては、そのような方向にサポートしていくことが多いです。

 

2の場合はそうではありません。

2の方が直面しているのは、いってみれば「おなじみの人間関係と感情の轍(わだち)」です。

こういう場合、よく振り返ってみると
その職場、その人間関係に関わらず、過去、いろんなシチュエーションで、同じような人物、同じような関係で、同じような嫌な思いをしてきた「パターン」があるはずです。

それはいわば、その方オリジナルの「心の脚本」です。

私たちは無意識にどこへ行ってもその脚本を持ち歩いて、脚本通りに、現実が繰り広げられています。

たとえば「意地悪な上司の元で理不尽な苦労をする私」という脚本であれば、前の職場でも、今の職場でも、次の職場でも、全国どこへ流れていったとしても
「意地悪な上司の元で理不尽な苦労をする私・劇場」が各地ロングラン公演されることになります。

ということは、この2のケースの場合
「仕事が合わない」かどうかよりも、先に取り組まなければならないのは、その脚本の検証と書き換えです。

いつも嫌な思いをする脚本パターンの奥には無意識の思い込み(ビリーフ)が関与しています。

そこをちゃんと見ていって、無意識レベルの勘違いを解いて、結果として現在の意識レベルの解釈が変わっていくことで
人間関係に起因する「嫌な感情」を経験することがなくなってきます。

 

そのように、無意識レベルのクリーニングというのは、現在の状況や感情に対して大きな影響力を持つのです。

ですから、2のケースの場合、カウンセリングでそのようなプロセスを経ると、それまで辛かった職場や人間関係がそうではなくなることもよくあります。

そうすると、当初の疑問

本当にこんなことがしたいのだろうか
本当は自分にはこの仕事が合ってないんじゃないか

といったものには、答えが出るのです。

ああ、職種や仕事の問題じゃなかった、と。
自分の受け止め方だった、と。

そう気づいた時に、「その仕事はそもそもやりたいことだった」とあらためて気づく方もいらっしゃいます。

そんな気づきを得たお一人である、C子さん(仮名)の物語をご紹介します。

やりたい仕事だったはずなのに

C子さんは、ご結婚後思うところあって、がんばって保育士の資格を取り、近所の保育園で保育士として働きはじめました。

もともと子供が大好きで、やりたかった仕事につけたのですが、はじめての現場で慣れないことも多く、先輩の保育士や厳しい園長から叱られることが増えて精神的に消耗していきました。

園長や先輩はただただ「怖い人」。

何か言われると、焦ってかえって的確な判断ができず、大事な行動ができなくなってしまう。

怖いから目を合わせられず、ろくにものも言えず、その場をやり過ごすようにただ「はい、はい」と従っていました。

そうすると、ますますきつい物言いをされるようになって、ますます萎縮し、動けなくなる。

園長や先輩を怖れながら、的確な行動ができない自分が本当に辛くなってしまったのです。

自分が本当に保育士に向いているのか
そもそも向いてないんじゃないだろうか・・・

自信がなくなってしまったというのです。

心の旅・あの人も私と同じ一人の人間だった

そんなC子さんと一緒に、心の中を探求していきました。

今、出会っている子供達と、小さかったころの自分の姿が重なって感じられた時

C子さんの深いところには、

 

どんな子であっても、その子の気持ちを尊重して可能性を伸ばしてあげたい

ダダをこねても、できる限り受け止めつつ、一緒に考えながら導いていきたい

 

という純粋な願いがあったことがわかりました。

あまりにも日々に追われていて、忘れてわからなくなってしまっていました。

その包容する愛は、C子さんの本来の個性であり「母性」のすばらしい力です。

そこでC子さんは、ふと思い出しました。

園長は日頃「やさしくしてるだけじゃダメ。締めるところは締めないと!」とよくおっしゃっていたことを。

そうか。と。

愛には、受け止め包容する「母性」の愛と、律し導く「父性」の愛があります。

子供が育つには両方が必要なんだ。
どちらかだけではだめなんだ。

私はどうしても片方だけになってしまっていた。
そのことを言われていたのか。

だから園長はすばらしいのか。
だからそんな園長に
子供たちは自然と信頼を持ってついてくるのか。

C子さんは、それがわかったのです。

 

そしてさらに、園長の立場になってみるワークをやってみたところ

子供たちを安全に預かるという多大な責任を背負って、全体に目を配っている園長の心がストンと腑に落ちました。

ああ、園長はこういう責任感をいつも感じているのか。
これはたいへんだなあ
園長、すごいなあ

と素直に思えました。

そして、園長もまた「子供達にとって一番いいように・・・」と願っている人だったのです。

その立場や経験から表現が違うから、私にはわからなかったけど。

その点では私も園長も、同じところを見ているんだ!
そういう意味では本来「同志」になれる人なんだ!

そのことが腑に落ちると
固まっていた心が一気に解けていきました。

園長が、一人の人間として心に入ってきた瞬間です。

 

そうなんです。

苦手な人や上司などを、ただただ怖れて避けているだけの時、実は相手のことを「人間扱い」していません。
わけのわからない「モンスター扱い」になっているのです。

相手が何を思い、何を望み、何を目指し、何を背負っているのか。

これが見えた時
そしてそこに自分と同じものを見た時

自分はその人に対して「同士」になる選択をすることができます。

C子さんはもともと心がやさしく、人のために支えたり一生懸命することがうれしい方です。

であれば、園長のことを本当に理解し、同じ目的のために
時には園長の手が回らないところをカバーしたり、必要な意見を言ったり、自分で考えてサポートすることもできるはずなのです。

 

そして、実は園長から自分が求められていることも、そういうことだったのではないか。

怖れて目をそらされて、ビクビクしながら「ハイハイ」言われるだけより
本当は、そうやってサポートしてもらえたらどんなに心強いか。

ああ、そうか!と、
C子さんは、全く新しい目が開かれていきました。

園長も先輩も、モンスターじゃなかった(笑)
そう見ていたのは私なんですね。

 

人は、恐怖の回路から脱出すると、ものごとを落ち着いて受け止め、考えられるようになります。

相手が自分と変わらない一人の人間だとわかると、相手の気持ちを自然に考えられるようにもなります。

それとともに、自分もまた決して無力ではなく、何かを考えたり提供したりできる一人の人間であったこと。

そんなふうに自分自身のことも思えるようになり、自信を取り戻すことができます。

 

その結果、C子さんは、職場でずいぶん余裕を取り戻し、以前よりコミュニケーションをとりながら相手の気持ちも考えた上で、自分がどうすればよいかもわかるようになってきたそうです。

そんなC子さんから、その後いただいた感想をご紹介します。

セッションその後・全くなかった自信がでてきました

C子さんのご感想より〜

最初にセッションした時から考えると信じられないくらい、
全くなかった自信が出てきて、逆に羽目を外さないようにと思うくらいです(笑)

一人一人意見が違うことは当たり前。
相手に何を言われても、自分の気持ちが分かると相手の気持ちが分かるから、
素直に受け止めて、為になることは取り入れて、努力して自分らしく生きていく。

周りがどう思っているか気にしてもしょうがない。
人それぞれの人生。
これからもまた悩んだり落ち込んだりあると思いますが、
明るくなったり暗くなったり、優しくなったりイジワルになっても大丈夫ですよね。

周りにいろいろ言われても、
自分がやりたいことを素直にすれば良いんだ!と思えるようになって、将来が見えて来ました。

これからは夫の気持ちを受け止めて、二人で二人らしく生きていきたいと思います。
心に余裕が出てきたので、今度は身体を大事にします。
そしてゆっくり、いろんな人が笑顔になることをしたいです。

あやさんに出会えたこと、家族はもちろん、夫や友人に出会えたこともすべて偶然かもしれませんが、
本当に良かったと思います。
みんな、かけがえのない大切な人たちです。

 

いかがでしょうか。

冒頭に挙げた問題

今の仕事がつらい
おもしろくない

本当にこんなことがしたいのだろうか
この先ずっとこれは耐えられないんじゃないか

本当は自分にはこの仕事が合ってないんじゃないか

最初はやりたいと思った、そんな気持ちはウソだったのではないか
そう思っていた自分が間違っていたのではないか

やめたい

やめようか・・・

そんな迷い。そして、

しんどいのはじつは仕事そのものではなくて、人間関係やそこで感じる自分の感情だったりする場合。

そんなケースには、こんな解決の道もあるのです。

もちろん、ケースバイケースですから、必ずしもそこに留まるだけが解決ではなく
場合によっては、心の転換をした上で、そこから離れる決断をすることから道が開ける場合もあります。

いすれにしても解決の糸口は、自分の心に向き合うところにある。

まずは、自分の心。

私は何人もの方に出会うたび、その実感を深めています。

 


この記事を書いた人

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大塚 あやこ

心理コンサルタント/作曲家/ピアニスト
一般社団法人ビリーフリセット協会 代表理事
 
東京芸大作曲科卒業後、演奏家・作曲家として活動。アーティストのツアーサポートや編曲、アニメやドラマのサントラ作曲等を手がける。
 
音楽での燃え尽き体験をきっかけに、心理カウンセリング/セラピーへ転身。
悩みの根本原因に迫るオリジナルメソッド「ビリーフリセット®」を提唱し、前に進みたい人、人生の転機に直面した人などを新しいステージへと導く個人セッションや講座を開催。「ビリーフリセットで人生が変わった!」という人多数。カウンセラー養成講座も開催し門下の認定カウンセラーを多数輩出している。
その他、心と意識をクリアにするサウンド瞑想など、独自の立ち位置で音楽制作やライブイベント等も行っている。

◎一般社団法人ビリーフリセット協会代表理事
◎淨音堂株式会社代表取締役

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